ユーザー/お客様視点とは
前回に引き続き、ユーザー視点に立つとは何か、更に今日の振り返りを含めて掘り下げてみます。
昨日は、「"お客様にとって"何が大事なのか」を考えて提案することの大事さについて書きました。
ここまでは「提案→どう届けるか」の話。マクロ的な視点が多いです。
本日は「誰に」にフォーカスをあてます。
誰にその価値を届けるのか
「誰に?"お客様"に決まってんじゃん。」と思ったあなた(と、今日までの私)、甘いです。
その「お客様」って誰視点ですか??
そう。「あなた(私)」視点ですよね。
これってどういうことかというと…
「私にとってのお客様」=「私が想像できる/見える範囲のお客様」
になってしまってるということです。
「それって本当に、お客様の視点に立ってるといえますか?」
これって、地球から見上げた月をみて、「月の気持ちを考えてみよう」と言っているのと一緒で。本当に月の視点に立つなら、月の裏側まで理解・想像の上で、月側から地球を見てみる必要がありますよね。
表面と主観でしかお客様を捉えられていないわけです。
お客様視点に立つとは
お客様視点に立つことは、単に「お客様のことを考える」という抽象的な概念ではなく、具体的な行動や思考を通じて実現していくものです。
1. 顧客セグメンテーションの深化
多様な属性による細分化: 年齢、性別、職業だけでなく、ライフスタイル、価値観、趣味など、より多角的な視点からお客様を分類します。
ペルソナの立体化: それぞれのペルソナに具体的な名前、顔、バックグラウンドを与え、より人間味あふれる存在として捉えることで、共感力を高めます。
ペルソナの行動観察: ペルソナがどのような場面で、どのような行動を取るかを具体的に想像し、その行動の背景にある心理を探求します。
2. 顧客ジャーニーの可視化
タッチポイントの洗い出し: お客様が商品やサービスに触れる全ての接点を洗い出し、それぞれのタッチポイントにおけるお客様の感情や行動を分析します。
感情マップの作成: 各タッチポイントにおけるお客様の感情を可視化し、ポジティブな感情を高め、ネガティブな感情を軽減するための施策を検討します。
ボトルネックの特定: 顧客ジャーニーの中で、お客様が最も不満を感じているポイントや、離脱しやすいポイントを特定し、改善策を講じます。
3. 定量データと定性データの融合
定量データの活用: 購入履歴、ウェブサイトの閲覧履歴、アンケート結果など、定量的なデータを分析し、お客様の行動パターンを客観的に把握します。
定性データの深掘: 顧客インタビュー、SNSの口コミ分析など、定性的なデータから、お客様の言葉や感情を深く理解します。
両者の連携: 定量データと定性データを組み合わせることで、より深いインサイトを得ることができます。
具体的な実践方法
顧客インタビューの実施:
ストラクチャードインタビュー:事前に用意した質問に沿って、お客様の意見を聞き出す。
アンストラクチャードインタビュー:自由な形式で、お客様の話を深く掘り下げる。
グループインタビュー:複数の顧客に同時にインタビューを行い、意見交換を促す。
共感マップの作成:
お客様の視点、感情、行動、ニーズを可視化するツール。
チームで共感マップを作成することで、多様な視点から問題解決を図ることができます。
デザイン思考の導入:
ユーザー視点で問題を発見し、解決策を創出するデザイン思考の手法を取り入れることで、革新的なアイデアを生み出すことができます。
顧客体験(CX)向上のための施策の実行:
お客様とのタッチポイントを改善し、よりスムーズな顧客体験を提供します。
パーソナライズされたコミュニケーションの実現を目指します。
従業員への意識改革:
全員がお客様視点を持つことの重要性を認識し、行動に移せるように教育します。
お客様との接客マニュアルを作成し、共有します。
どのように目の前の1ユーザーへ理解を深めるか
1️⃣観察→2️⃣整理・分析→3️⃣示唆だし/理解→4️⃣まとめの順番で、理解を深める方法を考えた
1️⃣観察
1.非言語的なサインに注目する
表情: 笑顔、眉をひそめる、目をそらすなど、表情から感情を読み取ることができます。
身振り手振り: 大きな身振りや、落ち着かない様子などから、その人の性格や気持ちを知ることができます。
視線: 商品にどれくらいの時間をかけているか、どこを見ているかなど、興味の度合いがわかります。
声のトーン: 高い声、低い声、早口、ゆっくりなど、声のトーンからも感情を読み取ることができます。
2. 言葉の選び方や言い回し
専門用語の使用: 専門用語を多用する場合は、ある程度の知識を持っている可能性があります。
比喩表現: 比喩表現を使う人は、クリエイティブな思考を持つ傾向があります。
否定的な言葉: 否定的な言葉が多い場合は、不満を感じている可能性があります。
3. 行動パターン
購買行動: どの商品に興味を示しているか、試着する際の仕草などから、購買意欲や好みがわかります。
店舗内での動き: 店内をどのように移動しているか、どの商品に手を伸ばしているかなどから、購買行動を予測することができます。
質問の内容: どんな質問をするかによって、お客様の知識レベルや関心事がわかります。
4. 周囲の環境
一緒にいる人: 家族、友人、同僚など、一緒にいる人によって、購買の目的や優先順位が変わる場合があります。
持ち物: 持っているものから、その人のライフスタイルや価値観を推測することができます。
2️⃣分析・整理
詳細な記録:
行動:どのような順序で、どのような行動を取ったか?
言動:何を話したか?どのような言葉遣いをしたか?
表情:どのような表情を見せたか?
非言語的なコミュニケーション:身振り手振り、姿勢など
コンテキストの理解:
観察時の状況:場所、時間、周囲の人、状況など
背景情報:ユーザーの年齢、性別、職業、趣味など
解釈の深化:
行動の意図:なぜそのように行動したのか?
感情:どのような感情を抱いていたのか?
潜在的なニーズ:どのようなニーズを持っているのか?
3️⃣示唆出し・理解
行動の意図を深掘り:
なぜその行動を取ったのか: ユーザーの背景、目的、価値観を考慮し、行動の意図を推測します。
何が満足したか、不満だったか: ユーザーの表情や言葉から、満足度や不満点を特定します。
潜在的なニーズ: 行動の背後にある、まだ満たされていないニーズを探ります。
パターンを見つける:
類似点: 複数のユーザーの行動に共通するパターンを見つけます。
相違点: ユーザー間で異なる行動パターンを見つけ、セグメント化します。
仮説を立てる:
なぜその現象が起こったのか: 観察結果に基づいて、仮説を立てます。
改善点: 問題点に対して、改善策を提案します。
新たなアイデア: 新しい製品やサービスのアイデアを創出します。
4️⃣情報をまとめる
1. 顧客プロファイルの作成
基本情報: 名前、年齢、性別、職業、居住地など
興味関心: 趣味、嗜好、好きなブランドなど
価値観: 何を大切にして生きているか、どのような価値観を持っているか
行動パターン: 購買行動、利用頻度、情報収集方法など
課題や悩み: 何に困っているか、どんなことを求めているか
言葉遣いや表現: よく使う言葉、表現の特徴など
感情: どんな時にどのような感情を示すか
過去の購入履歴: 過去に購入した商品やサービス
2. 顧客ジャーニーマップの可視化
タッチポイント: お客様が商品やサービスに触れる全ての接点を時系列で並べます。
感情: 各タッチポイントにおけるお客様の感情を可視化します。
行動: 各タッチポイントにおけるお客様の行動を具体的に記述します。
課題: 各タッチポイントで発生する可能性のある課題を洗い出します。
まとめ
俯瞰しすぎず、ミクロに1ユーザー/お客様に価値を届けるためには、人としての人間関係や感情、お客様"自身の"理解が大事なのだと改めて感じました。
toCならまず顧客プロファイルの作成から始め、toBなら顧客ジャーニーマップも急ぎで必要そうだと感じた。(いずれどちらも必要な気もするが。)
今日も良い学びができた!お客様に感謝だなあ。
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