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備考欄にあるやさしさ

ここ半年ほど,有志でやっている勉強会や研究会で裏方業務を任されることが増えた。不注意でケアレスミスだらけの私に任せていいものかどうか,と思いつつもスキルアップにもなるので,試行錯誤しながらやっている。

裏方業務の中でも,日程調整はなかなか骨が折れる。
特にオンラインで参加できる環境になったことで,対面では会えない距離にいる人も出てきた。そうなると,会話だったら数分で済む調整作業にとてつもない時間を費やすことになる。

その煩わしさを少しでも軽減するために,アンケート機能を使って日程調整をすることにしてみた。この機能を使うとメールでは遠慮がちだった人も,さらりと回答できるのですんなり決まりやすい。

オフィスワークが中心の仕事をしていれば当たり前のことなのかもしれないが,私を含めこの業界の人は普段こういう事務作業をすることがほとんどない。とってもアナログな集団なので,この方法を見つけたときはなんて便利なんだ!と大喜びした。

元からあるテンプレートに文言を当てはめるだけでできるアンケートなら,ものの数分でできる。簡単すぎて拍子抜けしてしまうほどだ。それを参加者に送って,あとは回答を待つだけ。
本当に便利だなぁとしみじみしてしまう。

そして密かな楽しみは出揃った回答を見ながら,日程を組むことだ。
パズルのように組み合わせてみて,綺麗に決まった瞬間はとても気持ちいい。そういえば,昔からこういう作業は好きだった。

アンケートの最後には不具合や要望をかけるように備考欄を設けている。
私自身,こういうアンケートの備考欄に何か書くことは滅多になかったのであってもなくてもいいものとして捉えていたが,集計する側になって驚いたことがある。

気心知れたメンバーだからなのかもしれないが,備考欄に
「とりまとめありがとう」とか
「準備お疲れさま。何か手伝えることがあったら言ってね」
などと優しい労いの言葉が並んでいたのだ。

事務作業とはいえ,全然労力をかけていないのにこんなに労ってもらえるのかと,驚きとともに本当に嬉しい気持ちになった。
と同時に,私は今まで裏方で動いてくれている人に対してこんな風に言葉で伝えていたかなと,自分の中の傲慢さにどきりとした。

顔が見えないからこそ,やってもらって当たり前と思わずにそっと一言添えられるような心配りと余裕を持ちたいなと思う。
私が嬉しくなったように,誰かの労力も報われることを祈って。



そのお気持ちだけで十分です…と言いたいところですが、ありがたく受け取らせていただいた暁にはnoteの記事に反映させられるような使い方をしたいと思います。