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30. あって欲しい上司の姿

 クライエントに、とある会社の幹部の方がいます。
2020年から最近まで日本支社に勤務していましたが、現在は海外にお住まいです。
20年当時、日本語はほぼ話せない状態で来日して、私とはそのときからのお付き合いです。
今は生活には支障がない程度には日本語が使えます。

 このクライエント氏、今日は東京にいます。
日本支社時代の部下の結婚式に招かれたからです。しかも上司として、スピーチを頼まれたと言います。

 クライエント曰く、「やっぱりスピーチは英語じゃなくて日本語でしなければなりませんね。私のお祝いの気持ちを伝えたいです」

 クライエントは出張で世界を飛び回る超多忙な方です。
でも時間をやりくりして、自分で原稿を英語で書き、Google翻訳にかけて、自分で内容をチェックして、それから知り合いの日本人に修正してもらい、それをまた私に送って最終チェックを依頼してきました。
そして今日、お昼からの結婚式のために、朝の7時から1時間半、私と一緒に徹底的にスピーチを練習しました。

 スピーチの内容はここには書けないですが、2分半ほどのものなのに、冗長でなく、部下への賞賛、愛情、祝福が詰まっていて、超かっこいいものでした。
 もちろん原稿を見ながらのスピーチにはなります。しかし、単に読み上げるだけにはならないよう、部下のためにここまで頑張って準備をするクライエントは、なんと良い上司なのでしょう。

 スピーチがうまくいくといいですね。

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