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アメリカ中西部 KfT#13 UFO来たかも、フォーコーナーズ


ダニーの家のコロラド州へ向けて、日が傾きかけたモニュメントバレーを後にする。


誰かが手を入れて作ったようなモニュメントの岩山、砂山のようなものが時々見えてくる。
もしかしてこれも自然にできた形なんだろうか?


Four Corners

「もうすぐFour Corners だよ」
同時に4つの州にまたがって立つことができる「フォーコーナーズ」
アリゾナ州、ユタ州、ニューメキシコ州、コロラド州の境界線が直線十字になっている。
アメリカ大陸でそんな州境の場所はここしかない。その4つの州境、十字のフォーコーナーズまでもうすぐ。

「間に合うかなあ。17時で閉まっちゃうからね」


こんなところはもちろん残業はなしだから、17時ぴったりに閉まる。
ところが着いた時には17時10分、門はすでに閉まっていた。タッチの差で間に合わなかった。

そして気づけば、道路には他の車もだーれもいなかった。観光客もいなかった。
そういえば、モニュメントバレーの観光客たちはどこへ行ったのだろう?
別のルートを帰ったのかもしれないが、ともかく、荒野にぽつんと私たちの車だけが止まっている。

フォーコーナーズと知らなければ、ただの何もない荒野だ。
州境ったって、後から人が地図に定規でつけた領地の区分け線だものね。
フォーコーナーズの管理人がいるのかさえ、よく分からないほどの荒野だった。
門の脇の草地をがさがさ入っていけば、フォーコーナーズまで行けないこともなかったかもしれない、ほどのちゃちな門だった。

珍しい州境だけど、コロラド州に住んでいても、わざわざ来るところでもないので、この機会を逃してダニーは残念そうだった。

まあ仕方ない、帰るか。
黄金色の夕日の中を、そのまま東へ再び走りだした。


ここは南西側アリゾナ州、ちょろっと東へ2kmほどニューメキシコ州を横断して、北東側コロラド州へ入って、ダニーの家へ向かう

宇宙人が降り立ったかも


右側を見ると、道が草原と山の向こうへずーっと伸びている。誰かが住んでいるんだろうか。
家らしきものも車も見かけないけど、この道を辿って誰か歩いていくんだろうか。
どうなっているのだろう?そういう不思議感覚がこの景色の中にいると、とにかく満載だ。
日本の生活、東京の生活の感覚をもってここにいても、それっていったいなんだっけ、と、ちぐはぐな感覚になってばかりいる。
自分がもっている、もしくは理解している(と思っている)その範疇はきっと、なんて狭いんだろう。
もうただ地球にいる、感じがする。大地にいる。地球に立っている。

こんなところなら、宇宙船がふと降り立って、私たちが気付かないうちに宇宙人がしばらく暮らしていたって、なんの不思議も感じない。余裕であり得そうな気がする。






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