見出し画像

自由研究のヒント:手羽先の骨の重量はどのくらいかな?
骨の比率は体の部位によっても変わってきます。鶏の手羽先もおいしくて人気ですが、食べれない部分の比率は40%です。この食べられない部分は大部分が骨です。おうちで手羽先を食べる前後で重さを比較・写真を撮って重さを確認してみよう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

鳥の骨

PNGイメージ-5C44153BF658-1

私たち人間や犬猫などの哺乳類や、魚や鳥は骨格を体内に持っています。このような構造を内骨格といいます。
一方、カブトムシなどの昆虫やエビやカニは体の外側が硬い物質で覆われています。
このように体の外側に体を支える骨格を外骨格といいます。

骨格は生物にとってとても大切です。頑丈な骨格がなければ、体を構成する重さや水圧で簡単に体はぺしゃんこになってしまうでしょう。骨格は体を支えたり内臓を衝撃から守ったり、筋肉を繋げることで運動の支点になっています。

人間の体重に占める骨の重量は体重の約15%で60kgの人なら9kgは骨ということになります。より大型の動物は頑丈な骨格が必要です。ゾウやカバの体重に対する骨の重量は約20%とされています。ネコは11.7%で犬は14.0%です。

鳥類も内骨格を持つ生物です。空を飛びつつ骨の強度を保つため、中がスポンジ状になっている含気骨という構造をしています。鶏の骨の体重に対する比率は11.7%で、2.6kgの肉鶏からは300gほどの骨が取れることになります。
鶏は滑空するように飛びますが、必要がなければ積極的に飛ぶことは少ない鳥です。
いっぽう、体が小さく活発に空を飛び回るスズメの骨格重量は8.4%、ミソサザイは7.1%と骨も軽量化していきます。

飛ぶことと潜ることを両立する必要があるガンでは13.3%と、陸上で暮らす猫よりも体重に占める骨格重量は重くなります。

ペンギンやダチョウなど飛ばない鳥は空を飛ぶために骨を軽量化する必要がないので含気骨は少ないです。ペンギンは水中を潜って獲物を捕らえるので頑丈な骨が必要なのかもしれません。
ただし、ジェンツーペンギンのヒナなどの目の周りの骨は含気骨の構造をしている(大人になると消える)ようで、成長過程で骨の構造も変化していくようです。

・Peter W. Hadden, Dane A. Gerneke N, McGhee Jie Zhang, Skeletal elements of the penguin eye and their functional and phylogenetic implications (Aves: Sphenisciformes: Spheniscidae), 2021, Journal of Morphology, vol,282
・一般社団法人日本畜産副産物協会
・R.Flindt , 浜本哲郎 (2007) , 数値でみる生物学, シュプリンガー・ジャパン
・食品成分データベース,文部科学省

犬や猫、ウサギの獣医師です。色々と勉強中の身ですが、少しでも私の経験や知識を飼い主さんや動物に還元していきたいと思います。