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wawabubu
2021年9月7日 16:26
夜の七時でもまだ外は薄暮で明るかった。湯屋の表(おもて)で恋人と待ち合わせるおれが、まさに歌の文句の通りだったのには、苦笑を隠せないでいた。おれのほうが待たされて、その上、季節が夏だということだけが違ったけれど…「ごめんなさぁい。遅くなっちゃった」「夏やし、かまへんけど、また汗かいたよ」二人は、上気した顔で銭湯を後にした。「ビール、買ってく?」おれは、大人の真似をして尚子に訊いた
2021年9月7日 16:13
おれは横山尚子と京阪京橋駅のコンコースで待ち合わせた。ここは国鉄環状線の京橋駅に接続する場所で人通りが盛んである。京阪電車が高架で、エスカレーターで地上に降りる。降りたところが京阪の改札と切符売り場で、この京阪の駅ビルを出ると、向かいが国鉄の京橋駅だった。尚子の姿は…柱の陰などを見回すが見当たらない。まだ来ていないのだろう。約束の時間は十時半だった。今が、ちょうど十時半だった。おれ