愛するクラブがくれたもの【1】
V・ファーレン長崎を愛するサポーターの方を紹介し、応援する楽しさを広める「愛するクラブがくれたもの」。記念すべき第1回にお話を伺ったのは、chanponさん。
chanponさんは長崎出身で、関東に移ったのちV・ファーレンを熱く応援するようになったサポーターです。
サッカー観戦が身近ではなかった長崎時代
愛するクラブがくれたもの、私にとってそれは、地元クラブを応援する喜びです。
遠い関東の地からDAZNを通して、またはたまのアウェイでの現地応援を通して、応援し続けています。
私は小学生の頃から高校生まで長崎でサッカーをやっていましたが、サッカーを観戦することはほとんどありませんでした。そもそも当時はプロの試合を見るとなると、1番近くてもお隣の佐賀県まで足を伸ばさないといけなかったからです。
かろうじて記憶にあるのは、小学生の頃に観たJFL時代のV・ファーレン長崎とニューウェーブ北九州(現・ギラヴァンツ北九州)のリーグ戦。あとは天皇杯でのV・ファーレンとザスパ草津との試合です。どちらも、かきどまり(ベネックス総合運動公園)で行われた試合だったと記憶しています。しかし特に思い入れはなく、タダでチケットが手に入ったので観に行ったという非常に単純な理由でした。
試合内容も全く覚えておらず、覚えているのはザスパ草津のキーパーが小島伸幸選手(元日本代表)だったことくらいです。
V・ファーレン長崎には自分を投影できる
大学からは関東に出てしまったので、V・ファーレンを気にすることは少なくなりました。
当時試合を観るには、アウェイゲームで現地に行くかスカパーを契約するしか手段がなかったためです。学生にはどちらとも容易ではありませんでした。
しかし、DAZNのサービス開始と共に、サッカー観戦が趣味となりました。
初期のDAZNはイングランド・プレミアリーグが視聴できたのでその試合を観るとともに、イタリアやフランスなどのリーグを含めた海外サッカーを観るようになりました。サッカーをやっていましたが戦術には明るくないため、選手のスピードやパワーを目当てに、迫力ある試合を観ることが好きになっていました。雑誌で見た選手やゲームで使ったことのある選手が試合に出ていると、非常にテンションが上がりました。
でも、少しすると何か物足りなさを感じるように。そこから、Jリーグを、V・ファーレンの試合を観るようになりました。
最初は地元のチームだし、小さい頃に試合を見たこともあったし、という気軽な気持ちでした。
海外サッカーと比較すると、プレーの迫力は劣ります。しかし、不思議と引きつける魅力がありました。海外サッカーになくて長崎にあったもの、それは試合に自分を投影できるということです。
海外サッカーを観ているときは、部外者という気持ちで、完全にピッチの外から観ている感覚でした。しかし、V・ファーレンの試合は自分も一緒にピッチにいて戦っているという気持ちになれました。長崎という地を背負って戦う選手たちには長崎を愛する気持ちが見え、それが自分の地元愛と重なったからかもしれません。
画面越しに涙を流した、あの日の再来を
この経験から、毎週DAZNで、行けるときはアウェイで応援をはじめました。V・ファーレンが勝ったら1週間楽しく過ごせますし、負ければ悔しい気持ちで過ごします。
クラブを応援するようになってから、自然と「長崎」というワードを言う頻度やニュースなどを検索する頻度が増えました。お金がかかるので、帰省する頻度は増えませんでしたが(笑)
上手く言い表せませんが、V・ファーレンのおかげで長崎と私の心理的な距離が縮まった気がします。毎週選手越しに地元を感じられるようになったことや、Vファーレン長崎のYouTubeなどで地元の風景などを観る回数が増えたことが要因かなと思っています。
そして讃岐に勝利しJ1昇格を決めた、2017年11月11日は特別な日になりました。私が試合に出るわけでもないのに試合前からずっと緊張していて、手汗がすごかったことを覚えています。昇格決定後はうれしさと安堵感で、泣きながらへたり込みました。しばらく何も手につかなかったです。夢のようでした。
画面越しにサッカーを観ていて、涙を流したのはその日が初めてです。
あれから6年がたち、新スタジアムの完成も間近です。V・ファーレンは私が小学校の時に見た頃よりもはるかに大きく、多くの人を魅了する素晴らしいクラブに成長しました。
私は昨シーズンの第42節、アウェイ・千葉戦を現地で観ていました。千葉にリードし、試合終盤にプレーオフ進出の可能性が出てきながら、最後には他会場の結果によってそれが潰えた試合でした。
サポーターが勝利のカンターレを歌う中で、選手は悔しさを滲ませながらたたずんでいた光景が印象に残っています。
今シーズンは、成し遂げたい目標に向けて順調に進んでいます。遠い関東の地から、またあの日のうれし涙を流せることを期待してます。
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