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「標準」とは世の中の都合が創ったもの
歴史で説明した「初期ヴァイオリン」は16世紀ごろに生まれ、
そこから、現代の標準ヴァイオリンに進化してきた。
標準とは、簡単に言えば、ストラド・クレモネーゼである。
世の中が「優秀なヴァイオリン」と認めた作品に対して、
その性能を多くの人が再現できなかったことで、
同じサイズの楽器が世の中にたくさん出回り、
標準となったわけである。
まあ、気持ちもわかる。
ストラドよりも性能の低い楽器になることはわかっていて、
サイズやデザインを変えれば、「変な楽器」と判断される。
だから、作り方や材料まで極力同じにして、
努力しています、と言うしかない。
![](https://assets.st-note.com/img/1667403055865-e975jcZZtF.jpg)
私が作る「風時代Vn」で変えたいのは、
上図の「標準サイズ」なのです。
年齢を問わず、演奏が上達できる環境を作るには、
標準サイズを小さくしたい。
これまでは、「新作ヴァイオリン」がストラドと
同じぐらい良い音になれば受け入れてくれる、と考えていた。
しかし、現実にはそうでもなくて、
これまでの経験から、音が多少良くても
世の中は「変った音の楽器」と判断されてしまうのです。
実際に、ヴァイオリン環境技術でYAMAHAのV10を
銘器並みの音に変えても、受け入れられない経験もしました。
10万円のヴァイオリンは、10万円の価値、実力であるべきで、
余計なことをするなと言われたような気分でした。
「余計なこと」と言われても、頑張ります。
私にしか見えていない「景色」があるのです。
まずは、必要最小限のサイズを考えることで、
起点になるのは「駒」だと思いました。
ここから、ひもを解いていきます。
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