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The Having~「ない」から「ある」へ

「あと2憶しかない!」

裕福な高齢者が入る施設に入居している人が言ったという言葉。
以前職場の人から聞いた話ですが、いまだに印象に残っています。
寿命を考えて、あと残り何年で2憶円使うつもりだったのだろう。
私なら、2憶あったらどうしよう~!! ひゃっほ~~~!!!
となるんだけどな。

人って結局、いくら持っているかは関係ない。
「ある」ほうに目を向けるか、
「無い」ほうに目を向けるか、なんですね。

友人から教えてもらって先日読んだのは、
『The Having 富と幸運を引き寄せる力』(飛鳥新社)。
ホン・ジュヨンという女性と、20代で「幸運の女神」と呼ばれた「伝説の運マスター」、イ・ソユンという女性の共著。
韓国発の引き寄せ系の本です。
ホン・ジュヨンが記者時代にイ・ソユンと出会い、十数年後に奇跡的に再会して、彼女から"Having(ハビング)"という富と幸運を引き寄せる力を学んで実践し、ソユンとの共著であるこの本をアメリカで出版するまでのことが、その教えと共に書かれています。

『The Having』で伝えていることは、すごく新しいというわけではありません。
意識をどこに向けるかとか、「今ここ」を味わうとか、これまでもいろいろなところで言われていたこととほぼ同じ。
結局は意識や感情をどこに持っていくかということに尽きるのだな、と思います。

でも、同じことを伝えていても、表現の仕方や示される事例が違ったりするだけで、またあらたに気づけることもあります。
そして、この本自体から発せられる波長が、澄んだ水の流れのように心地よく感じられて、Havingを実践するとこんなふうに人生に豊かさが広がっていくんだな、と信じられるのでした。
youtubeで『The Having』を検索すると、解説動画がいろいろ出てきますが、私個人的にはどこから情報を受け取るかがとても大事で、ホン・ジュヨンとイ・ソユンの出会いと縁の繋がりの物語のようなこの本から受け取れたことが良かった、と思えます。

読んでいると、会うのは2年待ちなどといわれるソユンに、イタリアやパリ、京都で会って直接話を聞けるジュヨンと一緒に、自分もソユンから教えを受けているような気持ちになります。
以前だったら、「特別扱いされてなんだか羨ましい人だな」と思ったかもしれないけれど、今の私はジュヨンが導かれるようにソユンとの関係を深めていくことを共に嬉しく思い、それによって自分自身の変化をも感じます。

Having 「ある」に意識を向ける

Havingとは、今「あること」に意識を向ける、というごくごくシンプルなことです。
何かを買うときに、「私はこれを買うお金を持っている!」ことに意識を向け、それを十分に味わうこと。

それから、「今」を味わうこと。
気持ちのいい陽ざしを浴びて、思いきり深呼吸するとか
コーヒーの香りを楽しんで、じっくり味わうことだとか。

これだけ聞くと、
ああそれね。よく聞く話だよね。
で終わってしまいそうになるのですが。

でも、
知っているのと、やっているのでは、まったく違うのですよね。

この本の最後のほうに、映画「マトリックス」のセリフが引用されていて、まさにいま、自分に言われていることだ、と思いました。

「道を知っていることと実際に歩くことは違う」
There is a difference between knowing the path and walking the path.

映画「マトリックス」

最近物価がものすごく上がっているので
ついお金が出ていくことのほうに意識をとられませんか?

私はとられてました。
1袋100円で買えた人参が、最近300円くらいしてる。
うっそー! にんじん298円もしてる! 今日はやめとこう。
・・と思う日もあれば。
どうしても人参入れたいから、しょうがない買おう。という日もある。
それでレジを通ってから、「高かったな~(=お金が出ていった)」と思う。
以前なら、カゴにこれだけだったら1000円以内で済んだのが
最近はあっというまに1500円くらい飛んでいってしまい、
「またこんなにかかったのか」と思う。

これは「ない」に意識を向けていること。
だから「使ってしまった」ほうではなく、
「手に入れた、受け取った」ほうに意識を向けます。
これを買うお金を私は持っている、これだけ食材を買えるのだから・・・と。

「ない」に意識を向けると、どんどん無くなっていく。
「ある」に意識を向けると、どんどん豊かになっていく。

意識を向けるものが増大する」ということが、精神世界スピリチュアルの基本です。
でもついつい、日常の中で忘れてしまう。

私はもともと欠乏のほうに意識がいきやすく、思いグセがあります。
買って得たものより、お財布の中身が減ったことのほうに意識がいきがち。
ただし、考える間もなく「これは買う!」あるいは「これはやる!」と即決することもあって、そういう時は欠乏に意識がいかずバーン!と出すことができます。

買わないほうが良かったかな、失敗したかな、とモヤモヤするとき
それはHavingではないそうです。
逆に、買ったことで幸せで豊かな気分になることがHaving。
本には、Havingか浪費かを買う前に確認する方法や、
その日何を得て、何を感じたかを記すハビング・ノートのことも書かれています。
私も日々豊かさを感じたことをノートに書くようになりました。

イ・ソユンという女性

本のなかでなにより興味をひかれたのは、イ・ソユンという女性です。

Amazonの著者の写真を見ると、若くてどこか中性的な感じもする、清流のようなスーっとした印象の女性。
顔は違うけれど、私が長くお世話になっていたスピリチュアル・セラピストさんが持っていた空気感にも似ているような気がします。
でも見た目の若さに反して、中身は古くからの賢者の魂が入っているように思えます。

ソユンは、四柱推命と観相学に長けていた祖母に特別な運命を持つことを見いだされ、6歳で運命学に入門。瞑想もこの歳で始めたそう。
国内外の名だたる道士と師匠から教えを受け、彼女の並外れた直観に感心した師らは「自分より優れた弟子がいる」と財閥の会長らに彼女を推薦。
学校の前には、彼女に会うために待つ高級車がずらりと並んだとか。
「彼女の存在は、超富裕層の間で守られていた大事な秘密であった。」
 とAmazonのプロフィールにあります。

いっぽうで、休み時間になると友人らが彼女に相談するために列をつくり、どんな質問でも彼女は無視せず、一言二言でもアドバイスしたのだそうです。

彼女の洞察は、生まれつきの直観と絶え間ない省察、10万件に上る事例分析から生まれたもの。数十年間、毎朝4時に起きて財産規模と不動産、金融、現金の比重、投資方法などで運命データを比較分析し、富の秘密に関する科学的統計モデルを完成した。

Amazonの著者プロフィールより

本を読んでいると、ソユンは間違いなくすぐれた霊能力も持っているだろうと感じるのですが、膨大なデータを分析するという力も持っている。
それだけでなく、人の悲しみや苦しみを本当に理解するために、
さまざまな試練(友人に裏切られる、元カレからのストーカー被害 etc)を受け入れたともあります。

自分のまわりを見ると、たくさんの物があります。
自分で買ったものは、買うお金があって得たもの。
もらったものは、与えられたもの。
断捨離しなくてはならないほど多くのものを手にしているなら
自分がどれだけ「持っていた」のかわかりますね。

これはお金や物質だけの話ではなく、あらゆることに当てはめられると思います。


おまけ

本を読んだ数日後、Youtubeを開くとターラさんという方のタロットの動画が、一番上に上がっていました。
11月の牡羊座はどんな感じか見てみると・・・
「もし今何かが(お金や若さなど)無くなってきた、足りないという感覚があるならば、減っていくのではなく肥えていく、「すでにある」という感覚に変わってくるタイミング」と言われてびっくり。
こういうことがあるとつくづく、流れに乗っているんだな、と確信できます。



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