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【嘘制作秘話】僕らが低予算で一千万回再生の動画を作れた理由

お世話になっております。てっぺいです。

僕は「笑うメディアクレイジー」の動画制作チーム「ビデオクレイジー」で広告動画の企画・制作・配信をしています。ソーシャルでウケる動画制作を得意ジャンルとして、日夜(特に夜)奮闘しております。

そんな僕ですが、過去に制作した動画の中で、どうしても忘れられない作品があります。

※これから語る内容は、全てフィクションです。実体験を元にクリエイティブに関するエピソードを書きたかったのですが、思いつかないので嘘の体験談を創作しました。

あれは、会社として動画制作を本格的に始めたばかりの頃でした。
ありがたいことに制作案件を沢山いただき、とにかく忙しく日々を過ごしていました。

複数の動画制作を進行しながら、毎週10本以上もの新規案件の企画提案をしていて、とにかく膨大な仕事を、うまく回すことだけで精一杯になっていました。

そんな時期に、経験したある出来事で、僕の考え方がガラリと変わったのです。

それは、今となってはすっかり定番商品になっている笹本飲料の「ラムネード」が新発売されるタイミングで、僕らがそのPRムービーの企画制作を担当することになった時の話です。

ポロシャツが汗を吸ってムートンコートぐらい重たくなるほど猛暑の夏の日、PRの方向性をヒアリングするため、クライアントである笹本飲料の事務所へ伺いました。

笹本飲料の事務所は、スカイツリーを望む浅草にあるのですが、どちらかといえば南千住に近く、浅草駅からかなり歩く場所にありました。

西東京生まれ西東京育ちの僕は、東京の東側、下町の浅草周辺の土地勘がなく、駅からの距離を読み違え、約束の時間ギリギリになってしまい、蜃気楼が見えそうな暑さの中を走って事務所へ向かいました。

なんとか間に合い、
ふきだす汗をハンカチで拭いながらたどり着いた事務所はかなり年季が入っており、お世辞にも立派とは言い難い建物でした。

その時、僕は正直、
「この会社あんまり制作予算出さなそうだな」と思ってしまいました。

打ち合わせには笹本社長自らが出てきて、新商品ラムネードの魅力や今回のキャンペーンにかける想いを語ってくれましたが、その時点でも「多分予算は少ないだろうから、あまりリソースをかけずに上手く回そう」と、この案件に対して、“いかに効率よくこなしていくか”だけを考えていました。

こっちも楽に進められて、クライアントもまあ納得していただける方向性を思索している僕に、笹本飲料商品開発部の田仲さんは、「まず飲んでみて欲しい」とラムネードをすすめました。

その時飲んだラムネードの味を僕は一生忘れません。

本当に美味しかった。

事務所まで炎天下を走ってカラカラになっていた喉をパカっと開いてくれるような強めの炭酸で、ほどよい甘さとスダチ果汁の品のいい酸味が鼻から心地よく抜けていく。
250mlというちょうど炭酸が抜けずに飲みきれる計算された量、ペットボトルなのに、一見すると瓶ラムネに見える可愛いデザイン。
ラムネードというB級っぽいネーミングとは裏腹に全てが完璧な素晴らしい商品だったのです。

一気に飲み干した僕に、田仲さんはニコっと微笑み「美味しそうに飲みますね。その顔が見たくてこの商品作ったんですよ。」と嬉しそうに語ってくれました。

売上や効率だけを考えて、動画を作るということを、モノを作るということを、全く甘く考えていた自分が恥ずかしくなりました。

本来、想いを届けるための手段として作るべき動画のはずなのに、
僕が作っていたのは、「クライアントからお金をもらう口実」でした。

そこでやっと、僕は考えを改め、商品とクライアントと消費者のために出来ることを必死になって探しました。少ない予算の中で出来る最大最適なクリエイティブをとにかく考え抜きました。

そこからは皆さんご存知の通り、
あのラムネードのバズ動画が出来上がりました。
手前味噌ですが、1分間の短い尺の中に40箇所爆笑ポイントを詰め込みながらも、しっかり商品訴求まで上手くつなげられたと思います。

動画は累計1000万回以上再生を突破し、ラムネードの認知拡大に貢献できたかと思います。

もちろん、セレーナ・ゴメスがTwitterで取り上げてくれたこともかなり大きい要因ですが、運も実力のうちということで。

売上も驚きの数字だったと笹本社長をはじめ、社員の方々も大喜びだったそうです。

面白いモノを作るには、本気で向き合い、とことん考え抜くことだけが、唯一の方法だということを、この時の経験から学びました。

この気付きがあったおかげで、今では、企画提案、制作、配信において、手を抜くことなく考えに考えぬいて日々、仕事をしています。

この夏、笹本飲料からまた新商品が発売されます。
今回も僕らがPRムービーを制作させていだけることになりました。
世間がビックリするような動画が出来そうです。
ぜひ楽しみにしていてくださいね。

※この話は全てフィクションであり、末端映像クリエイターの妄想です。
なんかすいません。

#コラム #エッセイ #日記 #広告 #映像 #クリエイター

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