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主に文語体で歌詠んでいます。 現代歌壇に嫌われそうな、雅語、枕詞、掛詞、必要とあれば臆…

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主に文語体で歌詠んでいます。 現代歌壇に嫌われそうな、雅語、枕詞、掛詞、必要とあれば臆せず使います。 現代詩にも興味あり、。

最近の記事

『アボカドの種』雑感 九首

それぞれの金色詠めば懐古趣味     あなたは晶子私は八一 時を経て甘さのわけも変はりけり     水蜜桃と福島の桃 言の葉はつむがれ続け天に舞ふ     弟上娘子の想ふ火の穂も 君もまた同じ病か    点滴の針の感触それぞれに詠む 同年代二人に一人の確率の     独りになりて有名無名 シャルドネも熟成せねば旨からず     グラス回せば涙が語る アボカドの果肉のごとき文節よ    嗚呼もどかしきわが文語体 アボカドの種の形にまろまりぬ    寒き夜半読む歌集

    • 【閉塞成冬 大雪 初候 一】

      薮百舌鳥の 哭のみし泣かゆ 朝夕に いたもすなべなみ 我の声かも なんとなくの雑感。 意味が通らなければ、それでも良いような軽薄な歌です。 本歌 『君に恋ひいたもすなべなみ葦鶴の哭のみし泣かゆ朝夕にして』万葉集巻三456  余明軍 (挽歌) #短歌

      • 【街とその不確かな壁】

        • 【橘始黄 小雪 末候 一】

          「五百年を 戦ひ滅ばぬ 星なく・・」 と 説きて燃ゆらむ ペテルギウスよ 「いほとせ を たたかひ ほろばぬ ほし なく」 と ときて もゆ らむ ペテルギウス よ 冬晴れの夜  オリオン座を見上げながら、。 ペテルギウスの光が地球まで届くのに五百年だったか? また、仏教では五百年が盛衰の周期としているそうです。 #短歌 #短歌フォト #オリオン座 #ベテルギウス

        『アボカドの種』雑感 九首

          【朔風払葉 小雪 次候 二】

          ルリッルリッと 鉛の空に 色添へて 小鳥ちりばむ 枯れ葺く野辺も 冬枯れに遊ぶカワヒラという小鳥を、。 鳴き声は人により表現が違うと思いますが、。 結句の「も」は詠嘆を表す終助詞です。 #短歌 #短歌フォト

          【朔風払葉 小雪 次候 二】

          【朔風払葉 小雪 次候 二】

          枯るる山 透かし彩る 虹越しに 今だ見ゆかも 昔の夢を 冬枯れの山肌に架かる虹 #短歌 #短歌フォト

          【朔風払葉 小雪 次候 二】

          【虹蔵不見 小雪 初候 三】

          切れ細む いなりの眼 かき積みし 落ち葉に射す陽 まぼる静けさ きれ ほそむ いなり の まなこ かき つみし をちば に さす ひ まぼる しづけさ お稲荷様の祠の前にかき集められた落ち葉を。

          【虹蔵不見 小雪 初候 三】

          【虹蔵不見 小雪 初候 二】

          燃ゆといふ 言の葉軽く 浮かべては 公孫樹見上ぐる 平和の有りて もゆ と いふ こと の は かろく うかべ て は ゐてふ み あぐる へいわ の あり て イチョウの黄葉を見上げて、。 #短歌 #短歌フォト

          【虹蔵不見 小雪 初候 二】

          【虹蔵不見 小雪 初候 一】

          宮太鼓 響みて揺るる 槻黄葉 新嘗向かへ ふる陽も淡く みやだいこ とよみで ゆるる つきもみぢ にひなめ むかへ ふる ひ も あはく 新嘗祭、七五三のお参りの参拝者 ちらほらのお社にて。

          【虹蔵不見 小雪 初候 一】

          【金盞香 立冬 末候 二

          蒼穹に くしゃみのひとつ 白くふく 雲と昇らづ 霜と降らづの 冬晴れの朝のくしゃみ、。 瞬く間に消ゆ我が白き息 #短歌 #短歌フォト

          【金盞香 立冬 末候 二

          【金盞香 立冬 末候 一】

          【金盞香 立冬 末候 一】 しだり尾を なぞる刹那の 雨音に 凍ゆ肩かも ながながし夜 しだりを を なぞる せつな の あまをと に こごゆ かた かも ながなが し よる 今さらながらと思いつつ 開いた百人一首。 第三番 人麻呂の歌に目をやった途端 窓を叩く風雨、。

          【金盞香 立冬 末候 一】