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8月の読了

8月の読了本のご紹介。今月は仕事のタスクがとんでもないことになっていて、帰宅してからも作業に追われる日々でした。疲れた。
昼休憩の1時間、30分でご飯を食べて、残り30分。冷え冷えの缶コーヒーお供に本を読むあの時間だけが至福。
今月も特に良かった4作品ご紹介します。


特攻の島(佐藤秀峰)

太平洋戦争末期に使用された、魚雷に人を乗せるという特攻兵器「回天」を題材にした漫画。全部で9巻、Kindle Unlimited対象。

特攻と聞くと「神風特別攻撃隊」のイメージだったので、空からだけでなく海中からもあったのかとこの作品を通して初めて知った。
なぜ彼らは自分の命をこのような形で賭けたのか。なぜこれが正しいとされたのか。まだ若い彼らに、どんな心情や苦しみや葛藤があったのか。

全9巻の表紙の絵、最初見た時は登場人物を一人ひとり描いているのかと思っていたんだけど途中でこれ全部主人公の自画像なんだと気づく。そのくらい、表情も纏う雰囲気も変わって、作中の出来事と表紙の人相がしっかりリンクする。最後の9巻だけ少し微笑んでる理由も分かる。

作画の参考資料や記録の出典元などがとても丁寧に記されていて、史実をしっかり伝えるための作品なんだなと思った。
潜水艦や船内の作画がとにかく圧倒的な迫力(調べたら作者は海猿描いた方でした)。見開き2ページ使ったシーンも多いので、ぜひ横長のモニタ使って読んで欲しい。私はkindleから途中でiPadに持ち替えた。

記録によれば、回天作戦により17歳から27歳の106人が戦死。
彼ら一人ひとりに、想像に余りある背景がきっとあった。

8月は特に、報道や特集も相まって戦争のことをたくさん考える月ですね。
映画「太陽の子」も観ました。三浦春馬さんの演技、感服だった。

仕事では、患者さんの氏名と生年月日を確認するタイミングが何度もある。その中には1944年や1945年生まれの方も勿論いるわけで、そしてその方の名前に「国」や「戦」、「勝」、「日」などの漢字が使われていたりすることがある。終戦直前、親が子に託した望みや切実な思いを感じて、そしてこの方自身がこの名前で生きてきた人生を(勝手に)思って胸がいっぱいになってしまったりする。


エッセンシャル思考(グレッグ・マキューン)

タスクに追われまくりだった今月だからこそ刺さった一冊。
尊敬する上司が以前言っていた、「30代までは何を振られてもNOと言わないようにした」というのを私を実践しようと思っていたし、やりたいことが沢山あるのはいいことだと思っていたけど実はそうでもないことに気づいた。

本で言うエッセンシャル思考とは「より少なく、より良く」を追求する生き方で、あれこれ手を出して全てを中途半端にするのではなく本当に自分が望むものに努力の方向を絞ること。量より質、な生き方。
それは受ける仕事の数であったり、買い物の頻度や選択であったり、日々の行動だったり色んなものに当てはまる。
仕事の場合は選べない、するしかない、っていうのも多くあるけど、以前の私がやりがちだった「挙手制の仕事にわずかでも興味を持てば飛び込む」っていうのはやめてみようと思う。まずは自分がすべきことに集中すること。

概念的な話もあれば、
・クローゼットをきれいに整頓することで自分にとって大事なものがよくわかる
・見積もった時間を常に1.5倍に増やして締め切りを設定する
・努力や根性がいらない、自動的に行える仕組みを作る

など、具体的行動のヒントも沢山貰える本。

秘密(東野圭吾)

東野圭吾作品が好きで結構読んでいたつもりだったけど、これはたまたま古本屋で初見だった。
妻と娘がバス事故に巻き込まれた。妻は娘を庇って死亡。かろうじて助かった娘が意識を取り戻すと、話を始めたのは妻の魂だった。
妻の魂は試行錯誤しながらも徐々に娘の身体に順応して、娘として生き、学校へ通い、友人を作り、恋をする。
娘として生きているのだから思春期の女子として当たり前のことが、その中身は妻であると知っているが故に良く思えない平介の嫉妬心がエスカレートしていく様がとてもリアルだった。
読みながら「解放してあげて、、、」と何度思ったことか。

クライマックスで「秘密」というタイトルの意味がずどーーんと来ます。妻・直子の決断とそれを悟った夫・平介の気持ちを思うと胸が痛みすぎる。

メンタル強め美女白川さん(獅子)

いつもご機嫌で可愛くて、あざとい。その性格が故に周囲の女子達から妬まれてしまう白川さん。
でも決して「嫌な女子」ではなくて、自分の機嫌を自分で取る方法をしっかり分かっていたり、自分を好きでいるための努力を怠らなかったり、駄目なものにははっきり駄目だというし、妬みに応戦せずうま〜〜く取り込んでいつの間にか味方にしてしまったり、まあ読んでいて気持ちがいい。

最近マウント取ってくる同僚がいて疲弊していましたが、白川さんマインドでうまくかわしていきたい。
1巻はkindle Unlimitedで読めましたが、2巻は書籍で買おうかな。

白川さんの同僚の女性が男性に傷つけられたときの、白川さんのツッコミがとても良い。その通りだよ。

だってそんな失礼な人間の美意識とか信用するに値しなくないですか?



いかがでしたでしょうか。気になる一冊があれば嬉しいです!

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