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2021年、新型コロナがベトナム経済に与えたダメージとは

はじめに

ベトナムは世界でも稀な「コロナを抑えた国」として2020年前半は好投をしていた。しかし、デルタ株の登場により一気に形勢が変わった。今回は「新型コロナウイルス」が経済与えた影響について各産業ごとに簡単にまとめた。

大きな影響を受けた産業

旅行・宿泊

ベトナムのGDPにおいて旅行・宿泊産業は9.2%にあたる。2015年から2019年まで順当に伸びていたのに2020年・2021年で急降下してしまった。30%の旅行会社は市場から離れ、残りの企業も多くが停止している状態である。ベトナム政府はワクチンパスポートを発行して、2022年6月にコロナ以前の海外からの観光客を入れる見込みである。

アパレル

主要な輸出先であるEUや米国の景気低迷により輸出が落ち込んでいる。欧州と米国の両方で4割ほどの消費減少が見られ、この産業に大ダメージが与えられた。また、ロックダウンにより生産量を確保できず、ほかの工場での生産をすることもあった。

それなりに影響を受けた産業

製造業 

世界の「脱中国」から委託製造を受けることが多いベトナムの製造業は比較的に好調だった。しかし、影響がないわけではない。ロックダウンにより地域を跨ぐことができないため、工場に寝泊まりして働く人が多かった。その中には宿泊場所を確保できない人が多く発生し、工場の停止をせざるを得なくなった。

農業

ベトナム南部はロックダウン中に食料価格が高騰したが、地方にいる農民は果物や野菜を出荷できずに廃棄しなければならなかった。この問題はサプライチェーンの機能不全によるものである。また、ホーチミンでは買占めが発生し、供給不足から価格が3倍になることもあった。

あまり影響のない産業

小売

食品を販売するスーパーマーケットはコロナによる影響が少なかった。それどころか買占めにより売り上げが伸びた会社もあった。ただ、ショッピングセンターなどはロックダウンにより大ダメージを受けた。

最後に

今回はベトナム経済がコロナから受けた打撃について解説した。
2022年の動向も注目である。
他の産業や詳しい解説、2022年の予測については以下の記事を参考にしていただきたい。


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