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学校だよりからの学ぶ多様性のあり方

コンディショニングトレーナーとして子供たちの運動指導をしていると、時代の変化とともに、子供も保護者も考え方や取り組み方が変わっていることを感じます。
生活・育児・地域との関わり・教育に至る様々な環境が変われば、子も保護者も価値観は変わります。
同時に、その時代のトレンドに引っ張られる傾向もありますね。

子育てがトレンドになる時代

アスリートの幼少期の子育て方法が注目されたり、有能なアスリートが幼少期に逆立ちしていたと聞けばすぐに体操教室に入会させたり。
人気棋士が幼少期に『○○教育を受けていた』と報道されると、その手の本やウェブサイトが増える。
メディアも取り上げるので、育児や教育にブームが起こる
それ自体はいいのですが、ブームに翻弄される子供は幸せなのか

トレンドに翻弄された子供の話

私の関わる競技にフィギュアスケートがあります。
トリノ五輪を境にスケートブームが到来しました。
スケート教室入会は増え、未来のオリンピックメダリストを目指す親子は相当多かったと思います。

これは私が指導する生徒の保護者との会話です。

『(保護者に)ここ数日、○○ちゃんが練習中に元気ないんですよね』

と伝えると、

『家では元気ですよ、それは先生の感覚でしょ?』

と、それなりの剣幕で返答された経験があります。
多感な時期を過ごす子供たちにとって、些細な変化はすぐにわかります。
私の指導では、
『挨拶・返事・感謝ははっきり大きく相手に伝える』
は、当たり前にしています。
みんな練習前後は大きな声で挨拶し、常に笑顔で積極的に練習するので、ちょっとした変化はわかります。
挨拶の声が小さくなり、動きにキレがなく、どこか散漫な感じ。
『何かあるな』
との思いから、保護者に状況を報告するとともに相談をしたのです。

聞けば、進路のことで悩んでいました。
この子もスケートブームがきっかけで競技を始めました。
保護者からは、進学に集中するために競技を辞めたらどうかと言われていたのです。
それに反発する子供。
保護者も子供の態度に困っていたのです。
保護者はそんなに長く競技を頑張ると思っていなかったのでしょうか。
好きな競技を取り上げられるほどつらいものはありませんね。
そりゃ、反発したくなる気持ちも分かります。

勉強しないなら競技を辞めなさい

競技をどうしても続けたいけど、保護者の口うるささにうんざり。。。
権利を主張するもすべきことをやらない子供と、すべきことができないなら主張する権利に効力はないと権利はく奪をもくろむ保護者。
文武両道を掲げるお家によくある話です。
普段は優しい保護者なので、私に攻撃的になるには事情があると察することができました。
勉強しないことと保護者への態度は、競技とは関係がないのにね笑
子供も自己主張が過ぎて、勝手を主張し続けていることも原因だったので、この子が私にも叱られたことは言うまでもありません。
皆が冷静に話を進めれば解決するわけですが、互いの主張を力技で押し切ろうとしても無理が生じます。

学校だよりは親の学び場

先日、
子供が学校から持ち帰った【学校だより】に価値観と多様性についての校長先生のコラムがありました。
内容に納得すると同時に、大きな学びができました。
私が経験したことと同じような話が書かれていました。

私は、
価値観の多様化によって【相手の考えを理解する力】は必要だと考えています。多様化の解釈は【何でもあり】ではありません。
互いを認め理解し合う力がないと、何でもありになってしまいます。
互いを理解し合うには時間も労力も必要です。
昨今、それを手抜きする人が多いように思います。
昔は、先生の言うことが絶対だったし、有無も言わさず先生の言うことに従いましたね。私もその世代です。
今は違います。
生徒の思いや考えを尊重しながら指導します。
これは、生徒の言うなり、生徒のご機嫌を取ってということではなく、共生相手として関りを築くわけです。
だから生徒にも指導者の考えや方針を理解してもらう努力をしないといけないし、生徒の目線で世の中を眺めなかればなりません。
保護者も指導者も楽をしてはいけないと思うのです。

私は学校だよりから多くを学びます。
これを見ない保護者もおられると思いますが、忙しい教職員が保護者に向けて一所懸命に何かを伝えようと発行する読み物です。
思いが伝わる内容も多く、発見や学びにつながる話もたくさんあります。

今日は、多様性のあり方を考えたお話でした。
ご清聴ありがとうございました。

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