見出し画像

Accused

被疑者は48時間の拘留の後,
拘留請求を経て10日から20日間の拘留が延長される.
拘留の理由として,逃亡のおそれ,と証拠隠滅のおそれがある.
この2つがクリアされれば保釈の申請が通る.
証拠隠滅のおそれのある者は接見禁止処分となる.

オレは検察庁へ取調へと向かっていた,薄暗い留置所からでれるのは,すこし嬉しかった.
検察庁は綺麗な公園の横にあって,その景色が好きだった.
よく考えたら,景色が綺麗だなんて逮捕前に思ったことはなかった…

検察官はすこし恰幅が良いオトコだった.
事件について質問してくるが,どうも,マトが外れた質問が多かった.
返事は相変わらず,言いたくありませんで通した.

はじめの逮捕は処分保留で起訴はされなかったが,すぐに再逮捕された.
オレは,その逮捕の拘留後に起訴された…

被疑者から被告人となった…
まだ年は明けてなかった.

年が明けてすぐに,また再逮捕された.
覚せい剤取締法違反の罪だった.

刑事が変わっていた.
「Jelly,オマエどうなんだ?」
「なにが?」
「シャブはやったのか?」
「やってるに決まってるじゃないですか…」
「そうか,ホントか!認めるのか?」
なぜかその刑事は嬉しそうだった
「ええ認めますよ」
そこから調書が作成されたが,この調書にも手印は押さなかった.

刑事は
「どうして?」
「詐欺で起訴されたから,公判で話せばいいじゃないですか…」
「ソレだと困るんだよ」
「んなことしらねぇよ,あのブタ検事に認めたって伝えとけよ,ソレでいいじゃねぇか!」

調書なんて書かせるはずがない…
なにを書くんだろう?

覚せい剤を炙って…
なにをやってたかなんて人に言えるわけがない…

アダルトショプでエロの道具を物色して,デリバリーでオンナを呼び,縄で結ばせてくれと言って断られたとか…
そんなネタはいっぱいあるけど…
そんな話とかを公に晒すわけにはいかなかった…

季節は冬の真っ只中だった…
留置場の窓からはよく雪が降っているのが見えた.

#小説 #短編小説 #長編小説 #連載小説
#あの夏に乾杯
#チームだからできたこと
#人生を変えた出会い
#私のハンドメイドストーリー
#令和元年にやりたいこと
#はじめてのインターねっと
#私の仕事
#noteでよかったこと



サポートしていただけるとありがたいです.