Supernova-素晴らしい演技の賜物映画
イギリスとアメリカを代表する演技派俳優のコリン・ファースと、スタンリー・トゥッチ主演の映画、Supernovaをほぼ貸し切り状態の映画館で見てきました。
簡単なあらすじです。20年来のパートナーであるピアニストのサムと作家のタスカーは、素敵な家族や友人に恵まれてこのうえなく幸せな人生を歩んでいましたが、二年前にタスカーが若年性のアルツハイマーを患ってしまいます。
二人はキャンピングカーでサムの生まれ育ったイギリスの湖水地方を旅します。その旅を通してサムは、タスカーの病状がゆっくりではあるけれど進行している事を目の当たりにします。そしてとんでもないタスカーの秘密を見つけてしまうのです。
映画は全編を通して、ほぼコリン・ファースとスタンリー・トゥッチの二人だけのシーンで進んで行きます。サムの実家を訪れたシーンだけ、友人や家族が大勢出てきました。
コリン・ファースはサムのちょっと神経質なイギリス人特有の性格、スタンリー・トゥッチはタスカーのいつもジョークばかり言っているイージーゴーイングな性格をうまく演じていました。
最初監督は、スタンリーにサムの配役を与えたそうですが、脚本を読んでいくうちにコリンもスタンリーも配役を入れ替えるべきだと思ったそうです。特に私は映画を見た後というのもありますが、この配役がベストだったと思います。
この映画の見所はまさにこの二人の素晴らしい演技力です。それだけで約二時間の映画は成り立っていると言っても間違いないです。もちろん秋の湖水地方の映像も目を見張る美しさでしたが、ただただ彼らの演技に引き込まれていきました。
映画のほぼ終わりのシーンでタスカーが、自分はこれからどんどん記憶を失って、サムの事もいずれ忘れるだろうし、それでもサムに最後まで面倒を見てもらうのはフェアじゃないと言います。それに対してサムは、不公平だとかそう言う問題じゃない、これは愛なんだと言い返します。
この前後から私は号泣でしたが、この映画はまさに究極の愛の物語ではないでしょうか。これから映画を見られる方のために、結末は閉まっておきますが、まさかの展開に多少のめまいを覚えました。
本当に愛しているその人に迷惑をかけたくないから出してしまった結論、そしてその人を心から愛しているがゆえに自分も出してしまった結論。最後のシーンはサムがコンサートでピアノを弾いているシーンで突然終わります。
監督は映画を見た私たちに、二人の結末をゆだねたのではないかと私は思います。人間の想像力をかき立てる実に巧妙なエンディングでした。
是非皆さんも映画を見て、あの後二人がどうなったのか一緒に想像してみませんか?
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