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トビウオって美しいですよね.

基本的に生き物はだいたい好きなのですが,魚の中ではトビウオ類は特に好きです.
魚の身でありながら呼吸ができないいわば「死の世界」である海の外に飛び出すなんてすごいですよね.
いつか船旅をして,トビウオの飛ぶ姿をみてみたいです.話はそれますがトビウオはとても美味で,トビウオからとった出汁で作ったお味噌汁は少し甘味があり本当に美味しいです.関東ではなかなかあご出汁が売っていないので,しばらく食べれていません.

また,トビウオは腹部から尾まで続く長いうきぶくろを持っており,これも空を飛ぶために体を軽くしていると考えられます.


さて,トビウオは海面近くを泳いでいます.そのため,産卵も海面を漂う藻などに生みつけます.海面を漂う藻に生み付けられた卵が落ちてしまわないよう,海藻に絡まりやすくする工夫があります.

それが纏絡糸 (てんらくし)です.纏絡糸 はトビウオの卵の両端から合計数十本生えています.トビウオ類の卵の直径は平均1.7mmほどですが,纏絡糸 は両極とも2mm以上と長くしっかりと藻に絡まるようになっています.この纏絡糸 はトビウオの種類の同定(なんという種類のトビウオか調べること)にも使われています.

ツクシアオトビウオやホソアオトビウオは産卵期になると岸の近くにきて卵を生みますが,ホソアオトビウオは沖で産卵します.こうした場所では,漂う藻が赤ちゃんトビウオにとって唯一のゆりかごになります.

空を飛ぶトビウオにとっても,まだ孵化していない間は纏絡糸 が命綱なのです.

参考
ホソアオトビの卵の形態と九州近海における産卵期 一丸俊雄,水田浩二, 中園明信, Nippon Suisan Gakkaishi 72(1), 21-26 (2006)

『学研の図鑑LIVE 魚』




犬や猫、ウサギの獣医師です。色々と勉強中の身ですが、少しでも私の経験や知識を飼い主さんや動物に還元していきたいと思います。