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No.2 ”La Poesía"- 詩 : パブロ・ネルーダ

【翻訳メモ】

ある少年に訪れた瑞々しいひととき。

今日も、いまこの瞬間にも、あまたの少年少女たち(いや、齢は関係ないか)が自分だけのビッグバンを世界のどこかで感じているのでしょうか。
彼の中ではビッグバンにも等しい大爆発が起きていたにも関わらず
外の世界では木の葉一枚揺れなかったのかもしれません。
あるいは逆に、耐えられないような喧噪の中で、自分と世界がつながっていることを初めて感じたのかもしれません。

彼らがそのひとときを迎える環境が、できるだけ安全で、穏やかであることを心から願っています。


パブロ・ネルーダ

そして、あの齢(とし)だった
詩が私を探しに来たのは
わからない 
わからない…どこから来たのか
冬からか 河からか
わからない どうやって いつ
声ではなく...言葉でも沈黙でもなかった

しかし私を呼んだのだ
夜の梢の間から
かとおもうと別のものから
暴れる炎の中から
近づいては離れる

顔のないものがそこにいた
そして...私に触れた

わからなかった なにを言えばいいのか
口は名づけることを知らなかった
目は何も見ていなかった
なにかが私の魂を打った
火照りか 失った翼か
私は独りで進み始めた
その火傷を読み解きながら

そして最初の弱々しい一行を書いた
実体のない無垢な戯言
無知な者の純粋な叡智

そして突然私は見た
天が解かれ 開くのを
惑星たちを
胸躍らせる農園
矢と炎と花々で穴を穿たれた影
全てを呑み込む夜
宇宙

そしてあまりにも矮小な存在の私は
神秘の姿によく似た
星の瞬く虚空に呑まれ
底知れぬ闇の一部になったのかも知れない
星の間を駆け抜けると
心は風に散った

La Poesía
Escrita por Pablo Neruda
Interpretada en japonpés por Keiko 
©Todos los derechos de la interpretación reservados

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