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【詩】隣人とわたし
かすかな振動が
ほほえみのふるえが
隣人を目覚めさせた
わたしは白い陽の中に
堕ちた
隣人のつまびらかな密告によって
誤りに満ちた新月に復讐を宣言する
それでも新月はうたう
白い陽を反転させながら
うたは近づき
やがてわたしの戸を叩く
激しい焦燥の嚥下をしくじり
嘔吐する
わたしのまなこは虚空をさまよい
青いくちびるが冷徹に陳述した
—こころで見たかっただけなのです—
新月のうたが戸を開けたとき
白目をむいて倒れたわたしを
隣人がどこかへ運び出そうとしていた
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