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←左<宇宙人>右→ / Unity1week「おくる」

初めまして、白玉ユキトと申します。
今回、Unity1weekに初参加させていただき、テーマの「おくる」に合わせて「←左<宇宙人>右→」を制作しました。タイトルなんて読むんだろうね。

これは「赤と青の宇宙人を左右に振り分けて送り返すゲーム」で、どんどん時間が短くなっていく中でどこまで行けるかを競います。

以下はその制作記録です。




テーマ「おくる」を考える

まずは「おくる」について、いろいろ考えた。

  • 直球の「送る」「贈る」

  • 「億り人」的な「億る」

  • 「置くル」とか「オ来る」的なモジリ

ただ「初参加でネタっぽいのはやめよう」ってことで、1つ目をベースにすることにした。そこからいくつか案を出していく。


言葉を選んでプレゼントを「贈る」ゲーム

過去に「兄と妹のなぞなぞ遊び!」というゲームを作ったことがある。

これは「なぞなぞの答えに当てはまりそうなワードを入れるとリアクションしてくれるゲーム(例えば「パンはパンでも食べられないパンは?」ってなぞなぞに「鉄板」とか「海パン」とか入れたら反応がある)なんだけど、それを思い出して「姪っ子の出すワードから欲しいプレゼントを想像して入力するゲーム」をまずは思い付いた。

「まるくて甘い3文字のもの」って言われたら「だんごか? ミカンか?」っていろいろ考えて入力してもらう。それぞれに反応があるんだけど、想定解は「上から見たプリン」で、これが高得点になる。が「ケーキ」と入力してホールケーキをプレゼントしても良くて、その場合に姪っ子は喜んでくれるけど親に怒られる、とか、そういうのを仕込んでおく。

面白そうだけど、これは上記のゲームを作った時に、入力されるワードを想定するのが非常に大変だったので、1週間では無理だな、と切り替えた。


迷子の子供を正しい親の元に「送る」ゲーム

次に思い付いたのは、「遊園地の迷子センターに集まった迷子の子供を、正しい親の元に送り届ける推理ゲーム」。論理クイズの「4人のうち嘘つきは誰?」みたいな感じで、全員の話す特徴が矛盾しないように親を推理する。

迷子は全部で5人。
「赤い服を着てる」「髪が長い」「金髪」「スカートをはいてる」とかそれぞれが親の特徴を話してくれて、探しに来た人と比較するんだけど、なぜか6組いて、赤い服が3人、髪が長いのが4人、金髪が2人、スカートが3人……どうすれば全員の話す特徴が矛盾しないように親と合致する? というのを推理するゲーム。

ただ、これはUnityっぽくないな、ってことで却下した。「1作ったら1にしかならないゲーム」だし、こういうのはティラノのほうが向いてると思う。


風船で誰かに手紙を「送る」ゲーム

困った僕はChatGPTに投げてみた。

「おくる」というテーマでミニゲームのアイデアを出してください。

彼/彼女は案を出してくれた。

「星をおくる」
プレイヤーは宇宙船のパイロットとなり、異なる惑星間を旅する冒険に挑戦します。目的は、各惑星に特有のエネルギークリスタルを集め、それを他のプレイヤーや異なる銀河に送ることです。クリエイティブなパズルや戦略が必要で、他の宇宙船や障害物を避けながら、エネルギークリスタルを収集して「星をおくる」のです。

規模がでかすぎる。
ミニゲームだと言っているのに、全然考慮してくれない。
それでも何度か要求し続けると、程よい規模感の案を出してくれた。

「風のメッセージをおくる」
プレイヤーは風を操り、風にのせてメッセージを運ぶことができます。
風の方向や強さを利用して、山を越えたり川を渡ったりしながら、メッセージを目的地まで届けます。
ユーザーが作成したメッセージや風のコントロールがゲーム内のパズルや障害を解決する鍵となります。

読んでいて、風船に結んだ手紙を飛ばして、落ちた場所・受け取った相手によって結果が変わる、みたいなゲームが作れるな、と思った。
風向きと強さを決めて風船を飛ばして、飛んでいく様子を見届ける。山を越えて川を渡って、突風に煽られたり鳥につつかれないかとヒヤヒヤしたり、そうして着地地点の誰かに送られるメッセージ。エモい。

ただこれ、操作できすぎるとつまんないし、操作できなすぎても退屈だし、バランスがめちゃくちゃ難しいのよね。しかも、受け手がどこにいるのかをプレイヤーが把握していないと、何もないところに落ちてGAMEOVERになりがち。ジャムみたいなイベントで、こういう面白さを感じるハードルが高いゲームは向いてないよな、って思ってやめた。


荷物をAかBに「送る」ゲーム

そこで、上の風船ゲームから風船の要素を全部取り除いた。

「次々流れてくる荷物を即座にAかBに送り届けるゲーム」
操作できすぎて良い、受け手はAかBにいる、もどかしく眺めもしない、ボタンを押せばすぐ届く。まさにハイカジって感じ。

溜まった荷物を送るのだから時間との勝負のはずだ。システムとしては高速で左右に振り分けるのがいい。
二択でさえあれば、国内と国外でもいいし、リンゴと毒リンゴでもいいし、犬と猫でもいいし、なんでもいい。

これなら1日で作れるな、ってことで、以前作った「Quick Choice Girl」を単純化したゲームになった。
こちらは「ピンクのハートが1つ」と「黄色い星が3つ」みたいな二択が出てきて、「1」とか「黄色」とかお題が出てきたら、時間内にそれに合致する側を選ぶ、という高速のクイズゲームです。宣伝しておくぜ。


内容が決まったので、絵を考える

まずは画面の構成を考えた。分かりやすいのは色だから、左が赤、右が青にして、真ん中のレーンを荷物がずらーっと流れてくるイメージ。

正直、見た目は視認性が良くてポップでキュートなら何でもいいので、さあ何にしようか、と適当に無料のUIのアセットを見てた。使ったのは↓

眺めてたらソーシャル系の人アイコンが何だか可愛かったので、「あ、これにしよう」って決めた。カプセルに入ってるみたいだったから、これは宇宙人だなと。じゃあUFOを出して、レーンは光の道にしようと。宇宙は規模がでかい、とか言いながら、結局宇宙。

ちなみに、UFOの画像はアセットに入ってたゼリーです。下のほうがUFOだったから使った。
タイマーも「0」をぐるっと回せばいけるなって。
ライフはハートがなかったから星にした。
スコアはコイン。分かれば何でもいいんですよ。

そしてフォントは「もじワク研究」さんのところの「廻想体」。いつ見てもSF感がある素晴らしいフォントです。

効果音は「ザ・マッチメイカァズ」さん。昔から愛用させてもらってます。

音楽は自作です。


バランスを考える

難易度の種類をどうするか

とりあえず、いくつかのパターンが思い付く。

  • フェイズで分けて、難易度を上げていく(今回採用したもの)

  • どこまでも並んでいて、時間内の正解数を競う

  • タイミングを縛って、間違えるまで選び続ける

今回はどんどん忙しくなっていくほうが盛り上がるな、ってことで一番上のタイプを選んだ。真ん中はルービックキューブみたいな感じになる。一番下はリズムゲームになって、以前作った「Colors Shapes in Rhythm」になる。リズムに合わせて色か形が一致するパネルを選び続けるゲーム。また宣伝。


一度に並ぶ数をいくつにするか

7つ。これはすぐに決まった。なぜなら素数だから。2でも3でも割り切れないから、常に新鮮に映る。
ちなみに、同じ色は3つまでしか並ばないようになっています。


1フェイズの時間をいくらにするか

まずはカウント数から考えた。やはり音楽的に馴染みのある8カウントがいい。入力可能時間は半分の4カウントにする。最初の3カウントが待ち時間で、次の4カウントで振り分けて、最後の1カウントで判定、と決まった。

1カウントの時間は0.5秒をベースにした。つまり、操作時間は2秒が基準。初めの数回はそれより長めにして、初見プレイヤーへの配慮のつもり……だったけれど、2.5秒はちょっと間を持たせすぎたかもしれない。

最高速度は1カウント0.25秒で、操作時間は1秒。1打当たり約0.14秒。
正直これはクリアできることを想定していないんだけど、一応エディタ上では通過できたから問題ないはず。カウント中に配置を覚えられるから、反射神経とかいらないですし。


公開してみて

ひとまず思った通りのものは作れました。
見た目がシンプルで、操作も簡単で、遊んでそれなりに楽しく、失敗した時にちょっと悔しい。そんな感じのカジュアルゲームです。
真新しさとか珍しさとか、そういうのがないのは少々心残り。

良かったら遊んで感想をもらえたら嬉しいです。


※追記 Unity1weekを終えて

感想記事を書きました。


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