〜第4話〜県外に脱出
県外に飛び出したかった私
でも、その手段は私にはなかったのです。
農家の長女、決して裕福ではない私! いつも怒られ鉄拳が飛んでくるような私は「いらない子」と思い込んでいたのです。
だから、学費を出してと言えなかったし、進学など当の昔に諦めた夢でした。
【お前ココなんかいいんじゃないか?】💡
先生に手渡された1冊のパンフレット 「行けるわけないのに」と心の中で呟いた私がいました。
でも、先生は私にこう続けたのです。 「働きながら行けるぞ」
「えっ!私でも行けるの?」更に有名な吹奏楽団がそこにはあったのです。
アルトサックスという武器が活かせる。まだまだ私の楽園は続く、思わず心の中でガッツポーズをしていました。
私でも、そこだったら進学が出来る!吹奏楽だって続けられる、しかも資格までとれる。 親にだって頼らなくて済む、いたれりつくせりで、私の心は踊りました。
私は更に遠く離れた岐阜県にある、その短大にいく事を決断したのでした。
【職場でも私の楽園は続いたのです。】
コンクールでは選抜メンバーに選ばれ 吹奏楽では、全国大会へ出場する夢も叶ったのです。
そう、私の楽園はまだまだ続きます。吹奏楽に没頭する毎日でした。
あの秘境で生まれ、田んぼに向かって涙を流しながら稲穂を観客に「桜田淳子」ちゃんの歌を歌っていた私は、もうそこにはいません。
私の涙は、「嬉しい」という感動の涙に変わったのでした。 私は上昇志向なポジティブな、女になっていたのです。 まさかこの時、このポジティブが、あだになるとは夢にも思わず・・・
「宮崎に帰っておいで」
私を地獄に突き落とした一言です。 親からの帰還命令がくだったのです。
親にとっては何気ない一言で、私にほんとに帰ってきてほしかったんだと思います。
でも、その時の私は、そうは取れませんでした。 元来奴隷体質の私、勿論答えは「はい!かイエス」しかありません。 そう、私はまだ呪縛から逃れられてなかったのです。
【楽園が終わり、またゼロからのスタートが始まったのです】
楽園が終わったとはいえ、そこはもう地獄の1丁目ではありません。
そう、またゼロからスタートすればいいんだと、あの頃の私ではない ポジティブな私がそこにはいたのです。
当然、私のスタートは保育士からです。その為に短大に行ったのですから 保育士への道は、当然のことだったのかもしれません。
子供好きで、体力もあり仕事のやりがいも感じていた私は、認めてもらえるように努力をしたのでした。
そう、園長先生に私は、認められたかったのです。
鬼軍曹の様な母、鬼のような先輩
「そこに愛はあるのかーーーい!」と叫んでいた私は
常に誰かに認められたい!今だからわかる。そう私は承認欲求の塊だったのです。
認められたくて頑張った!園長先生は、鬼軍曹か、鬼のような先輩か・・・
ううん🤔鬼だったような気がするww 私は、そこに愛を感じなかったのです。
愛を感じない私は、精神的にもどんどん不安定になっていったのです。
【保育士ダンサーになる】
保育士の私は、ダンサーになっていました。 稲穂のスター「桜田淳子」の私は小さいころから、音楽に慣れ親みリズムを刻むのは得意中の得意だったのです。
音楽好きの私にとって、ダンスはその延長線上の様な気もしました。
初めてのレッスンは衝撃的なものだったのです。 髪を振り乱し、体全身を使って表現し踊る人たちでした。
まるで、安室ちゃんの様な、かっこいいダンスだったのです。
聴かせる音楽から、音楽を通じて見せるもの、そこに表現者を見たような気がしました。
「凄い」感情が高ぶるのを感じた私、もっと先生みたいにかっこよく踊りたい
私は単純な女です。私にもできるかもしれないと、ダンサーへの道を進むのでした。
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