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できれば具なしが最高だ

雑炊っておいしい。
なぜだか汁にひたったご飯が好きなのだ。
具なんていらない。

お茶漬けしかり、クッパしかり、ネコまんましかり。
味気ないお粥だけは子供の頃苦手としていたが、今は大好きだ。
リゾットのようにぐちゃっとしたのもいい。
おじやは、汁が減るまで火にかけたのが好き。

なぜそういうご飯が好きなのかはよく分からない。
子供の頃、おかず食いだったからだろうか。
いつも最後にご飯だけ残ってしまい、冬なら熱いほうじ茶、夏なら冷たい麦茶をかけて一気に流し込むことが多かった。
かかりつけの小児科医は、その食べ方がいちばん消化に悪いとたびたび忠告してくれたが、そんなこと言ったって…
案外、ダメ出しされた食べ方が魅力的に見えただけかもしれない。
お粥が苦手だったのも、親から推奨されたからと思えばしっくりくる。

でも、なぜ店で食べる鍋の〆の雑炊は卵を入れるのだろう。
鍋の余韻を楽しみたいのに、卵を入れてしまうともはや卵の味しかしない。
店で「そろそろ雑炊をお作りしますね」と言われたとき、必ず卵は入れないでと言うのだが、90%くらいの確率で感じる「は? 今何言うた? 卵入れずに雑炊作れると思うなよ」的な視線。
え? なんで卵がデフォルト? と一瞬ひるむが、断固立ち向かう。
意が伝わるまでに二度三度と繰り返し頼んでようやくということもあるが、最終的には卵抜きの雑炊が運ばれてきて大満足。
やっぱり鍋の〆はこうでなくっちゃ。

雑炊っておいしい。
できれば具なしが最高だ。

(2021/4/22記)

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