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黒歴史を作ることが人生なのかもしれないっていう話。
私には夢があります。
なにかしら作品を作って皆んなに楽しんでもらいたい、というものです。
小さい頃から映画やアニメ、小説、漫画などジャンル問わず様々な作品に触れてきた影響から、クリエイターさんに対して憧れの感情を強く抱いています。
「自分もクリエイターになりたい」という想いから、大学は芸術系の学部に進むことにしました。
憧れの感情はありましたが、実際に作品制作をするのは大学入学後が初めてでした。
講義内で広告を考える、というワークがありました。いいアイデアが思いついた私は早速制作に取り掛かり、構成などを企画書にまとめました。
制作系の講義において、発表という過程はつきものです。例に漏れず、この講義でも自分の企画を皆の前で発表する時間が設けられました。
いざ自分の番、その瞬間あることを感じました。
あれ、発表するの超恥ずかしい
私は人前が苦手です。ですが、このとき抱いた「恥ずかしさ」は人前で発表することに対するものではありませんでした。
自分の考えた作品を人に発表することに恥ずかしさを覚えたのです。
自分の作品を発表する、ということ
私はこの作品に、自分が面白いと思っていることを詰め込みました。
「バナナの販促のための広告を考える」というお題だったので、バナナの持ちやすいフォルムに焦点を当て、バナナをリレーのバトンのように見立てた企画を作成しました。
正直めちゃくちゃ自信がありました。
だけども恥ずかしかったんです。
あとからこれについてじっくりの考えた結果、自分のアイデアを表現することに自信がなかったんじゃないか、という結論に至りました。
私はこれまでの人生、なるべく失敗しないように生きてきました。
振られたくないから告白をしない。
バカにされたら嫌だから人前で何かをしない。
失敗したくないから新しい挑戦をしない。
作品をつくる、表現には正解などありません。
つまり失敗もないのです。
そのことは理解していたつもりなのですが、私にとって自分のアイデアを形にして相手に伝える、というのは「挑戦」でした。ここでいう「失敗」とは相手から良い評価を得られない、ということでした。
それを私は恐れていたんだな、と今は思います。
黒歴史を作ることで成長をする
私は後から振り返って赤面してしまうようなこと、いわゆる黒歴史を作りたくないという想いが強くありました。
これが原因で挑戦することを避けてきました。
今思うと、だいぶプライドが高かったんだと思います。
プライドが邪魔して、失敗する自分を、自分自身が許せなかった。
この生き方自体が失敗であったことにも気づいていませんでした。
私が生き方を変えようと思ったある出来事があります。
友人と2人で呑んでいたときの話です。
その友人はとても明るく、誰とでも接して仲良くなる、そんな太陽のような人です。
当然めちゃくちゃモテます。
その日も彼女さんとの惚気話を聞いていました。
その中で彼は、彼女に対してあるミスをおかしてしまった、という話をしました。
そのエピソードに対して、私は「それめっちゃ黒歴史じゃん!」と言ってしまいました。
その言葉を聞いた彼の表情は曇りました。
そして彼は諌めるように私に言いました。
「俺は彼女のためを思って、この行動をした。その中でミスをしてしまったことに対して、黒歴史なんて言葉を使わないでほしい。」
私はそこで気づきました。
他人の失敗に対して自分があれほど嫌がっていた、黒歴史という烙印を偉そうにも押してしまっていたのです。
彼のおかしたミスは彼女のことを思って行ったことが、コントロールできない事情によって失敗してしまった、ということは私を十二分に理解していました。
私は人の失敗をバカにする人間が嫌いです。
そんな人間に私自身がなってしまっていたのです。
挑戦から避けてきた結果、このような人間になってしまいました。
このとき、変わろうと思いました。
その時これを教えてくれた友人には今でも感謝しています。
思うに、成長するためには失敗はつきものなんだと思います。
「失敗した」、ということはすなわち、「挑戦した」ということです。
私は、自分が嫌っていた黒歴史を積極的に作っていこうと、決意しました。
たくさんの挑戦をしよう、と決意しました。
創作って恥ずかしい、けど楽しい
それからの私はたくさんの挑戦をしました。
確実に肌に合わないであろうと思っていた居酒屋でのアルバイト経験をしました。
意外と楽しかった。
絶対にできないと思っていたリーダーの役職を務めました。
苦労はしたけど、強い達成感を覚えました。
超怖いと噂されるジェットコースターにチャレンジしました。
超怖かった。けど、それを経験できて良かったと思いました。2度と乗らないけど。
挑戦することで得るものは沢山あったと感じています。
話は創作についてに戻ります。
黒歴史を積極的に作ることを意識して以降も、創作を行うワークは多々ありました。
ある講義で歌詞を書くことになりました。
歌詞とポエムは近いなーとその時感じました。
黒歴史あるあるのひとつとして「学生時代ポエム書きがち」というものがあります。
自分で描いてみて、彼らは自分の思いを文字にして表現したかったのかなー、と思いました。
彼らに全然黒歴史じゃないよ、といってあげたいです。
数々の作品を考えるなかで、やはり恥ずかしい、という感情は拭い切ることはできませんでした。
20年以上貫いてきた生き方を急に変えることはできません。
けど創作は続けたいと思いました。
あの頃の夢に近づきたいからです。
また、続けることでなにか意味が生まれるような予感がします。
これまで避けてきたことから沢山のことを得ることができた、という実績があるからです。
人から見れば、売れもしないのに創作している人の作品なんて黒歴史に近い、恥ずかしいものに見えるかもしれません。
それでも考えるんです。
私はこれから沢山の黒歴史を作っていきます。
ただ私にとって、財産となるような、大切な歴史の一部になることは間違い無いと思います。
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