ニッポンのうつわの基礎知識
VESSEL Rental Serviceが主として取り扱う和食器。
今回は「うつわの基礎知識」として、日本が誇る著名な和食器・焼き物の産地をご紹介します!
❖有田焼 (佐賀県)
17世紀初頭に朝鮮から磁器をつくる技術が伝わり、日本ではじめて磁器が焼かれた土地が有田です。#有田焼 は、中国の様式に影響を受けた白地に藍色一色で図柄を描いた「染付磁器」が中心でしたが、のちに赤を基調とした「色絵磁器」が伝わり、より鮮やかかつ華やかな様式となります。現在でも日用品としてはもちろん、美術品としても愛されています。
❖唐津焼 (佐賀県)
16世紀ころから京都・大阪などの西日本に広がり、焼き物のことを「カラツモノ」とも称されるほどに愛されてきた #唐津焼 。粗い土を使った「土もの」と呼ばれる陶器であり、素朴で味わい深い見た目から、茶の湯の世界で重宝されてきました。その最大の魅力は「用の美」を備えること。「作り手8分 使い手2分」と言われ、使って初めて作品が完成するのです。
❖波佐見焼 (長崎県)
朝鮮から磁器をつくる技術が伝わって以降、現在の長崎県波佐見市で生産されるようになった #波佐見焼 。透明感のある白磁を生かしたモダンなデザインの食器も増えていますが、気軽に日常使いができる親しみやすさで人気です。現在は職人が分業を行って大量生産体制を構築するようになっています。
❖萩焼 (山口県)
茶道の世界では「一楽・二萩・三唐津」と称され、茶人に好まれた #萩焼 。萩焼に使われる陶土は、やわらかく優しい独特の質感があり、浸透性・保湿性が高いため、使い込むごとに萩焼特有の「七化け」とされる器の風合いの変化が楽しめます。
❖備前焼 (岡山県)
1000年以上の歴史を持つ、日本六古窯のひとつとされる岡山・備前の #備前焼 。釉薬を一切使用せずに高温で焼き締められているため、強度が高く、なおかつ熱しにくく冷めにくい保温力も抜群。土の魅力を最大限に生かし、味わい深い質感の食器として人気です。
❖京焼 (京都府)
安土桃山時代~江戸時代初期に興った茶の湯の流行を背景に、京都は東山地域で生産されたのが #京焼 です。ヒト・モノ・カネが集う京の都で作られたため、特定の技法や様式に拠らず、すべての技法が融合されているという特徴があります。清水焼としても知られる伝統工芸品です。
❖九谷焼 (石川県)
石川県南部で生産され、「ジャパンクタニ」として海外でも著名な #九谷焼 。九谷焼の特徴は、赤・青・緑・紫・群青の5色の絵具を厚く盛り上げて塗る鮮やかな製法です。「九谷五彩」と呼ばれる多色づかいを生かして、最近では可愛らしく、モダンで個性的なデザインも楽しむ事が出来ます。
❖美濃焼 (岐阜県)
日本の陶磁器生産の約半分を占めるという一大産地、岐阜県・東濃地域で生産される #美濃焼 。他の産地とは異なり、特徴的な様式を持っておらず「特徴が無いのが特徴」と言われるほど多種多様なデザインで知られます。安土桃山時代から江戸時代初期にかけては茶人の好みを反映した芸術性の高い焼き物がつくられ、江戸時代には庶民の日用食器の産地ともなりました。著名な「織部焼」「志野焼」も美濃焼の一種です。
❖瀬戸焼 (愛知県)
陶磁器の食器全般を「瀬戸物」と呼ぶ事がありますが、その由来となっているのが #瀬戸焼 。備前焼と同じく1000年の歴史を誇る日本六古窯のひとつである瀬戸焼は、六古窯のなかでは釉薬をかけて焼く唯一の焼き物で、実用食器として東日本を中心に好まれてきました。江戸時代に九州で磁器の生産がはじまると、瀬戸でも磁器を作り始め、現在では陶器・磁器の両方を生産しています。
❖益子焼 (栃木県)
江戸時代末期に、大塚啓三郎が窯を築いたことに始まると伝わる #益子焼 。益子の土は砂気が多く、粗い質感が特徴です。そのために分厚く重い器が多く、割れやすいという難点もあるものの、釉薬との相性が良く、重厚な肌触りが特徴です。
以上!代表的な10の焼き物を挙げてみました。
もちろんこれだけではないです。他にも滋賀県の信楽焼、三重県の萬古焼、兵庫県の丹波焼、福岡県の小石原焼、福井県の越前焼などなど・・・日本各地にたくさんの器の産地があります。
産地によって、成り立ちも特徴も様々。
うつわ、奥が深いです・・・。だからこそ、面白い!
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