【マダミス制作 虎の巻】コラム 文章力を手にするために
多くのマダミスでは「読み合わせ」や「キャラクターテキスト」や「エンディング」、果ては「シナリオ概要」に至るまで、ほとんどすべてが文章によって構築されています。
ロールプレイや推理も文章をベースに組み立てられると考えると、あなたのマダミスをワンランク上の体験にするためには「文章力」を身につけることが重要だと言えるでしょう。
今回は、読むだけでマダミス制作における文章力が向上する。そんな記事をお届けします。
特に「文章力に自信がない人」「単調な文章になってしまう人」「うまく表現ができない人」に読んでほしい記事になっています。
◆読みやすい文章にするための基礎
「…」や「—」を二つ繋げて使うことだったり、「?」の後にスペースを入れるだったりといった基礎中の基礎については、自身で学習していただくとして、この項ではどうすれば読みやすい文章になるかの基礎について解説して行きます。
■読点の使い方
まずは句読点の使い方についてです。読点を打つ頻度、その箇所で、情報の伝わりやすさが変わってきます。
以下の文章を例にとって考えてみましょう。
①は複数の捉え方ができてしまう文章です。
正しい文章の意味が伝わるように読点を打たないと、慌てているのが「私」なのか「彼」なのか、人によって解釈が変わってしまいます。解釈がブレてしまうことはマダミスでは致命的です。
そのような事態を避けるために「私は、慌てて走る彼を追いかけた。」または「私は慌てて、走る彼を追いかけた。」のいずれかの形で読点を打つと良いでしょう。
②は漢字・ひらがなの連続が存在し、読みづらくなってしまった文章です。
「生涯後悔」「なんてまっぴらごめん」が連続していることで、読みづらい印象になっていますね。「生涯、後悔の念を抱きながら生きていくなんて、まっぴらごめんだ。」のようにすると、読みやすくなります。
このように、漢字・ひらがなが読みづらい形で連続してしまっている場合には、その間に読点を打つことで読みづらさを解消することができます。
③は一文の中で「主語+述語」が二つ以上登場する文章(重文)です。
例文は「彼が/呼びかけた」「会員たちが/一堂に会した」の二つのブロックに分けることができます。
このような文章では、主述の関係性をわかりやすくするために「彼が呼びかけ、会員たちが一堂に会した」のように読点を打つことを徹底しましょう。
④は長い修飾語が登場する文章です。
例文は「城壁沿いを(ひたすらに)歩き続けた」の「城壁」に、それがどのようなものであるのかという修飾語が長々とくっついています。
このような文章では被修飾語をわかりやすくするとともに、文章を読みやすくするために「宵闇にかき消され永遠に続くかのように思えた城壁沿いを、ひたすらに歩き続けた。」のように読点を打つと良いでしょう。
また④の中には「宵闇にかき消され(て)」と「てにをは」が省略された部分が存在しています。そのような場合にも読点を打つことが望ましいとされているので、「宵闇にかき消され、永遠に続くかのように思えた城壁沿いを、ひたすらに歩き続けた。」としても良いでしょう。
ここまでは読点を打つ位置を解説してきましたが、もう一つ例文を見てみましょう。
これは読点が多すぎて読みづらくなっている文章です。読点は打てばいいというものでもないのです。
読点を打つのは「文章の意味合いを正しく伝える(伝えやすくする)ため」と「文章のリズムを作るため」の二つの目的があり、読点を打つ箇所は、それらのバランスと文脈次第で変わります。
一番良いのは、自分が書いた文章を自分の頭の中で読み返してみることです。
読み返していて意味がわかりづらい、テンポが悪いと感じたら読点の位置を見直してみることをおすすめします。
マダミスのキャラクターテキストには、そのキャラクターの背景、事件時の行動、目標を書く必要があるため、文章量が多くなりやすいという性質があります。
キャラクターの背景を厚くするべきという昨今の流れもあり、多くのマダミスで長文のキャラクターテキストが見られるようになりました。
長文のテキストを読みやすくするためには「改行を入れる」ということが非常に重要になってきます。
以下の例文を確認してみましょう。
ここから先は
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?