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『ワールドブルー物語』サークル

この物語はフィクションです

更に真似っこ

僕は今、同じ『お先します部』の先輩 蒼身あおみに付いて『護身術サークル』が行われている一室に向かっている。

一流企業である『ワールドブルー株式会社』に就職して、なぜ護身術を身に付けなければならないのか。
腑に落ちない気持ちで 事の始まりを振り返った。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「蒼林君、蒼森君、ちょっといいか」

アパレル立ち上げの怒涛の日の翌朝、僕と蒼林さんは蒼木部長に呼ばれた。

「先程、常務から通達があって、今年の新入社員のサークル参加時期が早まった。来月からだそうだ」

ふーん。サークルなんてあるんだ?
まぁ、興味無いけどね。

「通常だと半年後なのに来月ですか?」
蒼林が聞き返す。

なんだか異例っぽいな。
まぁ、入る気は無いけどね。

「そういう事だ。蒼林君、頼むな」

「はい、分かりました」

なんだかこないだとは雰囲気が違うな。
ここは 二カッと笑うところじゃないのか?


「じゃあ新人くん、あっちの部屋で話そうか」
ニカッと笑う。
ここでか。

蒼林に続いて、4人がけの椅子とテーブルだけの個室に入った。
何とも殺風景だ。
窓すらも無い。
部屋に入ると、蒼林は照明とは別のスイッチを入れた。
スイッチに内蔵されたランプが赤から緑に変わった。
換気扇かな。


「蒼林さん、僕、サークルに入るつもり無いですけど」

お互いに時間を無駄にしない為にも、先に切り出してみた。

「まぁまぁ、そう言わずに話を聞きなよ」

「いやでも、プライベートの時間を大事にしたいし、サークルとか興味ないんです」

「だろうね。彼女との時間を大切にしたいよねぇ」
ニヤニヤしながら言う。

「え?なんで彼女が居ること知ってるんですか!?」

社内ではまだ誰にも言ってない。
何でそんな事まで知ってるんだ?

「ウチの情報網は凄いんだよ」
ドヤ顔で言ってくる。

「まさか、僕のこと調べたんですか?」
この会社マジでヤバいんじゃないか。

「いや、言ってみただけだ」
蒼林は得意のニカッと笑う。
「まぁ、でも大丈夫。そこは心配ないから」

「大丈夫じゃないですよ。サークルとかに時間を使いたくないし、出来れば残業も…」

さすがに残業もしたくないとは言えない。

「だから話を聞けって。サークルは定時間内に行われるし、手当も付く」

え、どういうことだ?

「サークル活動は週2日間。朝から定時間内。手当として基本給の五割が支給される」

「手当が五割ですか!?」

サークルに参加して手当が五割?
これ詐欺だろ。
ヤバい会社に入ったのかも知れない。

「そう。勤務時間内にサークル活動をして、更にお金ももらえる。ただし条件がある」

ほら来たぞ。
そんなうまい話があるもんか。

「他言無用だ。社外ではね。それを目当てに就職希望者が増えたら困るからね」

それだけじゃ無いはずだ。

「他にも何かありますよね?話がうますぎます。それにどんなサークルがあるんですか?」

「そうだね。サークルは色々あるよ。スポーツからPC、無線にクルマ、バイク、心理学とかね」

「スポーツはテニスとかフットサルとかですか?」

とりあえず聞いてみた。

「残念ながら、それは無いなぁ。キックボクシングに少林寺拳法。サバイバルゲームや護身術もスポーツの部類でいいかな」

なんだそのマニアックなセレクトは。

「他には?今のご時世に無線もよくわかりませんけど」

「今のご時世だからこそ無線だよ。要は電波全般。壁の緑色に光ってるスイッチあるだろ?」

あの換気扇のスイッチ?

「今、この部屋はあらゆる盗聴盗撮から守られている。コレは無線サークルの功績。昔ながらのフィルムカメラでの撮影も出来ない」

それってサークルのレベルを超えてないか?
フィルムカメラもダメって意味が分からない。

「クルマとかバイクは?」

「まず、どちらもジムカーナがメイン。後はドリフト走行。オフロードバイク。あらゆるドライビング(ライディング)テクニックを磨く。運転のプロ集団ってとこかな」

コレは面白そうだけど、ガチ過ぎる印象だ。

「PCは?MicrosoftOfficeとかですか?」

これならスキルアップに繋がりそうだけど…

「いや、どちらかと言うとセキュリティだ。ちょうど今、面白い企画があってね。厳重に守られたファイルを開いたら賞金1,000万円」

それってハッキングですよね??

「ちょっと待ってください。コレってサークルって言うより…」

「そう。育成だ。」
蒼林が言葉をかぶせた。

「だから勤務時間内だし、手当も厚い。そして目指すのはトップレベル。だから他言無用ってこと」

やっぱりこの会社ヤバいのかも。
育成して何を目指しているんだ?

「まぁ他にも色々あるけどね。それでさ、社会人たるもの何が一番大事だと思う?」

「え?…コミュニケーション…とか?」
いきなり違う話題振られても…

「それも大事だけどね。死なないことだよ。死なされないことって言い換えてもいいかな。
でね、新人くん。君にはまず護身術サークルに入ってもらう」
そう言って蒼林はニカッと笑った。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「蒼林…何事にも例外ってもんがあんだよ…」

真っ暗な部屋で、ふたりのやり取りをモニター越しに見ていた男はつぶやき、蒼色のヘッドホンを外した。

神経質に爪を噛むと、気の抜けた美味くもないエナジードリンクを胃に流し込んだ。



#ワールドブルー物語


189話目。
どうも、あおです😄
ハードルを下げて、すそ野を広げる使命感に萌えています。
いや、萌えてどうする。
かと言って燃えるほどでも…

どうでもいいか

思いのほか長くなって、如何にも説明です!って話になってしまいました。
各サークルメンバー募集中です(笑)

裏で特殊工作員の育成してるって設定もいいかななんて思ったので書いてみました。

このお話は、「木と林と森と」「アパレル試作」に続く、新入社員 蒼森の物語です。


そして、最後に出てきた謎の男の正体は、マイトンさんの『蒼い月が見ている』に初登場しています。



それからそれから、
キャラクターのビジュアル化が流行っていたので、3時のおやつさんに蒼社長も作ってもらいました!
ありがとうございます!

挨拶おじさんw


オーラ全開✨盛り盛り広報用www


コチラに入れてもらってます⬇️





あらゆる登場人物が交錯する
『ワールドブルー物語』って何?って方は⬇️

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物語を書くのが好きな
note初心者の方も歓迎です。

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他の参加者さんも素敵な記事をたくさん投稿しているので、noteを続けるための分かりやすい情報も手に入れやすいと思います。

noteを楽しむきっかけにもなると思いますので、お気軽に参加してみてください。

#ワールドブルー物語


という訳で今回は、

好きに書くって楽しい!

って、お話でした。


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あおでした😆


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