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foodskole農園部日誌2021【我が子(野菜)の旅立ち】8月22日(日)9:30- 天気:☀

東京都八王子の磯沼ミルクファームさんの畑をお借りして、月2、3回と「ゆる〜く楽しく食を学ぶ」をモットーに活動しています。
こんにちは。今回の日誌当番は、フードスコーレ運営委員で農園部顧問の大森展弘です。残暑が厳しい8月下旬の活動日。この日は、これまでとはちょっと違った気持ちで農園を訪れました。

これまでは、大切に育ててきた野菜を自分たちで食べるだけで終わりでしたが、この度いよいよ農園部以外の人たちにも味わっていただく機会を作りました。その名もパーラー放課後。農園部と同じく、フードスコーレ有志によって立ち上がったもう一つの部活動「カフェ部」が主催する一日限定のポップアップイベントです。

カフェが好きなメンバーとゆる〜くカフェを運営したいという話から、「だったらフードスコーレでの学びや体験したおもしろさを一般の人にも体験してもらおう」と企画されました。そこで、農園部の野菜を使った料理を提供することになったのです。

とはいえ、ゆる〜くがモットーの農園部では計画的な収穫は難しく、何を使った料理を提供するかはまさに「畑に相談だ!」状態。そんなこんなで今日はどんな野菜が育っているのか?今まで以上に、ドキドキとワクワクが止まらない活動日になりました。農家さんの「出荷は我が子を送り出すようだ」という言葉が少しだけわかった気がします。

1. 今日も我が子(野菜)たちは元気!だった

いよいよ畑に到着。毎回、最初に出迎えてくれるのはトマトときゅうりです。

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自分たちの背丈ほどの高さにも育ったきゅうりは、もはや瓜と見間違うほどに立派な実りを毎週分けてくれます。今は、畑の手前からトマト、なす、きゅうり、いんげん、オクラ、大豆、ピーマン、大豆(もう一列)と育てています。いんげんやオクラ、大豆の収穫はもう少し先なので、トマトとなすとピーマンの様子を見ながら、収穫を進めました。

結果、晴れて無事(?)に農園を巣立ち、出荷される野菜たちが揃いました。今回農園部を代表して旅立つのはきゅうり、なす、ピーマン、唐辛子に決定。さ、何を作ろうかとカフェ部のメンバーとも相談です。

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2. 我が子の晴れ姿。デビュー戦は名脇役。

いよいよイベント当日(野菜達のお披露目の日)。調理担当のメンバーと相談した結果、野菜たちはランチメニュー(おにぎりセット)の副菜にすることにしました。なすは煮浸し、ピーマンは少し辛みを効かせた聞かせた炒め物に。きゅうりはお味噌汁の具として主役を引き立てます。カフェ部のメンバーのほとんどが農園部のメンバーでもあるため、思い入れはひとしおです。今回、イベントで提供するメニューのほとんどは、フードスコーレの授業で講師を努めてくれた方たちの商品やサービスを利用しました。なので、お客様へメニューを説明する際は、「そもそもフードスコーレとは」から始まり、授業の内容に、農園部の活動紹介、そしてようやく野菜たちの話になります。食べる前にすでにお腹いっぱいになるくらい熱のこもった説明が続きました(苦笑)。

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熱い説明のせい(?)か、実際に召し上がってくださったお客様はみなさん満足そうに「おいしかったです」と、笑顔で帰っていかれました。農園部の野菜デビュー戦としては、上々だったのではないかと思います。
改めて自分たちが作ったものをおいしく食べてもらうことの奥深さを感じた、収穫〜イベントの2日間でした。


〇日誌当番の感想

イベントが終わってからしばらくして、ふと考えたことがあります。身近にある何か、食べることでも楽しむことでもいいのだけれど、当たり前のものにも、ものすごい時間がかかっているということです。イベント自体は6時間程度とあっという間に終わり、その中でもお越しくださった方々が過ごしたのはさらに短い1時間程度。でも、その1時間の体験を作るために、僕らは数ヶ月前から畑を耕し、毎週のように草をむしり、手をかけてきました。

それを農園部の野菜だけでなく、お米やお味噌や他の食材にも広げて考えてみると、もっとたくさんの人々がかかわって、多くの時間がかけられて、この1時間ができたことが分かります。僕たちの一食一食は、それだけの人やエネルギーが関わっているのだということを再確認することができました。

これは当たり前のことだけれど、僕たちはその当たり前を忘れているのか、あえて見えないふりをしているのか、普段はあまり考えたりしません。個人的には、国民の義務として必ず何かしらの食べ物を育てるということをしてもいいのではないかと思います。学校でアサガオを育てるなら、トマトやピーマンを育てたらどうでしょうか。

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