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「色は私たちの脳が宇宙と出会う場所である。」byポール・セザンヌ

プリミティブな感覚を取り戻して、喜び溢れる生き方を模索しよう、とみなさんと一緒に探索しているviehula!。

毎日の暮らしの中で自然との繋がりを感じられるように、とinstagramで毎日小さな物語を配信していますが、その中では繰り返し色の話題が出てきます。

今日は何色の服を着ようか、口紅は何色にしようか、何色の花を飾ろうか。

私たちの身の回りには様々な色があり、日々、無意識に身の回りの色を選択しています。普段はあまり意識しない「色」。でも私たちの心理に与える影響も大きく、古来から色の力を人々は信じ、活用してきました。

そもそも色とは何なのか。色は光であり、波である、ということ。まずはそこから話を進めていきたいと思います。


色は光の波。波長の長さで虹色に分かれている。

色は可視光線と呼ばれる光である、というのを聞いたことがあるかと思います。レントゲンで使うX線や電波と同じ「光の波」のうち、波長が約400nm~800nmの間で目に見えるものを可視光線と呼んで、私たちが色として捉えています。

わたしたちが見える一番短い波長の光は紫色で、短い順に

紫→ 青→水色→緑→黄→橙→赤となっていて、虹の7色と呼ばれています。

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そして波長が短すぎて目が識別できない「紫の外の光」を、紫外線、逆に波長が長すぎて同じように目が識別できない「赤の外の光」を赤外線、と呼んでいます。

紫外線を浴びるとビタミンDが合成される、日焼けする、赤外線は身体を温める、電磁波は身体に悪い、など、地球上に届く様々な「光の波」が身体に与える影響を聞いたことがあるかと思います。

色も実は光の波の種類ですから、色が私たちの身心に何らかの影響を与えても不思議ではありませんね。


目でとらえた光を、脳が色に変換している。

色を識別するメカニズムをもう少し詳しくお話します。

可視光線といっても、光そのものに色がついているわけではありません。私たちの目には赤と緑、青の3種類の波長を識別するセンサーが備わっていて、そのセンサーでとらえた光を「色」として脳が映像を組み立てています。

つまり、目が仕訳して、脳が色を塗って映像をわたしたちに見せているということ。

太陽の光はすべての波長の光が混ざっていますが、それが物にあたると、物によって吸収する光と跳ね返す光に分かれ、跳ね返ってきた光が目に入り、これが脳で仕分けられて色となっています。

植物はなぜ緑なのか、というと、植物が緑の光線を使わないから。植物は緑以外の6種類の光で光合成を行っているのですね。そのため使わなかった緑の光が反射されて私たちの目には緑に移ります。

植物を見ていると癒されると感じるのは、実は植物が使わないこの緑が可視光線の真ん中の光で、バランスを取る働きかけをするのではないかとも言われています。

植物は一番バランスを取るための重要な光を私たちに与えてくれて、自分はその残り、より短いものと長いもので生きているのだということ。なんだか食べ物も、着るものも、心のバランスも、植物が与えてくれるものの大きさに驚いてしまいますね。

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宇宙を味わう力をもっと解放しよう。

色は、宇宙から届く太陽の光が、地球上の物にあたって跳ね返り、それを目のセンサーが感知して脳で組み立てられて出来上がるもの。

まさにタイトルのフランス印象派の巨匠・ポールセザンヌの言葉にある「色は私たちの脳と宇宙が出会う場所である。」ということが言えますね。

この世と、森羅万象と、もっと出会いたい、つながりたい、そんな私たちの想いが脳を進化させ、宇宙の味わい方を進化させてきたのです。

その結果、多くの哺乳類が赤と青のセンサーしかなく色数が少ない世界に生きるのに対して、赤、青、緑のセンサーを発達させ、人間が見分けている色は理論上は実に数百万種だと言われるようになりました。

数百万種を感じ取ることができる私たち。でも残念ながら日本の工業会で用いられている色はJIS規格では269色、それ以外を合わせても人工的に作られ、日用品として用いられている色は数百色と言われています。

人工的な色にばかり囲まれていないで、数百万色を味わえるようになった力を解放しに、森に、海に、時間ごとに変わる空の色に、出会いに出かけませんか?

家の中にいても、自然の食材を使った料理や天然染めの布、観葉植物や天然木の家具を置くなど自然の複雑な色と出会える機会は作れます。

色への感度を磨いていくと、きっと今日、今、自分に本当に必要な色は何なのかがわかるようになってくるのではないでしょうか。

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