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酒と振り返るあの頃~『量』より『楽しみ』の時代へ~

◉5月テーマ「あの頃、俺たちが見ていた物」

こんばんは。『Vale tude』編集長の暮石引です。

今回はValetudoの企画・イラスト担当の鬼マングローブ(通称鬼マン)の記事になります。

20代、私はよく鬼マンと酒を飲みながらたくさんの話をしました。だからこそ、我々が生きたあの頃の酒について、振り返っていきたいと思います。

皆さんはお酒、好きですか?

◆量を飲みたかったあの頃、今は...

酒は二十歳から。

私は平成時代とほぼ人生が重なる。

だから、酒との付き合いは平成二十年代から、と言わなければならないのは世相せいだろう。

思い返すと、この平成二十年代。

スマートフォンなど機器やインターネット文化などが注目されがちであるが、酒類の変化も目まぐるしいものがあった。

少子高齢化の時代。

若者が減っているのだから酒も売れなくなっているだろうと調べてみると、やはり平成初期をピークに減少傾向にある。

しかし、思ったよりは減っていない。

それよりも気になるのは、あまりガブガブ酒を飲まない世の中になっても、それとは反比例するように商品のブランド化・多様化が進められていることである。

売上の減少に対する、企業の涙ぐましい努力だろうと想像してもよいが、買い手の嗜好の変化に一因があるというほうがしっくりと来る。

この平成十年代の酒類の変化。

「量より質」と表現されることが多いが、ふとそうではなく「量より楽しみ」ではないかと思い至った。

◆酒の楽しみ、そのいろいろ。


その理由は二つある。

オシャレなパッケージ、飲みやすさのアピール、フルーティーな味わい。それに、様々な酒のブランド化。

記憶が正しければ、これらの変化は平成二十年代以降の特徴である。

特に日本酒にはこの傾向が強い。

酒蔵ツアーなど、お酒とともに、お酒を飲む空間や習慣を楽しむという演出が押し出されてきた。

当初はどこのテレビ局も「女性向け」と銘打って宣伝していた。

しかし、日本酒やウイスキーなど、手に取りづらい種類の酒を飲みやすくする。それは男女の別はなく効果を及ぼした。

老若男女、誰もが心地好い空間で上手い酒をと、酒の新たな楽しみ方を試しはじめた。

もうひとつ、店頭に並ぶ色とりどり商品たちに目が止まる。昔は茶色の酒瓶と銀色の缶が並んでいたが、ずいぶん景色が変わったと思う。

これにはなにより、SNSの発達があるだろう。新商品の宣伝が安価になり、口コミは小規模な醸造所に光をあてた。

その最たるものがクラフトビールである。

クラフトビールとは小規模の独立した酒蔵で作られるビールのことで、こだわりのある独特な味わいが楽しめる。

かつての地ビールと同じ括りではあるが、クラフトビールという名称とともに販路が拡大されたのは、SNSが発達した平成二十年頃からである。

これらの酒は以前より旨くなったのだろうか。

もちろん比べることはできない。

あの頃、私は未成年である。

しかし、過去より今が優れているなどと軽々しく口に出すべきではないだろう。

こだわりのある酒造は以前からあったし、独自性の強い酒も数多く造られてきた。

しかしながら、酒を楽しむことを全面に押し出したのは平成二十年代の特徴、というのは自分の時代を少々美化しすぎであろうか?

だが、あれこれ新商品を試し飲む母の姿は、記憶のなかの無骨な店頭には似合わない。

◆今も昔も、酒は楽しい。



少々硬い話になるが、平成元年に酒類の販売について大規模な規制緩和がなされた。

また、平成の中頃に飲酒運転の厳罰化と発泡酒の税率の変更がなされ、ノンアルコールビールや第三のビールが売上を伸ばす。

酒には悪い面もある。

飲酒運転、アルコールハラスメントやアルコール中毒など、その手の気分の悪い報道は無くならない。

かといって禁酒といえば、アメリカの禁酒法を例に挙げずとも窮屈なイメージ思い起こされる。

酒を楽しむ。

その事が重視されるのは時代背景と無関係だとは言えないだろう。

やはり一番なのは、誰もが酒を楽しむことができる時代の空気、そして、それを支える職人のこだわりなのではないだろうか。


<鬼マングローブオススメの酒達>


 ここで少し、私のオススメのお酒を紹介したい。いずれもお酒を楽しむことに主眼をおいている。


◆フルーツビール

例としてリンクを貼ったのはサクランボフレーバーのビールであるが、なんとバナナやパイナップルといったものまである。

多くは説明する必要はない。今までにない味をたのしみ、気にいった一本を見つけていただきたい。

◆生酒

ここでは満寿泉の生酒をリンクに貼ったが、生酒というものを是非味わってほしい。

生酒というのは「火入れ」という作業を行っていない日本酒のことであるが、ここではうんちくを述べるつもりはない。

生酒の味わいは普通の日本酒よりも滑らかで、アルコール臭さが押さえられている。いつもはアルコール臭いと感じる銘柄も、生酒ならば飲みやすいと感じる人が多いのである。

最近では小さな瓶で購入することができる。日本酒を苦手という方、日本酒の新たな面を味わいたい方にオススメである。

◆カルーアミルク

カルーアミルクはカルーア・コーヒー・リキュールと牛乳を混ぜるだけの簡単で飲みやすいカクテルである。

カルーアミルクと聞いて「今更?」と思う方も多いだろう。ここで再度カルーアミルクをオススメするのには理由がある。

一昔前まではカルーア・コーヒー・リキュールは田舎のスーパーなどでは販売していないことが多かったが、近年になってどこでも手に入る身近なものになった。要は、ご自分で作ってみていただきたいのである。

リンク先には様々レシピも紹介されている。家飲みカクテルの入門に、是非試していただきたい。

<暮石引おすすめの酒達>

昔は本当に酒浸りだった私。

今は禁酒をしていたこともあり、ほとんど飲まなくても大丈夫になったが、ほどよく酒を楽しむことは大賛成だ。

鬼マンと同じく、今まで飲んだ酒の中で「これだ!」という代物を紹介していく。

◆ふじやまビール

ドイツの伝統の醸造技術と、富士の天然水が作り出した飲みやすさ抜群の地ビール。暮石の人生の中で一番うまいと感じたビールです。

「クラフトビールは苦手」という人も、そもそもビールがあまり好きでない人も、この飲みやすさを実感して頂きたい。そしてなんといっても「香り」が素晴らしい。

山梨に訪れた時には、大自然に囲まれてのBBQを楽しみながら、富士の水、そしてヨーロッパ産の高品質な麦芽とホップの美味さを堪能してもらいたい。

山梨県富士吉田市にある道の駅に併設された「ふじやまビールハーベラステラス」と、山梨県内の特定の販売店、インターネット通販にて購入可能。


◆スプリングバレー469

「クラフトビールはうまい」ということを、これでもかというほど思い知らされた一品。初めて飲んだ時の「なんだこれは…」という感動を今でも覚えている。

エールのような豊潤さ、ラガーようなキレ、IPAのように濃密なホップ感。「ビール通をうならせ、ビールが苦手な人も飲みやすい」というスタンスで作られた469は、個性的なだけでなく、飲みやすさも兼ね備えた究極のビールです。

2014年にキリンのオンラインショップのみで販売され、のちにクラフトビールディスペンサー「Tap Marché(タップ・マルシェ)」設置の全国の飲食店で楽しめるようになり、現在は「SPRING VALLEY 豊潤<496>」
全国の量販店&飲食店で購入可能。

◆シャリキンホッピー

夏の定番。

三重県の老舗酒造『株式会社宮崎本店』が製造している、国内の甲類焼酎の中でも最高峰の品質を誇る亀宮焼酎。通称「キンミヤ」。

それを凍らせて、ホッピーを注ぐ。

氷を入れないため、味が薄まらず、最初から最後まで味が変わらず頼みめる。

シャリキン専用のパウチも購入できるが、普通にキンミヤ焼酎をペットボトルなどに入れて作ることも可。

是非、熱々のホルモンと共に楽しんでいただきたいが、下手するとべろんべろんに酔っぱらうので注意。

◆まとめ

いかがでしたでしょうか?

お酒を楽しむこと。

幼い頃には出来なかった大人の楽しみであり、今は数々の美味しいお酒が世に溢れています。

あなたのお気に入りの一品を見つけ出し、その味を是非とも堪能してみてくださいね。

現在、緊急事態宣言やまん延防止で、お酒を飲める機会がめっきり減ってしまいましたが、再びお店に足を運んでお酒を飲めることを願っております。

5月のテーマ「あの頃、俺たちが見ていた物」はこの記事で最後になります。

6月のテーマは、6月の初めに発表いたしますね。

テーマ発表の後は、そのテーマに沿ったテキストを6月5日に投稿予定であります。これからも『Vale tudo』をお楽しみください。

それでは、良い土曜日をお過ごしください。

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