歴史 表板をアーチ状にした理由
「ヴィオラ・ダ・ガンバ」は、横板を薄くして、大型化をすれば
魂柱だけで裏板中腹をしならせることができると考えていた。
しかし、魂柱でけでは力不足だったのだ。
ひょうたん型のくびれは、横板がついたことで固くなり、
魂柱が裏板を押し下げる力を、ふちは引き戻そうとしていた。
これは困った。
裏板ふちを押し下げるにはどうすればよいのか。
この対策として考えられたのが、表板をアーチ状にすることである。
そして、C字孔という切れ込みにより、積極的に力をふちに流している。
表板側から押せば、曲がるだろうと考えていたが、
これも大きな効果は得られなかった。
まさか、横板がついて箱になったことでこれ程「しなり」を作ることが
難しくなっているとは考えていなかった。
ただ、表板をアーチにしたことで、
駒の押す力は、全てアウトラインふちまで流れ
C字孔の切れ込みへの負担が減り、破損することが減った。
この効果は、捨てがたいものがあり、
表板アーチは必要なものとして受け入れられたのである。
しかし設計者は、結果オーライだけでは、満足できない。
私を含めて、なんとも不憫な人種である。
なんとしても、裏板中腹をしならせてみせる。
ただ、表板をアーチ状にしたことで別の問題が発生していた。
先に、その問題の対策を迫られたのである。
つづく。
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