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Marketing 4.0!デジタル×リアル融合マーケティングの好事例

最近見つけたとある香水専門店(繁華街から離れた立地の路面独立店舗)で、デジタルとリアルをシームレスに融合させるマーケティングを展開されていたのでご紹介します。

AISASモデル

事例に入る前に、少しだけお勉強です。顧客が商品・サービスを知ってから実際に購入し、評価する流れを整理したモデルに、AISAS(2004年に株式会社電通が提唱)というものがあります。

Attention(認知)
Interest(興味・関心)
Search(検索)
Action(購入・使用)
Share(経験の共有)

AISASとは、顧客がブランドに出会ってから購入し、他者に一連の経験を共有するまでの5つのステップの頭文字をとったものです。消費者はまずブランドに出会って、興味・関心を持ち、検索して詳細情報や値段を調べて購入します。使用後は一連の経験をSNSにシェアし、他の人の購買行動にも影響を与えます。

香水専門店の抱えていた問題

人通りの少ない立地の香水専門店となると、潜在顧客に認知してもらうのが困難です。また、専門店らしい高級感のある外観だと、前を通って気になったとしても、怖くて気軽に入店できませんよね。一方、店頭の貼り紙や看板で関心を惹こうとすると、店舗の雰囲気が台無しです。このお店は、リアルだけではAttentionやInterestの設計がとても難しいのです。

リアル×デジタル融合マーケティングの実践

そんな中、この香水専門店が実践していたのがリアルとデジタルの合わせ技です。

Attention & Interest:
デパート等の催事で新たな潜在顧客に認知を広げます。調香師のエピソードや香水の楽しみ方といった顧客に役立つ内容を提供することで興味・関心を掻き立て、その場で購入しない顧客もSNSアカウントのフォローやホームページの検索につなげます。

Interest & Search:
ホームページには、各ブランド・商品の詳細な情報を紹介。SNSアカウントで、新商品のブランドストーリーや香りのイメージを感性豊かに紹介するほか、毎回異なるテーマで香水5種類程度を紹介するインスタライブ企画を実施し、同時に、ECサイトでは、インスタライブで紹介する香りのムエット(香水をふきかけた試香紙)全種類分セットで数百円で販売します。顧客は、インスタライブの場で店主と直接コミュニケーションをとって香水選びを相談できます。また、インスタライブは無料開放されているので、ECサイトでムエットを購入していない、「ちょっと興味があるから覗いてみたい」というフォロワーも、気軽に店主の饒舌な香水紹介と香水愛を直接聞き、顧客とのライブチャットの会話を見ることができます。

Action:
気に入ればECサイトで購入できますが、インスタライブで交流して店主のファンになった今なら、入店するのも怖くありません。私のように、インスタライブを見て店内の雰囲気を知った上で、来店して会話を楽しみながら購入する顧客もいるでしょう。

Share:
ファンになった顧客は、FBやGoogleマイビジネスに好意的な評価を残して応援してくれます。こうした好意的な評価のシェアは他の顧客のAttenntion, Interest, Searchに繋がり、スパイラルを描いて顧客基盤を拡大していきます。

本質は、カスタマージャーニー

今ご紹介したInterest~Searchに至る道のりは、どこまでがリアルでどこからがデジタルなのか、区別できません。でも、顧客視点では、香水専門店との出会いから購入に至るスムーズな流れが用意されています。手段がリアルかデジタルかは問題でなく、顧客視点のAISASのスムーズな流れ(=カスタマージャーニー)こそ本質なのです。

デジタル時代の顧客のカスタマージャーニーをイメージして、自社らしい、AISASの仕掛けづくりをじっくり考えてみませんか?

きっと、素敵なアイデアが浮かんできますよ!

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