見出し画像

№10 経営コンサルタントの実態-調査編

2024年8月。
お盆休みも終わり、次は台風。
officeに到着するだけでも至難の業…。
コロナ禍で培ったリモートワークを最大限活用…と言いたいが、出社しないと仕事が出来ない部門もあるし…大変。
でも最近購入したKindleで小説を読みながらの通勤時間は、集中できて快適…。

では、前回(№9コンサルタントへ昇格)の続き。
コンサル契約後、社長・役員面談を実施して、会社の状況をそれぞれの立場からヒアリングをした後のステップです。
書き忘れましたが、インタビューは1対1で実施しています。
これはには大きな理由がありますが、次の機会に…


③診断資料の回収

これは、実地調査に入る前に仮説を立てるのに必要な事。
資料による事前調査は、1か月(30営業日)はかからないけど、企業規模によってはそのくらいかけて調査することもあります。

①会社案内(HPでもOK)
②登記簿
③ビジネスモデル俯瞰図(まずは手書きでもらいます)
④決算書&申告書(3~5年分)
⑤月次試算表(3年分)
⑥セグメント別財務資料(部門別や得意先・仕入先実績とか)
⑦会議資料
⑧従業員の給与一覧
⑨評価制度
⑩返済明細
その他、社内作成資料

こんな感じでしょうか…
ファイルにすると分厚いのが2~3冊になります。

④分析と仮説の立案

上記③の資料を基に、財務資料をひたすら入力。
今はデータでもらえるから、正確に言うとひたすら加工作業。
PDFに読み込んで、文字変換してみたけど、数値の正誤チェックをする時間があるなら入力した方が仕事が早い…

(1)分析

決算書を入力して、業界平均と比較
いつから赤字なのか?黒字なら利率の推移はどうなってるのか?
ヒアリングした際の会社のtopicsと財務数値みて、会社の動きを把握します。

数値分析のポイントは以下の2つ
①標準値分析:業界経営指標と対象企業の乖離をみます。
②推移分析:過去実績から会社の良し悪しを確認します。

参考書籍にあるような利益率分析や効率性分析などの、基本的な分析もしますが、中小企業の場合、株主が経営者一族の場合が多いので、ROAやROIなんて出した所で、フォローアップの際は何の役にも立たない…場合が殆ど。分析資料の体裁を整えるために算出はしますが、僕の中での優先順位は限りなく低い。
社内検討資料としては役に立つかもしれませんが。

この段階で、重要なのは、後にステークホルダーである金融機関にディスクローズできるだけの資料も並行して作成してしまうという事。
運転資金に対する長短のバランスをみて、金融交渉の必要性を確認するとか、中長期経営計画の対外的な資料も充当できるような分析を合わせてやってしまうという事です。

ここまでのデスクワークを時系列にまとめてみると

・不良債権を把握
・決算書(PL・BS)の入力
→CF計算書が出来る
→各種分析数値が算出できる
・金融機関の返済明細書を入力
・固定資産台帳の入力、今後の投資計画を入力
→債務償還年数が算定できる

ここまでで、回収した資料を入力すると、金融機関に提出できるレベルの経営財務計画は7割は完成します。

作り方の詳細は、専門的且つ、このdocumentで片手間で紹介できないため割愛しますが、あとは過去実績なりに将来の実現妥当性の高い計画値を入力していけば金融機関に提出するようの資料が出来ます。
社内で作成された経営目標数値の妥当性も何となくわかりますね。

会社全体的な財務の把握は、これで充分。
あとは、全社数値を構成する部門別の数値把握が意外と面倒。
部門別を合計しても全社数値になっていなかったり…
これらを解消して、どの部門、販売商品が同のような利率なのか。
セグメント分析を実施して、財務把握の終了となります。

なんかテクニカルな業務の紹介になってしまいましたが、経営コンサルを目指す人には必要な情報かもしれませんね。
全体像を把握して、今、アシスタントとして振られている仕事が、何を求める作業なのかという同期付けになれば幸いです。

では次に仮説の立案ですが
長くなったので、今日はここまで…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?