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「虎に翼」の感想

※メタバレを含みますので、
まだ観ていない方は
ここで閉じることをオススメします。


NHK連続テレビ小説番組「虎に翼」
ずっと気になっていて
やっと観ることが出来ました。

「虎に翼」は、
中国の法家・韓非子の言葉で
「鬼に金棒」と同じく
「強い上にもさらに強さが加わる」
の意味であり、
日本書紀の中でも
引用されていることわざ。

Wikipedia

ちなみに「虎に翼」のモデルは、
日本初の女性弁護士「三淵嘉子」です。


ドラマの時代では
女性はお見合いし結婚して
「良き妻、良き母」でいることが
普通とされている時代に
寅子(主人公)は結婚を
良いものだと思えないでいた。
この時代の婚姻制度に
疑問を持ったからである。
男性を常にたてる母の姿にも
「はて?」というおかしさを感じていた。

寅子は疑問やおかしいと
思ったことに対して
「はて?」と言っている。
私たちの日常でも怒りまでは
いかなくとも「はて?」と
思う瞬間はあるのではないのだろうか。

寅子の進学先の法学部女子部では
共に弁護士を目指す仲間ができる。
仲間には、
言語の壁があるもの、
生理が重い者、毒親問題、
モラハラ夫で窮屈な生活をしている者
恵まれているように見えていても
傍からは見えないような
問題をそれぞれ抱えていた。
辛くない人間はいない。


このドラマのいいところは
男性側の不調も
描かれていることだと思う。
緊張するとどうしても
お腹を壊してしまう体質だったり、
女性に自分のポジションを
奪われるようで恐れてしまったり。
下手に見栄を張ってしまったり。
女性の不調だけでなく
男性側の不調や葛藤や
生きづらさも感じ取れる作品。


そして何より
刺さる言葉が多すぎる。

「俺が男の美徳と思っていた
強さ優しさを、
あの人たちは持っている。
俺が男らしさだと思っていたものは、そもそも男とは
無縁のものだったのかもしれんな。」

強さは必ずしも力だけではない。
心の強さを持っている
そして、優しさも持っていると
轟は言いたいのではないでしょうか。
骨格上、女性は男性には敵わない。
でも、志しが強い女性もいる。
それを認めて尊敬してると。
轟に心奪われた瞬間でした。


「志半ばで諦めた友、
そもそも学ぶことが出来なかった、
その選択肢があることすら
知らなかったご婦人方がいることを、私は知っているのですから。
でも今、合格してから
ずっとモヤモヤとしていたものの
答えがわかりました。
私達、すごく怒っているんです。
法改正がなされても、
結局女は不利のまま。
女は弁護士にはなれても、
裁判官や検事にはなれない。
男性と同じ試験を
受けているのにですよ。
女ってだけで、
出来ないことばっかり。
まあ、そもそもがおかしいんですよ。元々の法律が、
私たちを虐げているのですから。
生い立ちや信念や格好で
切り捨てられたりしない、
男か女かでふるいにかけられない
社会になることを、
私は心から願います。
いや、みんなでしませんか?
しましょうよ。
私はそんな社会で、
何かの一番になりたい。
そのために良き弁護士に
なるよう尽力します。
困っている方を救い続けます。
男女関係なく。」

猪爪寅子

寅子の両親は寅子の目標を理解し、
最大限応援しています。
当時はなかなか難しい決断です。
そう、寅子は私は恵まれている。
と分かっている。
その上で、この言葉を述べています。
男女差別が多かった。
今でも多いけれど
この時代は特に酷かった。
声を上げたくても上げられない人
経済的な理由で勉学に取り組めない人。
圧倒的な男性社会で、
女性を法律が縛り付けている。
寅子は怒っていました。
男女平等それは男女という
性別の区切りを超えて、
個人として見てほしいという思いが
入っているのかなと感じました。


「結婚しなければ半人前。
結婚すれば、弁護士の仕事も
家のことも満点を求められる。
絶対満点なんてとれないのに。」

久保田

今でもこの風潮はありますよね。
結婚し、子育てして一人前だと。
でも実際子育て、家事をしてるのは
女性のほうが圧倒的に割合が多い。
そして、仕事もこなす。
そんな中で満点を取れるわけがない。
どこかが疎かになってしまう。
今は分担したりそれぞれの家庭で
調節している部分があるかもしれません。
でもこの時代は、
女性は家事、育児に完璧を求め
男性は外で働いてお金を稼ぐ。
家の中のことは妻まかせ。
女性が働ける環境ではないのです。
結婚してなきゃ半人前、
結婚すれば重労働が待っている。
働きたい女性からしたら
地獄だったのではないでしょうか。


「こうなることがわかっていて、
私を女子部に誘ったのですか?
私たちに世の中を変える力が
あると信じてくださったのでは
ないのですか?」

猪爪

これは教授が妊娠した寅子に
良き妻、良き母になるために
休みを取りなさいと言ったシーンです。
これ私すごくわかります。
見切り発車でそ
私たちを火をつけたのですか?
私たちの活躍を
願ってくれていたのではないのですか?
最初からこのつもりだったのですか?
教授に対して裏切られた
気持ちに寅子はなったでしょう。


「嫌なことがあったら、
またこうして二人で隠れて、
ちょっと何か美味しいものを
食べましょう。
寅ちゃんも、
ずっと正しい人のまんまだと
疲れちゃうから。
せめて僕の前では、
肩の荷を降ろしてさ。

優三

寅子の旦那、優三の言葉です。
彼は彼女のやりたいことを
一番に考えてくれている。
そして、無理している姿を
すぐに気づいて頼ってと言ってくれる。
こんな素敵なパートナーに
なかなか出会いないですよね。


今まで見たシーンの
刺さった言葉をまとめました。
ここ最近のドラマでは
一番心に響きました。
このように逆境の中、
闘ってくださった女性方
そうでなくても少しでも
おかしいと感じ声を上げてくれ方。
今、私たちは少なくとも
皆さんのおかげで
ある程度の権利を獲得できました。
これからまだまだ先は長いです。
最初の壁を壊してくれたことに
私は尊敬と感謝をします。

それでは、本日はこの辺で。


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