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いいね!この本 2022年9月

最近読んだ 3冊の本がとてもおもしろかったので、おすすめします。


『英語の思考法ー話すための文法・文化レッスン』

1冊目はこれ。

英会話の背景にある英米圏文化の基本ルールを理解することで、より自然な英文を組み立てる。日本人と英米人どちらも相手に気を遣うのだけれども、その考え方の違い=文化の違いが言葉にも反映される。

「なるほどねえ。」
と目からウロコが落ちるような一冊でした。

たぶん僕の英語に対する意識に響く部分が多かったのだと思う。これから英語に触れる折 (めったにないのだけれど) には充分意識していきたいです。

いちおう前提知識として中学英語ぐらいは必要なのかな。あと、これ一冊読んだら英語がスラスラ話せる、なんてメソッド本ではないです。ただ英語を学ぶ上では一度読むべき! でも高校・大学の受験勉強には逆に向かないかもしれないです。


『ロボットと人間 人とは何か』

2冊目。

ロボット研究で有名な石黒 浩さんの著書。僕も何度か著者と著者を模したロボット(ジェミノイド)は TV で見たことがある。

「人間を理解するためにロボットを研究をする。」

それだけでも充分興味に値する。<人間のような>ロボットを造ることで人間を理解し、さらにはロボットによって、人間の進化の可能性を探る。ある意味神秘ともいえる領域に向かって科学的に一歩一歩進んでいる状況を、一般人にも分かりやすく、科学者然とした(?)独特のサバサバした文章で説明している。

こんな人たちのお陰で人類は文明を発展させてこれたのだろうと思う。つくづく尊敬やら、感謝やら、嫉妬やら、いろんな気持ちがこみ上げる。先は長い道のりなれどもゴールに向かってひたすら突き進む感覚だろうか。読み終わると爽快感が残った一冊。


『たゆたえども沈まず』

3冊目

僕には普段絵画鑑賞の趣味は無いけれども、無性にゴッホの絵が見たくなる本。パリにも行きたいなあ。

ゴッホのパリ在住時代、日本人画商 林 忠正氏やゴッホの弟テオ、画材商のタンギー親父など実在の人物が登場するフィクションだ。
ゴッホは生前不遇だったとか、弟のテオに生活を援助してもらっていた、なんてことは聞いたことがあるけれども、僕はゴッホについて詳くもないし、絵画の知識だって全く乏しい。林 忠正氏に関しては初めて知った。

ただこの物語を読んでいると、まるで絵画や資料を見ながら、当時のパリの街や印象派の絵画、日本の浮世絵、そして画家・画商・その周囲の人たちに思いを馳せている気分になる。

ああ、この人達は生きている。
明るくとも暗くとも、とにかく活き活きとしている。

「ゴッホが不遇のうちに亡くなる、という事実」が物語をバッドエンドにもせず、もちろんハッピーエンドにもせず、ただしみじみとした何か心にじんわりとした感触を染み入らせる、そんな一冊です。


読書の秋、満喫したいものです。

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