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飢餓で苦しむ人間を助けるのが先じゃない? |veganへの質問シリーズ13


路上活動で色々な方とお話をしていると、本当に思いもよらない角度から質問をされたり、新鮮な意見をいただいたりします。

例えば、宗教っぽい、弱肉強食だから仕方ない、人間は肉食だ、家畜は食べられるために生まれてきた、などなど。

このveganへの質問シリーズもついに13回を数えました。過去の質問が気になる方はぜひ以下のマガジンをご覧ください👇


今回は、以下の主張を分析してみようと思います。

「畜産動物を助けるよりも、飢餓で苦しんでいる同じ人間を助けるほうが先決なのではないでしょうか?」


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2018年に国連が発表した資料によると、2018年時点での世界の飢餓人口は、8億2,160万人にも及ぶそうです。これは、世界人口の9人に1人が飢餓に苦しんでいるという計算になります。日本のような豊かな国に暮らしていると、俄かに信じられない現実ですよね。

地球上に生きる同じ人間として、この事実を真剣に受け止め、何らかの行動が必要だと痛感しています。先進国の人間が豊かに生活をする裏側には、飢餓で苦しむ人がいる。

自分にできることは、まず日本の現状を確認すること。

日本の食料廃棄は年間2,550万トン
⇒そのうち、食べられるのに廃棄されるのは612万トン

世界中の食料援助量は390万トン
⇒日本の食料廃棄は世界の食料援助量を超えている

これは、24時間いつでも購入することのできるコンビニの存在が大きく影響しています。いつでも、どこでも、食べ物を買うことのできる便利さの代償として、まだ食べることのできる食料を年間612万トンも廃棄している事実があります。

食料廃棄問題の根本的な解決には時間がかかりそうですが、「自炊をする」「買い過ぎない」「賞味期限を気にしない」など、身近なところから個人レベルの実践はできそうです。

さて、ここからが本題です。

「畜産動物の命より、飢餓で苦しむ人間の命のほうが大切」という意見ですが、

本当に飢餓で苦しむ人々を助けたかったら、
畜産問題を解決することが先決


だと個人的には考えています。それはなぜか。

今の世界の食料システムにおいては、「裕福な国の人々が食べるお肉のために、経済的に貧しい人々が苦しい生活を余儀なくされている」からです。

お肉の生産は非常に効率が悪いという話を聞いたことのある人も多いと思います。実際に、1kgのお肉を生産するために、6kg~20kgの穀物が必要で、その穀物を生産するために、15,415リットルもの水が必要になります。(出典:NHK)

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毎年、740億匹の陸上動物が人間が食べるために殺されていますが、当然、その動物たちを育てるために、膨大な量の穀物が必要になります。その膨大な穀物を育てるための土地を確保するため、熱帯雨林を次々に伐採し、地球にも負荷を与えているのは有名な話。

世界の農耕地で生産される作物の50%以上は家畜の飼料になっている、という事実を知っているでしょうか。膨大な量の穀物が、飢餓で苦しむ人間ではなく、家畜に与えられているんです。

実際に、世界で生産される穀物量を現在の人口78億で割ると、一人当たり、一日に必要な量のカロリーになるという試算が出ています。

飢餓の問題は、自分の味覚を優先せず、畜産問題を解決することで解決できると思うのは、こういった事実を知ったからです。

結論。大切なことなのでもう一度書きます。

本当に飢餓で苦しむ人々を助けたかったら、
畜産問題を解決することが先決


vegielab🌱


【参考資料】


●2018年版「世界の食料安全保障と栄養の現状」報告書http://www.fao.org/3/I9553EN/i9553en.pdf

●NHK「2030 未来への分岐点(2) 飽食の悪夢〜水・食料クライシス〜」


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