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空と旅にまつわるエトセトラ


飛行機と空港が好きだ。陸と空なら、空を選ぶ。
それは、海と山がわたしにとって並列ではないように。


飛行機が陸を離れてまもなく訪れる、あの重力。45度になる視界。重たい雲をどんどん掻い潜れば、上空はいつだって好天だ。機体が水平になれば、下界の天候は一旦関係から外れる。その全てが、わたしにとって好ましい。


機上の人になっている時、わたしはいろんな感慨に想いを巡らせる。それは大抵が、過去の出来事だ。しかも飛行機絡み、空港絡み、つまりは旅絡み。旅が最大の趣味であるわたしにとって、人との思い出もまた、旅が起因となっていることが多い。故に、空の旅にまつわるbadな思い出なんていくらでもある。それでもわたしは何故か、空にどうしても憎しみを抱けない。どれだけ酷なことをされても、空に対してわたしはとことん甘く、酷をfunに変えてやろうと思ってしまう。それはまるで、外野から他人のハプニングを眺めているような、これは後でいいネタ話になるぞというような。


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空港だって好きだ。これから空へ向かおうとする人々から伝わって来るDepartureへの高揚感、時には心配混じりの。されど実はそれは他人からではなく、自分自身が出して感じているものに他ならない。毎回わたしはスーツケースを引き摺りながら、自分から醸されているmoodを感じ、時には焦りや不安や心配を背負って、それでも何食わぬ顔でゲートを抜ける。Arrivalを抜けた後の違う国の空気を早く肌で感じたくて、自動ドアへと急ぐ。
むっと蒸せ返るような熱気、全身をすぐさま覆う湿気、あるいはつんと鼻に通る冷たい空気、時にはスパイスの香り、時には汗と土と排気ガスの匂い、耳に刺さるクラクションの音、響くエンジン音、罵声や怒号。どれもこれもがその国の個性、違うことの愛おしさ。


そんな全てをまるっと含めて、この国を囲う大海原を越えることが好きだ。
海を越えて飛行機を降りればそこは別世界だなんて、それは地球の何たるentertainmentか。
天下のディズニーランドの比じゃない、わたしはその辺がdreamerじゃない。


生きてる限り何度だっていい。
空を飛んで海を越え、違う現実世界に遭遇して、それをただ楽しみたいのだ。
だってわたしは、わざわざ好き好んでこの地球にやって来たのだもの。






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