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〜VB TIMES 7月号Vol.2〜アルメニアオンラインピッチ大会〜

Venture Bankは、世界中で事業展開する企業、そして、世界を舞台に活躍している投資家たちによって組成された、ベンチャー支援プロジェクトです。

「起業したい」「事業を起こしたい」という未来の起業家たちをサポートするべく、私たちはビジネスプランコンテストの開催など、様々な取り組みを行っております✨

未来の起業家を更に応援するために、現役起業家やエンジェル投資家のインタビューや、現在企業に向けて奮闘する未来の起業家たちに注目し、その様子をお届けする『VB TIMES』🌳

7月号Vol.2では、アルメニアで行われたビジネスピッチ大会の様子をお届け致します!

〜アルメニアスタートアップ企業ビジネスピッチ大会とは?〜

アルメニア共和国は現在、ソ連のシリコンバレーとも呼ばれており、IT先進国として世界中の投資家や、ベンチャーキャピタルが注目しております。

そんなIT先進国アルメニアで、アルメニアの企業【エンタープライズアルメニア】とVenture Bankは共同で、スタートアップIT企業を対象としたビジネスピッチ大会を、2021年7月1日に開催致しました!

本大会には50社以上の参加企業から、予選を見事に勝ち抜いた『6組』のアルメニアのIT企業が、各企業10分間のプレゼンテーションを披露致しました。

カンファレンス:アルメニア駐日大使 アレグ・ホヴァニシャン氏からのご挨拶

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今回のビジネスピッチでは、本番前にカンファレンスが行われ、アルメニア駐日大使 アレグ・ホヴァニシャン氏による挨拶から始まりました。

▼以下、アレグ・ホヴァニシャン氏の挨拶を抜粋しております▼

まずはこのイベント設けてくださった、イベント関係者の皆様に感謝の意を表したいと思います。
そして、このイベントに大きな関心を示してくださった全ての参加者の皆様にも感謝致します。
私たちは、アルメニア国内外の投資を促進し、潤滑に回していくことを使命としております。
このイベントを開催することにより、日本との貿易や経済関係を更に発展させることができるのではないかと考えており、投資と経験の交換の場にもなると考えます。
また、日本のビジネス文化はアルメニアとしてもとても魅力的なものです。
一方アルメニアは、伝統と革新を組み合わせる方法を得意とし、この方法に日本のビジネス文化を融合させ、イノベーションシステムのアウトプットができれば、更に両国の経済の発展や、活性化に繋がるのでしょう。
また、今回のイベントを通して日本の人たちに、アルメニアでビジネスを行うことのメリットを実感していただければと思います。
このイベント自体は1日限りですが、これは終わりではなく始まりに過ぎません。
アルメニアと日本の貿易、そして経済の発展に対して歴史的な日とも言えるでしょう。
最後に、この後プレゼンテーションをする人たちの健闘を祈ります!

このイベントは日本とアルメニアの貿易や経済関係の歴史的な日になると、イベントへの期待が高まっている様子が伝わってきました。

早速プレゼンをみていきましょう。

キーボードに送金システムを埋め込む『pay me』

登壇会社:Text'n Pay Me(https://www.textnpayme.com/)

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テキストコマンドを入力し、生体認証またはピン/パスワードで本人確認を行うだけで完了する電子決済キーボードのアプリケーション開発を行っている企業です。

現在MVPの段階にあり、最近ヨーロッパ全域での支払いを許可するのフィンテック企業とも契約しました。

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今回プレゼンしたサービス『pay me』

現在は、銀行によって支払いシステムやサービスアプリが異なりますが、この技術を使用することにより、誰もが簡単に、素早くキーボード上のボタンから操作するだけで送金や受け取りができるシステムです。

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このサービスを使用することで、スムーズに金銭のやり取りをネット上で行うことができます。

人工知能技術を駆使し、AIが演奏をフィードバック『MUSIC CODE』

登壇企業:CODICS

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人工知能技術を使用して、学生に耳を傾け、分析し、フィードバックを提供するモバイルおよびWebアプリケーションの開発を行っている企業です。

世界クラスの教授の知識を翻訳し、各学生が場所に関係なくノウハウにアクセスできるようにします。

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今回プレゼンされたサービス『MUSIC CODE』は、人工知能技術を用いて、楽器の演奏技術向上を促進するサービスです。

人工知能技術を駆使し、高レベルな技術や情報を持ったAIが、演奏者の音を聞いて、どこを改善すべきなのか、テンポを含め判断してくれるサービスです。

また、改善案や練習計画なども分析した上で表示されるので、楽器を習っている生徒が自宅で練習しやすい環境を作ります。

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現在、音楽を演奏する側がどこを間違ってどこを直さなければならないかという部分は開発済みで、8つまでの楽器に対応。

音楽スクールと生徒に向けてサブスクリプションで提供する予定です。

トラック運送の効率化を図る『SHIPPED』

登壇企業:Shipped (https://shipped.tech/)

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高度なカスタマイズが可能で、需要の多い機能を備えている、独自のデジタル貨物ロジスティクス プラットフォームを利用し、輸送サービスプロバイダーと国際的に貨物を輸送する必要のある顧客を結び付ける貨物輸送管理システムを提供している企業です。

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元々輸送のデータ管理をしていたSHIPPEDは、現在トラックがほぼ空の状態で輸送をしているなどの現状を把握し、そのトラックをより効率化できれば、運転スタッフなどの負担も減り、作業効率も上がるのではないかと考え、データサービスを考案。

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コロナ禍で通販サイトなどはますます利用客が増え、荷物の輸送がなくなることはないことも強みとし、拡大され続ける市場に対し、革命的なサービスを提案していただきました。

新薬作成にAIを用いてコストを削減『Denovo Sciences』

登壇企業:Denovo Sciences

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最先端のAIテクノロジーを使用して新しい治療法を生み出すディープ テクノロジー企業。

現在、クラス初の抗癌剤、抗生物質、抗ウイルス剤の発見に焦点を当てた3つの継続的なコラボレーションを行っています。

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現在新薬を作成するにあたり、1つの薬で20億〜30億の費用がかかると言われています。

また、多くの大手製薬会社がAIを用いて、データベースで作成していく方法を試行錯誤していますが、デメリットとして、新しいターゲットに柔軟に対応できず、既存にあるデータから派生するバイアスに影響されるという可能性も懸念点としてあります。

このサービスでは、そのような懸念点を払拭すべく、システム自体が試行錯誤しながら最適なシステム制御を実現する機械学習・強化学習を使用し、独自のプラットフォームを構築します。

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この技術の市場規模は非常に大きく、創薬のサービス提供者としての市場は2025年に210億ドルを突破し、小分子の発見に関する市場は2027年に500億ドルを突破すると推定されている点も注目ポイントでした。

犬のマッチングアプリ!『Gabby』

登壇企業:Gabby(https://www.facebook.com/Gabby.app.2021)

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犬のパートナー探しや健康管理ができるアプリの開発をしている企業です。

飼い主が最愛のペットのためにパートナーを見つけるのを助け、さらに体重、カロリー、活動量の観点から健康状態をよりよく理解するのに役立ちます。

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開発者は、自身が飼っている犬の健康状態を調べてもらった際に、「もっとお散歩など運動をしなければならない」という指摘を受けたそうです。

更にお散歩であれば、1日に5時間〜7時間が理想だという獣医さん。

仕事がある中で、お散歩をする時間が足りないと感じた開発者は何か他の方法で犬を運動させることができないかと考え調べた結果、他の犬、つまり友達と遊んだり、一緒にいたり、くつろいだりすることで、愛犬の行動をより活発にし、必要なカロリー消費をサポートするということがわかりましたが、都合よく一緒に愛犬と遊んでくれる犬がいないことにも気づきました。

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そこで犬を遊ばせるためのマッチングサービスを開発。

このマッチングサービスがあれば、犬だけでなく飼い主コミュニティも広がり、飼い主も犬も心身共に健康な状態を築くことができるサービスをプレゼンいただきました。

顧客が直面する「行列問題」解決!『early one』

登壇企業:Earlyone (https://earlyone.com/)

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Earlyoneは顧客の待ち行列をなくし、顧客の待ち時間を最小限に抑えることを目的とした顧客フロー管理ソリューションです。

既に5か国に拠点を置いており、今後はヨーロッパやアフリカにも拡大予定です。

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待ち行列が発生すると、お客様のロイヤルティが低下し、カスタマーサービスからの不満が高まり、最終的にはお客様の解約率が上昇してしまうことが実証されています。

そこで開発したアプリが、お客様が待ち時間なくサービスを受けられる時間を算出することを可能にする、独自のアルゴリズムを搭載したモバイルアプリは、サービス提供のプロセスや従業員をリアルタイムで監視し、問題が発生した場合に対処するためのオンラインモニタリングツールです。

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サービスプロセスにかかる時間、運用コスト、人手の削減、顧客サービスの質の向上、顧客ロイヤリティおよびLTV(顧客生涯評価)の向上など、結果として、これらの点で企業様のお役に立てると言います。

今回のピッチ大会、投資家しての意見は?

イベント中2

Venture Bankのメンターでもある、小林・リヒャルド・ワルター氏にコメントをいただきました。

アルメニアでのピッチイベントが無事終了しました。また、自身が代表を務めるAlesco Venturesとしては初めて本拠地エストニア以外で、開催するピッチイベントだったので最後まで不安が残りましたが、ITの側面でも大きな問題はなく、大成功だったと思います。
特に、オーガナイザーのEnterprise Armeniaと登壇した6社に感謝です。
全体的に登壇企業のレベルは高く、当社として少なくとも1社に出資することを決定しました。
今回のアルメニア訪問では、同国のスタートアップエコシステムの発展度合いに大変驚きました。
まだまだIT立国を目指す段階ではあるものの、イスラエルのようなスタートアップネイションになることは時間の問題だと確信しています。
近年のITセクターの成長も驚きましたが、特にディアスポラを通じてアメリカとの繋がりが深いことがアルメニアのスタートアップにとって良い影響を及ぼしています。
どの会社も自国の小さなマーケットではなく、米国とその先の世界の市場を見据えたビジネスプランを作っているし、シリコンバレーで経験を積んだ人材がインキュベーター等を通じて彼らにノウハウを提供しています。
アルメニア共和国の歴史背景を見ると、悲しい歴史を経て海外に移住し、そこで成功を掴んだアルメニア人が母国の発展を望んで様々な形で還元しているところが今回の訪問で一番印象的でした。

ありがとうございました。実際に行ってみたからこそわかる、アルメニア企業の勢いはまさに本物。

先進国であるアメリカをはじめとし、世界的な繋がりが多いアルメニアの背景には紛争や、迫害などの歴史的背景もあったとのこと。

だからこそ国が一丸となって更に大きく成長しようという思いが強いのかもしれません。

オンラインピッチを見ていた日本ユーザーの反応

日本でもアルメニアでのピッチ大会の様子をZoomにて無料で配信しました。視聴者の感想を抜粋して紹介いたします。

アルメニアは国の基本情報が乏しいので、国の基本情報、制度、規制、投資優遇制度等のDoing Businessに関する基本情報が欲しいかった。そこがベースでその先の投資を検討する。
各スタートアップの説明がわかりやすく組み立てられていて大変勉強になった。
アルメニアにはFASTというIT企業を支える団体があったり、以前から注目していたが、日本でも同じように考えられそうなサービスのプレゼンも多く、今後アルメニアから日本にもサービスが展開されることなども含めて期待が高かった。
50の企業から予選を勝ち抜いてきたというだけあって、それぞれが投資家へのアピールがうまかった。また、質疑応答にも動じる事なく答える姿は、投資家目線からしても好印象として映ったのではないか。自分自身もビジコンなどに参加する際に今回のピッチの様子を参考に、プレゼンを行いたいと思った。
海外のビジネスピッチということで、難しいプレゼン内容ばかりかと思いましたが、字幕もありわかりやすいプレゼンが多かったので、基礎知識が高くなくてもおもしろかったです。特に犬のマッチングサービスなどは、身近に感じるものだったので、魅力的だと思いました。

ご参加いただいた皆さまありがとうございました。

最終結果は?

イベント終了後

今回最終的に、シンジケートを組んでDenovo Science社に出資する前提で交渉をする事になりました!

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今後、何かしらまた動きがございましたら皆さんにお伝えできたらと思います!

▼他にもVenture Bankのビジネスプランコンテストの様子はこちら▼

他のテーマでビジネスプランコンテスト開催中!

Venture Bankでは現在もビジネスプランコンテストを開催しております。

今回のコンテスト内容と同様に、どれもアイディアのみでもご参加いただけるコンテストになっておりますので、該当のアイディアをお持ちの方はお気軽にご参加ください!

▼開催中のコンテストはこちら▼

※コンテスト参加には事前にi-Bankの登録が必要となります。

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次回の更新もお楽しみに♪

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