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焼肉愛好家がヴィーガンレストランはじめました。

ヴィーガンレストランを開業する。
明日は記念すべきオープンの日。
初めての来客。

飲食店を経営するよりも競馬とパチンコのほうが勝率が良い。
そんな統計がでた昨今。この博打は吉とでるか凶とでるか。

ここではヴィーガンではない著者:DKが独断と偏見を交えながらもこの市場を可能な限り客観的に論ずる。開業に至った経緯と経過を収益ベースで公開していく。

ーー

開業を決意したのは3か月前。
2023年4月
10年来のアメリカの友人が東京に遊びにきた。
居酒屋に行きたいというので探していたら1つの条件を出された。

「ヴィーガン」

これがとてつもなく大変だった。

食べ物があればいいわけではない。
彼女が行きたいのは居酒屋。つまり楽しい雰囲気で、みんなでシェアしながらワイワイできるところがいいのだ。

そんなところない。

なぜか。


ヴィーガン居酒屋がない理由

間違いなくヴィーガンは増えている。

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2000年代に入り増加し、2020年4月緊急事態宣言下と比較しても約2倍のアテンションが世界的にある。

だが、日本には浸透しずらい。これは文化によるもの。

1,日本には元来出汁をとる文化がある。これはカツオをはじめとした魚を使う。

2,終戦後、アメリカの管理下に置かれた日本では牛を食べることが国としての方針となった。アメリカが自国経済発展にあたり、大陸でとれた牛肉と小麦の輸出先とするため。ハンバーガーは瞬く間に浸透した。

3,日本には宗教に身を委ねる文化がない。仏閣や礼拝などはあるが、アメリカの影響でクリスマスも共存するように、1つに傾倒しない。肉や豚に気を使う宗教などの影響を受けつけない。

これらを理由に、ヴィーガンが食べない肉・魚・卵・牛乳といった動物は日本人の生活の一部となっており、ヴィーガン市場は一大産業化にはいたっていない。

したがって、消費者と生産者の間に深い溝(キャズム)が存在している。
キャズムとは市場でのモノの流行具合をはかる際に用いられる一つの理論。

東大IPC

キャズムを超えるまでは市場の16%程度にしか浸透していない。(↑画像の左側の計)
つまり、大企業はヴィーガンを相手にいない。チェーン店など作られない。儲からないからだ。店は利益を上げ続けない限り、現代の資本主義下では潰れる。

日々健康が叫ばれる世の中だが、有名チェーン店といえばマクドナルドであり、健康系の店舗が世界的に成功している例は未だかつてない。

この状況下で起こり得ることは当事者による開拓。
ヴィーガンのヴィーガンによるヴィーガンのためのレストラン。

ここで一つ問題が生じる。

「ヴィーガンは健康思考だ」これを一つの仮説として話を進める。

健康とおいしさは基本的にトレードオフ、あい反する。

糖質を油で揚げるとあたたかさと共に、舌はおいしいと感じる。
フライドポテトが想像に容易い。

衣でつつまれたチキンでもいいだろう。

宣伝会議デジタルマガジン

しかし、これらに使用されるものをヴィーガンは食べない。
チキン、肉を皮切りに衣もNG。卵や牛乳が含まれている。
油も牛脂が入っている場合は受けいれられない。

これら選考活動を、居酒屋探しの幹事として行っていくとなにが起こるか?

サラダを食べるしかないのだ。

「ヴィーガンだから当たり前だろ」とも思うだろうが、こちらは数十人みなで楽しめる居酒屋をなんとしても探している。

青山、恵比寿あたりにはヴィーガンフレンドリーなレストランが散見される。しかし、ほとんどが一品ものであり、どの店舗も品格ある佇まい。

そう。ヴィーガンを外食産業として昇華すると、健康であり、高級感がともなう。店を出す側がこのような思考に収束していく。

「自らが食べる良いものをすべての人へ」

これでは気軽に一般人が利用できるものではなくなってしまう。

幹事は無理難題だと気づいた。。。

著者は諦め、結局友人の個人店で特別対応をしてもらえることになった。

だが、この幹事活動で得たものがあった。

ヴィーガンレストラン開業

ある一つの学び。
それは需要。

来日したヴィーガンの友人との集まりの日。
婚約祝いでケーキを買うことになった。
自宅から近かったこともあり、著者はヴィーガンのホールケーキ苺ショート風を引き取りに行くことになった。

そこはすこし町外れの小さいお店。

だが、店内にはぎゅうぎゅうに敷き詰められた席に満員のお客さん。

目を疑った。

この瞬間、開業を決意した。

健康よりもおいしさに重点をおいたヴィーガンフレンドリーな店を作ろう。

「おいしさが正義」

これは市場が証明している。

現代を生きる上で大事なことは需要と供給のバランスを気にすること。
芸能界で活躍しようとする。
客室乗務員になろうとする。
これらは需給が崩れているため、薄給になる。

それよりも供給が不足しているものを作り出せば引く手数多となりうる。
これが今までの仮説。

来日した友人とのその日の食事中にはひたすらヒアリングを行い、ヴィーガンが抱える課題をリストアップした。

課題が解決できるようなコンセプトになるような、インスタアカウントを制作。開店前に100名のフォロワーを集めることができた。

3ヶ月の準備期間。
いよいよ明日が初の来客となる。
まずは1組。

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