山口びたり子

山口びたり子

最近の記事

勝気な花嫁が老いた夏

久しぶりにNOTEに書いてみる。 1年ぶりになるだろうか。 今朝方のこと、奇妙な夢を見た。 自宅は高台にある。 夢の中、自宅の前に立ち、その下を見ると、道路に大きく水溜りが広がっているのが見えた。 雨上がりの泥で濁った水溜りは、横に大きく広がって道路を塞いでいた。 その水溜りの向こうから、全身を真っ白い衣装に包んだ人がこちらに向かってくるではないか。 不思議な事に、遠くに見えるその人物の服装が、白無垢に綿帽子の花嫁さんだと直ぐに分かり、夢の中の自分は、そんなところに花嫁

    • 前世療法

      公に語ろうかどうしようか、かなり迷ったけれども語ってしまおうっと。 私の初めてのヒプノセラピー体験について。大した話ではない(笑) ヒプノセラピーとは、催眠によって自分の内面や意識と向き合い、今をより良くしようという、ある種の治療法(かな?)。 私が希望したのは、前世を観る事(思いは真剣、興味深々) 退行催眠を受けてみて、まず私が感じた事は、前世の有る無しに関わらず、「催眠術」に関しては起こりうるという事。 それを受ける以前、テレビでよく見かけた芸能人などの前世療法の様子に

      • 口裂け女

        ある方と、ひょんな切っ掛けから昔懐かしい「口裂け女」の話題をするに至った。 「私は口裂け女」と、その方が冗談めかして可愛らしくなり切って下さった瞬間に、奇妙な昔話を思い出した。 あれは確か中学2年の春頃だった。どこからともなく沸き上がった「口裂け女」の噂は、瞬く間に学校中に広がり、子供達を震え上がらせた。 目から下半分を隠した女性と突然バッタリと出くわす時もあれば、背後から不意に声を掛けられる事もあるそうで、いずれにしても、女は必ず「私、綺麗?」と尋ねるのだというではないか。

        • 不気味な気配

          末の息子が幼かった頃、呪怨という映画が流行った。 ホラー好きの私や既に大きかった上の子供達は、「作り物」と認識した上で、面白がってそれらを観ていたが、3歳の末息子に大人と同じ感覚を持てと強いるのはどうやら無理だったようだ。 年の離れた姉らと一緒に映画を観た、いや、観せられてしまった哀れな息子は、それ以来「かや子」が来ると言って、少しも独りになる事が出来なくなった。 どこが怖いのかと尋ねると、息子は不安げに小さな指で押し入れを示す。 押し入れの中にお化けが居たシーンがあったのか

        勝気な花嫁が老いた夏

          遺産相続

          人生において、他人の遺産が転がり込む事など、漫画かコメディー映画でしかありえないと思っていた。 いや、正確に言えばそんな事は考えた事も無かったのだが・・・ 家庭の事情により(noteの初投稿の記事にも書きましたが)、15歳で否が応にも働かざるを得ない状況に追い込まれ、お世話になった縫製店。 そこは今思うと建物の造りが非常に複雑だった。 一見したところ2階建ての大きな一軒家といった外観で、主要な玄関が4つあり、一つは我が縫製店。 その隣には小さなドアがあり、開けると直ぐに2階

          霊能者

          「お母さん!物凄い霊能者に会って来たの!」 当時ハタチそこそこだった長女が興奮気味に教えてくれた。 「霊能者?何それ?気味が悪い。やめなさいよ、変な人に関わるのは」 オカルトめいた物事が嫌いではなかった私、子供達ともよく『幽霊』や『妖怪』について面白おかしく話していた。 しかし、それはあくまでもおふざけ。心霊スポットに行くとか、自称霊能者に関わるなど以ての外だと思っていた。 娘は私の顔色が変わった事に気づきもしないらしく、まだ興奮冷めやらぬ様子で続けた。 「加藤さんのおばさん

          プールのおじさん

          この話は今から三十年近く前になるだろうか。 長女が通う事になった小学校には屋外プールがあった。 屋根も無い古い造りの狭いプールではあったが、北海道の短い夏の期間に使われるには充分な設備であった。 学校は放課後を過ぎると、そのプールを地域の幼い子供達にも開放し、保護者が付き添う事を条件に自由に使っても良いという、田舎ならではの気前の良さを見せていた。 お言葉に甘え、我が家の未就学の息子も暑い夏の間中プールを使わせて頂いていた。 そこには子供達から「プールのおじさん」と呼ばれる年

          プールのおじさん

          悪魔の仕業

          うちの夫はアメリカ人。 元牧師でバリバリのクリスチャン。 そんな夫が時々口にするのが(滅多にはしませんが)、 「悪魔」という言葉。 例えば誰かが突発的に自殺をしてしまったり、突然怒り狂って収まらない時などに 「It was Demonic」 「A Demon caused it」(大抵そうなった後で言うので過去形で表しましたが) ”悪魔の仕業”なんてことを言う。 これは、元々日本で生まれ育ち、クリスチャンでは無かった私には耳慣れない言葉で深く理解が出来ない。 内心「悪魔ってw

          悪魔の仕業

          蟻んこの魔法

          小学6年生の時だったと思う。 同じクラスの西本君、木戸君、美紀子、私、悪ガキ4人組が放課後の教室で顔を突き合わせ、次なる計画を立てていた。 「何して遊ぶ?」 「この前テレビでどこかの原住民が蟻んこ食べてるの見たんだ」 「うわっ」 「ほんと?」 こんな会話だったと記憶しているが、「蟻」の話題を持ち出したのは果たして誰であったか定かではない。 気が付くと全員が普段は人気のない神社の境内に集合していた。 足元にはうじゃうじゃと巨大な蟻が蠢いている。そして各々の手にはビニール袋。 皆

          蟻んこの魔法

          昔話

          少女の頃酷い貧乏だった… 何故貧乏だったかを話すには、まだ心の準備が出来ていないので割愛(笑) 貧乏だった事は別に気にしてはいないが、貧乏になった原因が酷い(´-∀-`;) トラウマが深すぎて50歳を過ぎた今もなお当時を振り返ると心が沈む💦 その貧乏暮らしが原因で通っていた高校を1年で退学し、退学した翌日には働きに出ていた。 勤めた先は田舎町の小さな仕立て屋。 私はそこで裁縫を習っていたが、その厳しいこと厳しいこと…まるで「おしん」(;´д`)トホホ その「おしん」時代のお話