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トランプ帝国崩壊の序曲

これが決定打です。潮目を分けました。

コロナ対策を巡って、<命>を優先したクオモ知事は<経済>を優先するトランプ大統領との喧嘩に勝った実績があります。ですが、もはやクオモ知事のツイートを読むまでもありません。

ミネソタ州ポリスの野蛮な差別的殺人への抗議行動は日に日に広まりを見せています。トランプは記者会見で軍の出動をもって制圧する可能性をチラつかせ、実際催涙ガスを噴霧。かつ自身の正当性を誇示し、保守的クリスチャン層の支持を固めるために、熱心なクリスチャンでもないくせに、教会の前に行き、聖書を掲げてマスコミに写真を撮らせるパフォーマンス。アメリカ人の誇りを二重にも三重にも侮辱する行為です。神父様方々から、歴史学者、司法関係者など各方面の専門家もインタビューに応じてお怒りでした。

CNNは、<トランプの手に聖書はあれども、トランプの精神に聖書はない>と痛烈に各キャスターが批判しました。

それみたことか…文字通りアメリカ市民の怒りに火をつけました。Twitterのアメリカのトレンドをみれば、トランプを指して、<独裁者>とのハッシュタグがずいぶんとならびました。<アメリカを選ぶのか、トランプを選ぶのか?America or Trump>と。Civil Warと評される状況に。

実際、トランプのツイートもこの間、幾度か覗いてみましたが、およそ大国のリーダーとは思えないスラング、差別用語ばかり。Twitter本社から規制対象になったのも遅かったくらい。Facebook社員もトランプの投稿を野放しにする社長に抗議するためにストを起こしました。

そして、首都ワシントンDC ホワイトハウス。なにかの間違いかと一度RTを取り消したほどに信じられない状態に。ワシントンモニュメント、トーマスジェファーソン記念館なども背景にうつるアメリカを象徴する中枢が…。

我も我もと、ホワイトハウス前に抗議の群衆が集まり、本当に火の手があがりました。たまらずトランプ大統領は地下室に夫人と共にシークレットサービスとともに姿を隠しました。ホワイトハウスの電気は消えて真っ暗に。その後、本人<すこし横になって休んでいただけで、ホワイトハウス周辺にはなんの以上もなかった>とツイートも哀れです。

Kneel 膝まづいて、犠牲者ジョージ・フロイドに敬意を表すポーズを抗議デモを警備する側のポリスも全米各地でとるようになりました。ポリスは、個人の信条に基いて行動します。トランプの犬では決してありません。

ポリスの帽子も警棒も捨てて、<君たちと話したい。何がしたい?>とミシガン州シェリフ保安官、<Walk with us!Walk with us!>群衆が呼びかけると、<これから、一緒にマクドナルドまでパレードだ!>和気あいあい。

CNN特派員:<プレスだ!プレスだ!>と必死にガスマスク装備の上で訴えているのですが、これ危うくホワイトハウス内側にいる警備から催涙ガスの直撃をくらうところでした。ホワイトハウスの取り囲みは夜間外出禁止令がでたその後も緊張状態。

それでも、ポリスがパトカーからおりてくると群衆はこう叫びます:<Peaceful protest!Peaceful protest!>ジョージ・フロイドの遺族がこれ以上争いを繰り返してほしくないと会見で訴えたことを理解しています。無秩序な暴徒ではありません。

ニューヨークでは唯一、ポリスがブルックリン橋に抗議デモを誘導して挟み撃ちにしたのがあまり評判が宜しくなかったように見受けられました。

ただし、会見でクオモ知事はこう言っています。

クオモ知事:<プランA~万が一NY市長の指揮の下で警察が抗議行動を制御不能となった場合には、市長に取ってかわって私が知事として州兵National Guard を派遣する。プランB~それでも、それでも、万が一収拾がつかぬカオスとなるならば、大統領が言うところの軍の派遣は否定できないこともないが…軍を政治的な武器として利用することはあってはならぬ。>

CNN ドン レモン:<NYポリス達は現場に今立つのは ジョージ・フロイド とその家族の為。自分達はこのようなことが起きることに、もう耐えられないと口々に言っている。>と紹介。これは画期的な変化と評価。

ここから、反トランプ包囲網の勢力が圧倒的になっていきます。

オバマ前大統領15分間にわたるメッセージが公開されます。

オバマ前大統領:<社会の病理・レイシズムを変えるのは王様がやることではない。 今若い世代が動いてることを歓迎する。そこで3つの提案だ。
①誰かを不快にはするな
②全ての市長は同じ過ちが起きぬようタスクフォースを立ち上げ、検証を行え
③平和的な抗議・ 60年代の暴力的なかたちとは違うかたちで世の中を変えよう>

オバマ前大統領の言葉にCNNのリモート画面にうつっていた全員が<希望が見えた>と喜びました。しかし私がみたかぎり、キャスターのうち、クリス・クオモだけは<市長が本当にそのような取り組みをすることは現実的に可能なのか?>簡単には元権力者とはいえ、発言を垂れ流しにはしません。

これにさらにペンタゴン関係者が続きます。

エスパー国防長官:<軍を出動させて抗議行動を制圧することに協力はしない>会見の場で明言します。

そして、マチス元国防長官:<アメリカの連帯を妨げる大統領を生まれてこのかた初めて見た。結束させようとする素振りすら見せない。ただ、この国を分断させているだけだ。だが、我々は過去の世代から受け継いできた市民社会の堅固さをもってトランプなしに連帯することができる。憲法の軽視を許してはおけない。将来の子供たちのためにも。>これは重い言葉です。

CNNキャスター クリス・クオモがこの抗議行動の初期段階でのコメントをしています。この混乱がおこったそもそもを辿れば…<アメリカの中にあるパラレルワールド・多数派と少数派>この想像力が今のトランプにあるとも到底思えません。

CNNアンカーキャスター:<分断による統治・divide to conquer はアメリカのやり方ではない。ナチスのやり方だ。>こうまとめました。意図的に敵をつくり、SNSを用いながら敵意を煽って自分の支持を集める為政者は長くは続かないということです。

トランプに追従してきた我が国の為政者はこの全米の抗議行動に対して、どうでるのでしょうか。

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