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第3章「自分が変化したいくつかの話」#26「そして今、そんなことを考えながら、どんな仕事にでも一生懸命向き合う大切さを知る」

たかが、そんな簡単な仕事でしょ?「たかが」、と思うなら、あなたにはたかがの出来事しか来ない。
ありがとうとごめんなさいが、言える大人になる。それが、私の常日頃の教訓。

2019年10月
オーストラリア・パース
ある日、筆者がキッチンハンドとして勤めるカフェの人出が足りず、私も他の仕事で出勤できない日があった。
少しでも経験があれば、単発なのでどんな人材でも構わないと言われ
知り合いにお願いしてみることにした。

彼は言った
「いいよ!たかが皿洗いでしょ?楽勝じゃん。」
さらに付け加えるように
「でもなーそこの人良い人たちなの?時給換算でこの給料はどうなのかな。」

びっくりした。
短い言葉でこんなにも人を傷付けられるものなのか、
彼に打診したことを後悔した。

・たかが皿洗いで楽勝ならか弱い女の子にでも頼んでいる。
・悪い人たちなら、まず人員が足りなくても私は関係ないと匙を投げる。
・給料計算する云々の前に、今日1日しかしないのだから、面倒臭いならそう言ってくれればいい。

本人からしたら、
きっと思ったことをただ言っただけだと思う。
それがどれほど人の心を刺しているかも知らずに。

「仕事を紹介してくれて、ありがとう。」
それさえもなかった。
彼の人生だし、私は別に感謝の言葉がなかったから腹が立ったのではなく、
私だけではなく職場や仲間も傷付けた言葉を発したことに、
心底がっかりした。

もちろん、その仕事は他の人にお願いし、その日は事なきを得た。
きっと彼は、そのことを覚えていないだろう。

言った方は覚えていない。
言われた方は覚えている。

私も友人と話していると、
「え?そんなこと言ったっけ?」
と言う会話をすることがある。

軽い気持ちで心無いことを言うと、時にその言葉は凶器になる。
そして、無意識のうちに人の心を刺している

私が幸運だと思うのは、
私が発した言動を振り返り、意見してくれる友人がいると言うこと。


「え?そんなこと言ったっけ?」
「バンさん覚えてないの!?こう言ってたことあったじゃん。そこ良くないよ。やば。」

年月を重ねても、場所が変われど、怒ってくれる人がいる、指摘してくれる人がいる。
そしてそれは、否定、ではなく意見。


今回の出来事も、彼に気付かされた。
気付かないのも、自分の道をスムーズに進むことのできる一つの才能ではある。
きっと、私も何人もの人の心を刺してたのかもしれない。

自分の言葉には、ある程度責任を持つべきだと。
振り返って、人を傷付けてしまったと思ったなら、時間が経っていても、謝ろう。

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