見出し画像

ご褒美メロンクリームソーダ

あと角を一つ曲がればお家という直線にその自販機はある。
自販機にしてはお手頃価格に設定されているので,自販機のジュースが欲しくなったらここで買うと決めている。
でもそれはいつもではなく,どうしてものときとか,ご褒美のときとか,何か理由があるときだけなのだ。

先週から週末にかけての私はよく頑張った。
これは十分ご褒美に値するだろう。
今朝も,あまり調子がよくなくて泣きそうになるのを堪えながら出勤した。
涙腺がばかになっている。これはどこかでリセットしないとダメだ。

そんなときに,メロンクリームソーダの文字が見えた。

あぁこれだ。
直感でそう思った。

幼い頃,メロンクリームソーダが大好きだった。
今も大好きだけど,当時の私にとっても大好きな飲み物で,時々しか買ってもらえない特別な飲み物でもあった。

小銭を入れてボタンを押すと,ガコンと音をたてて缶が出てくる。
この仕組みを考えた人は天才だ。
時代がどんどんデジタル化されても,未だに第一線で活躍しているところをみても,すごいなと思う。

大事に家まで持ち帰ると,ころんと丸いフォルムのグラスにゆっくり注いだ。そうそう,缶のクリームソーダはこの色だ。
ミルキーな優しいうす緑にうっとりしてしまう。

見た目のままの優しい甘さ。
炭酸弱めのしゅわっと感もたまらない。

これは私から私へのご褒美。
たった120円で幸せが買えるんだったら安いものだ。

おかげでやさぐれた心が洗い流されたかのように静まっていくのを感じた。


そのお気持ちだけで十分です…と言いたいところですが、ありがたく受け取らせていただいた暁にはnoteの記事に反映させられるような使い方をしたいと思います。