枠を一時停止する:「裏が、幸せ。」
simplemindというアプリケーションを使いながら読書をしていると、いや、アプリケーションに限らず、ずっと同じものを使い続けていると、ほんの少しいつもと違うことが起こると案外気づくもの。読んでいる本の中で重要だと思って考えをまとめるはずだったのだが、何故か「表紙がいいね」と、ipadのキーボードで打ちこんだ。本の内容をまとめるという用途だったのだが、本の見た目が素敵だと思うことも、案外集めてみると、たくさんあるのかもしれない。
今回、珍しく(?)本を紹介したいと思う。いつもいつも本の名前がどんどん出てくるから、珍しくはないかもしれないけど。酒井順子さんの「裏が、幸せ。」という本で、ちなみに「観光の哀しみ」という著書もオススメですよ(押し付けたいわけじゃないけど)。ちゃんと紹介する前に、そうですね、貴方にほらあの、日本地図を思い浮かべてほしい。
思い浮かべましたか?
それって
これじゃなくて
これですよね?(そうであれ...)
おそらく、間違いなく北海道が北にあり、太平洋が南東で、日本海が北西の方向の日本を思い浮かべたはずです。日本、或いは日本地図というものを見たり聞いたりした瞬間に、何故かこれが思いうかぶというのは、ある意味刷り込みが起きているということだとも言えます。今回紹介する本、「裏が、幸せ。」は、ワタシがついいつもとは異なり「表紙がいいね」とメモしてしまった、一番最初に示したような日本が(背)表紙に描かれていたんです。太平洋が下の方向、こちらの方向ではなく、日本海がこちら側にある日本(地図)が。そして案の定、noteのフォトギャラリーで、「日本地図」を探してみても、日本海が向こう(北西)側にあるものばかりでした。全部、同じ方向です。モノの見事に。
「裏が、幸せ。」という酒井順子さんの本は、今では差別用語としてとらえられる「裏日本」というものに注目したものです。観光は、輝かしい「光」を見るだけではないでしょう。近年注目されているダークツーリズム(ピースツーリズム)のように、哀しみ、負の側面をめぐるものもちらほら。この意味で、観光とは、「観影」ではないかとも思います。影は、光が当たらない部分に出来るものという使い方ではありません。古語の「影」には、「光」という意味があります。ですから、「観影」は、ある意味で「観光」でもあるのです。ありきたりなことを言えば、光があるから、影があり、影あるから、光がある。表裏一体というわけですね。「光」は「影」であり、「影」もまた「光」ということでしょうか。
日本(地図)の見方は、無限にあります。上から、神の様に見下ろす必要もないかもしれません(だって神様じゃないし...)。東京が北西にある視点で、日本(地図)を見ることに囚われる必要は無い。この記事を読んでくれている方であれば、少なくとも日本(地図)の見方を増やしてくれるかなと思います。それと同様、日本の地域も、はたまた世界の(グーグルマップで見えるような)見方も、制限されているとも言えます。地球を実際に外から見たことは無い。だが、見方はこちらのものです。
マイナー。弱者。ひねくれもの。没個性。モラトリアム。そういう側の人間は、確かにいます。彼らには彼らの見方がある。裏には、裏の、影の見方ある。どうせひねくれるのなら、画一的で、検索したパッと出てくるような視点に囚われている必要はありません。とことん、ひねくれものに成るときも、あってもいいのではと。
人間は見慣れたものに、好感を抱いたり、理解を示したりします。例えば、人を下から見上げる絵を描いてみましょう。なかなか書くの、難しいと思います(ワタシは描けない)。でも、最初はそういうものです。自分の視野が狭窄になっていることなど、おそらく他にもあるのでしょう。ですが、そうである必要性は、あまりないとは思います。なんてたって、ワタシは(もしかしたら、アナタも)ひねくれてるんですから。空気なんて、知りませんよ(なにが、「日本人は読まないけないもんが、もう一つある。空気だ。」だよ面白くないよ)。
ということで、「裏が、幸せ。」について、ここら辺にしておこうと思います。まともな紹介じゃないかもしれないけど、まぁ日本(地図)のくだりは覚えていてもいいかもですね。ワタシは読んでいてなんだかイライラする数少ない本です!でも学ぶところもあります。では。
と
今日も大学生は惟っている
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