秋の夜長
秋といえば夜長。
けれど本当に夜が長いのは秋よりもちろん、冬。
なのになぜ夜長は秋なんだろう。
冬は一貫して夜が長いが、秋は一方的に夜が長くなっていく。
夏から秋になり日々夜が長くなる変化を捉えて、夜長というのだろう。
長さが板についた冬の夜には「お! 夜が長いな」とは感じない。
本当に長い冬の夜より秋のほうを夜長というなら、結果よりまずその変化にこそ大きな意味があるのだろうか。
自分を変えたいとか、生き方を変えたいなどと思いながらもなかなか勇気が持てない人は、変わった後のことを考えるより、まずはわずかでいいから変わってみることが大切なのかもしれない。
ふと会社の窓から眺めた雀色の山々に、今年初めて夜長を感じた。
(2014/8/22記)
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