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菅野完氏によるツイキャス3.25(書き起こし)~東京都のコロナ対策が急に「世界標準」になったことの功罪について

(2020年3月25日まさに小池東京知事の記者会見が始まろうとするときに同時進行で配信されたツイキャスの一部書き起こしです。御本人からの呼び掛けに、一視聴者ながらお手伝いさせて頂いたまでのことで不備等ございましたらご指摘のほどを何卒宜しくお願い致します。)

以下 菅野完 氏 による解説
(一部抜粋)

【グラフ解説 動画0:24~】

ブルーのラインがその日見つかった新規陽性者の数、オレンジのラインはこの集計期間中の累計の積み上げです。グレーのラインはそれと同じだけの尺だけの累計の数。これは売り上げのグラフとして普通のサラリーマンなら見たことがあるはずです。例えば毎日売り上げが1千万ずつあがる企業であれば、これが綺麗な<Z>になります。<Zグラフ>と言います。もし同じ数字が毎日続いていれば、オレンジの線は45度線になるはずなんです。オレンジの線が45度よりも鋭角であれば、売り上げが上がっている、増加傾向にあるということがわかります。

2月初頭からこの集計を始めましたが、このグラフの傾きはほぼ変わっていません。これが売り上げならば大喜びするところですが、陽性患者数ですから。しかも、日本の場合は恐ろしいことにオレンジのラインとブルーのラインに含まれている人は、既に症状がでている人です。検査を受ける前に如実に症状がでている人が、オレンジに入っていくわけです。いわゆる、無症状感染者や軽症感染者はこのグラフに日本の場合は含まれていないわけです。

アイスランドは全人口30万人の検査をしました。アイスランドの数字が正しければ、陽性患者の半数が無症状です。しかしながら、症状のある陽性患者は無症状感染者からの感染事例なのです。常識的に考えてください、ウィルス・病原菌というものは、誰かと接触するから感染するんですよね。

もう1度このグラフに話を戻しますと、このオレンジのラインには、街を出歩いている人(無症状感染者)の数は入っていないんです。すでに熱があって症状があってという人しか検査してもらえないわけですから。発症してる人から感染するわけではなく、発症している人から<も>感染する。家で寝込んだり、病院にいる発症した患者から感染するよりも、発症せずに街を出歩いている無症状の人から<こそ>感染するんです。

【ニューヨークの対応 動画 0:32~】

米国ニューヨーク州は2週間前に方向転換をして、韓国を手本に徹底的に検査するようになりました。先週初頭頃より突如として陽性患者数が増えました。それを見てとって、ニューヨーク州はクオモ州知事によって州全土に自宅待機・外出禁止令をだしました。外出禁止令がでて5日後の昨日あたりにこれ以上検査をしないと言いだしました。何故かというと、外出禁止令があるからです。外出禁止令をだすためには、感染者が増えているという数字を見せないと説得力がないから検査するんです。「こんなに市中感染が広がっているよ」ということを有権者に見せるためです。クオモ知事は「医療崩壊する」と言っています。日本のような発想ではないのです。

≪検査をする≫
→とんでもない数の人間が陽性になっていることがわかる
→それがわかると行政からの外出するなという指示に説得力が増す
→だからみんな家にひきこもる
→ひきこもると感染のリスクが下がる
→リスクが下がるから検査をしなくて済む
→日常に戻ろう
~という理屈です。

クオモ知事は日本のような’あとだしジャンケン’はしませんでした。”I’m going to threaten you"(私はみなさんを脅迫します)と言っていました。”You are going to be afraid."(あなた方は怖がるはずです)そして、"I'm going to be afraid."(僕も怖がるはずです)と言っていました。その数字を見るために検査をすると言っていたのです。彼は2週間前の記者会見で「僕がこれから言うことは理知的ではないかもしれない。でもどうせ僕らは怖がる。だが我々ができることは全部やる。むちゃなことを言うかもしれないが、もし1人の命を救えたらそれでいい。」と言ったのです。ここまでなら日本でも言えるかもしれませんが、ここからがアメリカの違うところです。ここで"Because we are AMERICANS"と言うのです。

ニューヨークは州政府が数字を把握しているということを見せています。そのことによって「政府にはアカウンタビリティー/クレダビリティーの両方があります。」ということを言っています。それがあるから行政のことを皆が聞くのです。コワイから、強大な権力をもっているから、言うことを聞かなかったら殺される…では人間は言うことを聞かないのです。多数の集団をコントロールするときには数字で話をして、きっちりその数字を説明することができるということを晒すしかないのです。それができれば、あとは何でもできるのです。

【日本の抱える問題 動画0:42~】

それが日本にはできていません。オリンピックが延期になったから、私が予想したように急に感染者数がボンと上がるということがもしあったら、まともな大人であれば「なんや、オリンピックやりたかったから、日本の政府は数字をコントロールしとったんやんけ!」という話になるわけです。ならば今でている数字は信用できるのかと思うのが普通の人間だと思います。そういう政府の言うことが聞けますか?危機管理の基本なんて2000年前に『論語』に書かれたことで答えはでているのです。

https://twitter.com/noiepoie/status/1242759773239431169?s=19

https://twitter.com/noiepoie/status/1242760177226403840?s=19

〈森友問題〉や〈桜を見る会〉のツケがここにやってくるのです。

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