好きなことだけでいいですか?
「全人類が幸せになったら、宇宙が迷惑するから」:PinocchioP - All I Need are Things I Like / ピノキオピー - すきなことだけでいいです
好きなことをして生きる
とどこかで聞いたものだが、残念ながらそんなことができるのはほんの、露ほどの一部にすぎない。
好きなことを行うということは、それ以外の雑事(chores)を極力省くということになる。
つまり、その雑事を他人に押し付けるという風に捉えることができる。
赤ん坊のあなたが泣くだけで生きていくことが出来たのは、養育者が必要な雑事を「代行」してくれたからだ。
私たちがとんでもなく安い値段で服を購入することができるのは、辺境の人々が低賃金で労働しているからだ。
私たちがなにも考えずに、肉を購入できるのは、代わりに業者が家畜である牛・豚・鳥を殺し、解体し、包装してくれるからだ。
あなたが生きているのは、あなた以外の人が働いてくれているからだ。
あなたが好きなことを行えるのは、あなた以外の人々が働いてくれるからだ。
一度は、平等というものに憧れたが、そんな夢想は存在しないと考え及んだ。
職業に貴賤は無いと言うが、それが不平等の解消につながる考えでもなんでもない。
しかし、私は弱くて心が穢れているから、好きなことだけをしていたい。
面倒事は、時々誰かに押し付けたくなってしまう。
もし私が完全に好きなことだけをして生きていくのなら、自分の代わりに誰かが望みもしないことを肩代わりしていると永遠に考えるだろう。
好きなことだけでいいです?
と質問されたら、どうにもこうにも答え難いな・・・
と
今日も大学生は惟う。
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