見出し画像

「農サイド宣言」いま、呼びかけずにいられませんでした。あなたの #農サイド みなさまの思いと力を集めます

【農サイド宣言】
                2020年4月8日

農業や農村にかかわる私たちは今日、「農サイド宣言」をいたします。
外出自粛で多くの人の職や生活が危ぶまれる一方、食べ物の産地は人手不足が続いています。
都市の過密とふるさとの過疎は、表裏一体です。しかし
今、その間には分断が生まれ、ふるさとへ帰ることができません。
でも互いへの思いは伝えることができます。
心の疎開先として、農業農村の関係人口を増やすことから始めたい。
人はもう少し農の方へ、農サイドへ歩み寄ることはできないか。
それが都市と農村の分断をノーサイドへ持ち込む一歩になるのではないでしょうか。
お読みになった皆さんのふるさとへの思い、農業や農山村への思いを、
お聞かせくださいませんか。
#農サイド  とつけてくださいね。

上記の【農サイド宣言】を有志4人で”発出”しました。

緊急事態宣言4/7の夜、総理の”発出”を聞きながら、文案を練りました。

地域力創造アドバイザーで世界農業遺産元委員大和田順子さんの呼びかけで、
耕作放棄地を解消をミッションに掲げる「マイファーム」代表の西辻一真さん、
一次産業と都市をつなぐ「ポケットマルシェ」代表の高橋博之さん、
という農業・農村活性化分野で活躍されている3人のみなさんと、
農業農村をテーマとして取材活動するわたくし小谷も加えてもらい、集まったのは、それより前の4月1日のことです。

改めて考えると、4人の共通点は、都市と農村の両方を知っていること、
コロナ禍における「農」を切り口にした共通認識としては、
・農村や農業的な方向へ人々の意識・関心が向きつつある。
・外国人技能実習生に依存する日本の農業だが、外国人が入国停止。
・人手不足の農業を、失職したサービス業の人とマッチングさせることはできないか。
・パニック消費の混乱から今後は、生産的なライフスタイルが見直されるだろう。
・ホームセンターではDIYが流行り始めている
・田舎へ帰りたいけど帰れないストレス
・ただ、いまの移動制限では、直接的な行動の時期ではない。
・とにかく、鬱屈した人々の行き場のないストレスや力を、一度言葉にして集めよう。集めるにはどうしたらよいだろう。というような話から、
#ハッシュタグで発信しよう

#農耕接触  にしようかとも最後まで悩みましたが、
#農サイド  に落ち着きました。


ちょっと長くなりますが、振り返りを記しておきます。

そもそものきっかけは、3月末、コラムを書いてFBにアップしたのが始まりでした。
パニック消費の都市。
一方で、給食や飲食店自粛で、農産物の行き場がなく物余りの産地サイド。
なにかおかしい。。。
そこで国は、国産消費キャンペーンとして子供に人気のタレントさんを起用したという。

なんかちがう。。。
申し訳ないけれど、なにか大事なところを見失っていないか…。
霞が関の優秀な皆さんが課題解決しようとしているのは承知しているけれど、
どう考えても、そんな国産消費キャンペーンでは、
この事態の根本的解決にならない。
もちろん目前の課題に、ともかく手は打たなければならない。
だけど、
一体、
いつまで、
農業・農村は、都市の消費者に、国産食べようキャンペーンを「お願い」し続けなければならないのだろう。


という釈然としない思いが消えなかった。

つまり、言いたいことはこうです。

誰が何といっても、農村(産地)は、食べ物という恵みを供給する側である。
食べ物を分けてくださいと「お願いする」べきは、都市の消費サイドである。
もちろん本当は、どちらが上でも下でもない。
理想の関係はフェアトレードである。

だけど、生産者と消費者を考えたとき、
本当の意味で助けてあげているのはどっちだ。

同時に、こういう状況では、あの昭和20(1945)年までの、
「疎開」時代を思い出さずにいられない。

食べ物と安全を人々に「提供する」のは、いつの時代も農村であった。
そして、戦後の都市の経済成長に、金の卵を提供し続けてきたのも農村。
そうして生まれた農村の子どもである都市が、過密ゆえに非常事態になっている。

過疎過密を生み、過密が過疎に拍車をかけた。


農村が社会を救う 「心の疎開先」重視を 日本農業新聞 20/3/24


このコラムにいち早く反応してくれたのが、ポケマルの高橋博之さんでした。(いま、生産者の行き場のない農産物のフードレスキューで最も忙しい会社。既存の流通に革命を起こそうとしている)
「東北食べる通信」の初代編集長であり、都市と地方をかきまぜる 「食べる通信」の奇跡』の著者であり、「関係人口」という言葉を最初につくった人である。
都市の末端ユーザーと、地方の末端生産者の「両方を知る」人だからこその共感であった。

そのときのやり取りが残っているFB記事https://www.facebook.com/ayumi.kotani.35/posts/2798964250171745

ちょうど、「田舎センバツ」でコロナ感染ゼロの県が生き残りをかけてTwitterなどで盛り上がっていた時期で、
わたしはそれについて、「過密」の対義語は「過疎」であるとして、
都道府県別の食料自給率から考える、安全で住みやすい地域についての考察をコラムに書いた。
岩手と東京を行き来するポケマル@高橋さんと、岩手の強さについて盛り上がりつつ、
そんな事情で、東京にいる自分はいま岩手に帰れなくなっているという話も聞いた。

田舎センバツ上位5県「岩手、山形、富山、鳥取、島根」から、
生き残れる都道府県はどこか。「過密と過疎」について考えました。


というわけで、冒頭に戻るわけだが、
そんな流れの中で、
地域力創造アドバイザーで世界農業遺産等専門家会議元委員の大和田順子さんの呼びかけで、
耕作放棄地を解消をミッションに掲げる「マイファーム」代表の西辻一真さん、
一次産業と都市をつなぐ「ポケットマルシェ」代表の高橋博之さんが集まった。
4月1日、大和田さんのオフィスへ、みんなマスクを付けて、出入り口で体温を測り、手を殺菌して。
その後は、FBのMessengerによるテレワークで、できたのがこれです。

           【農サイド宣言】

3人のみなさんの個別メッセージはこの高橋さんのnote記事に譲るとして、

わたしが今伝えたいメッセージをここへ貼り付けておきたい。

画像1

                    昨日、花と野菜と苗を買った。


私たちの暮らし方はこのままで大丈夫でしょうか。
パニック消費に表れる社会不安はどこから来るのか。
きょう買い物がえりに野菜の苗を買いました。
ベランダに鉢を並べて水をやれば、くたびれていた葉が生き返ります。
私たちは本来、この手で育てることができるのです。
消費サイドから生産する #農サイド  へ。

フリーアナウンサー・ジャーナリスト 小谷あゆみ


もちろん、いまみんな目の前のことに必死で、
農の方へ思いを馳せろといわれても
農村へ移住とか、
子育ては田舎でするとか、
定年で帰農とか、
ベランダで農のある暮らしなんて心の余裕はないかもしれません。

けれど、数%の人は気づき始めているのではないか。
このままでは、コロナが去ってまた一難、
同じことの繰り返しになる。
そして、それだけは避けるべきだと。

だからいま、数%の人たちに呼びかけずにいられませんでした。


あなたの #農サイド
わたしの #農サイド   みなさまの思いと力を集めます。

まずは言葉にすることから。
stayhomeでも私たちにはimagineの翼があります。
考えること、想像の扉は開けておかないと~。フレッシュフレッシュ
フレッ~シュ! 換気!換気!

お読みになった皆さんのふるさとへの思い、農業や農山村への思いを、
お聞かせくださいませんか。
#農サイド  とつけてくださいね。

あ、ここまで書いて終わろうとしたらいま見たニュース。

農産物直売所の存在感が増している。 
消費者は「食べ物はあって当たり前じゃないんだ」。
「国難のとき、医者と農家のありがたさがわかった」。
また農家は「農産物持って行ける」
直売所は、農家にも消費者にも重要な存在。
そうですよね。農家は食べ物を、命から命をつくってるんですよね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?