読書ログ3―談志の世界観に触れる―
最近、こんな本を買った。
別段、落語にハマったわけではない。たまたま、昨年末に買って読んだ柳家小三治の本が面白く、その流れで数冊買って読んだ。そのうちの1冊である。テンポが良く、読みやすい。それでいて考えさせられる部分も多い。そんな本ばかりであった。
ただ、この本はその中でも異彩を放っている。そして、いい意味で「イカレてる」。読んでいると、破門されたというのも、ごもっとも、と思ってしまう。日本的な「チームワーク」では無条件ではじかれる。それくらいストレートに表現する。きれいな表現、汚い表現もあったものではない。「オブラートにつつむ」などというものはどこにあるのだろう。そう思わされるくらい切れ味抜群の文章だ。例えば、
こんな調子だ。だが、別の場面では冷静に物事を思考しようとする、そのような試みもなされている(それでも「オブラート」は存在しない)。
落語を極めようとする猛烈な情熱の背後には常にどこか冷静に物事を見極めようとする、そんな部分があったのではないかと思わされる。
まだ1回読んだに過ぎない。その中で感じたのは、現代社会への憂いだ。落語をベースとして話が展開されるが、その内容は私たちの生活にもつながる。先の「金と品」の話はその好例だろう。ほかにも多くの考えさせられる要素がある。また頃合いを見て読み返したい、そんな本である。
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