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永遠の都ローマ展と、日本版画協会第90回記念版画展に行ってみた。

先日、上野に美術展を見に行ってきました。
いつぶりだったかなと自分のnoteをさかのぼると、6月のマティス展でしたね。そのときと同じ、東京都美術館です。

いま「永遠の都 ローマ展」をやっているのですが、
見逃さないように行こうと思ったのは「日本版画協会 第90回記念版画展」のほうです(22日で終了)。
せっかく同じ美術館内なので、会期中に行こうと思っていたローマ展も見ることに。

「永遠の都 ローマ展」

春にチラシをもらった時は、どんな展示になるのかピンときていなかったのですが、思っていたより見応えがあって、いい展示でした。
ローマ市庁舎のあるカピトリーノの丘に建つ、カピトリーノ美術館のコレクションを中心に構成されていました。
古代から近代までの彫刻、絵画、版画などでローマの歴史と芸術が紹介されています。

カピトリーノの丘の近くは通ったことがあるものの、カピトリーノ美術館には行ったことがありませんでした。
「世界的にもっとも歴史の古い美術館のひとつ」だそうです。

長年いろいろな美術展を見てきて(といってもあくまでも自分が興味あるものだけ)、見る感覚も違ってきているな、と感じます。
今回は特に彫刻が良かった。
約70点の彫刻がきていました。

特に目玉は「カピトリーノのヴィーナス」(2世紀)。
パリのルーヴル美術館の「ミロのヴィーナス」、フィレンツェのウフィッツィ美術館の「メディチのヴィーナス」と並ぶ、古代ヴィーナス像の傑作といわれているそうです。

カピトリーノ美術館には行ったことがないし、めったに貸し出されることはないそうなので、見るのは初めて。
とても美しい像で、「これ、よく持ってきたな~」としみじみ眺めてしまいます。

入ってすぐは「カピトリーノの牝狼(複製)。
ローマの起源は、ロムルスとレムスという双子の兄弟といわれています。
赤ちゃんの頃にテヴェレ川に捨てられ、牝狼に育てられたという伝説があります。
見出し写真に写っているもの、リンクしたInstagramの2枚目の写真がそうで、複製とはいえ目の前で見るとちょっと感動します。

このあと、古代の金貨や銀貨、皇帝や女性の大理石の胸像が並びます。
2世紀だとか130年頃だとか、そんな昔の人がこの像を目の前にして彫っていたのかと思うと、同じ像の前に立っているのが不思議で見入ってしまいます。
絵画もそうですが、数百年、2千年も前のものと対峙していると、時空を超えて当時の作家と繋がれるような気がしますね。

もうひとつ圧倒されたのが、キリスト教を公認したコンスタンティヌス帝の巨像の頭部、左手の彫刻の複製。頭部の高さは1.8メートルだそう。
複製とはいえすごい迫力でした。

絵画や版画、モザイクもありましたが
個人的に今回は、圧倒的に彫刻が良かったと感じます。
運送会社には美術品輸送の専門の人たちがいて、市民ギャラリーで仕事をしていたときに絵画を運ぶところなど見たことがあるのですが、彫刻の指先の細かいところなんてどうやって包むんだろうと、今回はなぜかそんなことを思いながら見てしまいました。

会場の様子がわかる動画がありましたので、貼っておきます。


「日本版画協会第90回記念版画展」

好きな銅版画家さんが出展しているということで展示を知り、もともとはこちらを見たくて腰をあげました。
日本版画協会というものの存在も知りませんでしたが、版画が見られる機会ならばと、いそいそ出掛けます。

写真撮影は可能でしたが、自分が好きだと思うものを撮るだけで、
著作権があるのでネット上に勝手にアップはできないのが残念。
とにかくたくさんの作品が展示されていて、予想していた会場の3倍の広さ。
ローマ展の後に行ったので、さすがに最後のほうはふらふら。
目についた好きな感じのものだけを見ることになってしまいましたが、とても見応えがありました。

自分がどんな傾向、タイプの作品が好きなのか、どんな作品を作ってみたいのか考えるにはとてもよい機会です。
木版画はふんわり優しい雰囲気になるな、とか
エッチングの線が魅力的だな、とか
紙版画の独特な雰囲気が好きだ、とか。

版画は絵画よりもお値段がお手頃なものが多いので、
小さいサイズのものを買い集めていきたい。
と思いつつ、まだスタートできていません。
なにより、小さいサイズのものを自分でも作ってみたい。
まずはできるところから紙版画で、と思います。

**
実は、今日もある版画工房展を見てきたところ。
ここでも「こういう感じがすき」というものを見つけました。
まずは好きな雰囲気を見つけるところから、ですね。

紙版画体験のことは以前投稿したことがあります。

今日はスマホを忘れて出かけてしまい
時計も持たないので不便でしたけど
ふとした時にスマホを見てしまうということがなくて
目が休まったかも。
ひさしぶりに港から海を眺めたのも、目と脳が休まりました。
(スマホがないので写真が無い・・・)


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フランチェスカ
書くこと、描くこと、撮ることで表現し続けたいと思います。チップは自分を豊かにしてさらに循環させていけるよう、大切に使わせていただきます。