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HERPの事例を題材に、スタートアップの全社ミーティングと経営のリズムについて考える

しばらくブログ執筆やSNSでの発信をしていませんでした。
が、HERP社でも採用広報の取り組みをもっと活性化させていきたく、発信を増やしていこうと言う機運が高まっているので久々に書いていきます。

文体が安定しておらずいつも分からんってなるが、自然体でカジュアルに書いていく方針にしたいので、ですます調をやめてみる。
目指せ月1ブログ投稿。ほぼ毎月書くと言うことでほぼ日リスペクトで、ほぼ月ブログをやっていきたい。

と言うことで本日のテーマはスタートアップの全社ミーティング!

なぜこのテーマ?

サマると、1.難しいので知見が欲しい,2.会社の雰囲気が伝わりそうなのでこのテーマ。

全社ミーティングの運営、地味に難しいランキングかなり上位だと個人的には思っている。みんな共感する?

●全社ミーティングの運営が難しい要因になっていそうなこと
・大人数でミーティングを進行することがそもそも難しい
・難しい割に知見・ベストプラクティスがあまり落ちてない
・課題や目的ベースでやることを決めるのではなく、やった方が良さそうと言う感覚ベースでやり始めることが多い(実際多いかは分からんけど弊社もやった方が良さそうと言う感覚から始めている)

知見が落ちていないため、この記事を発信することで全社ミーティングに悩みを持つ方や知見持ってる強いパーソンから質問されたり教えてもらえたりしたいなと言う気持ちをきっかけにこの記事を書き始めた。

その他以下のような狙いもある。
・全社ミーティング内容をオープンにすると会社の雰囲気が外部にも伝わりそう
・比較的カジュアルに書いていけそう

ということで色々書き連ねていく。

全社ミーティング、何に寄与するのか?

全員の時間を使う全社ミーティング、何に寄与するのか?

HERPでも目的を変化させながら運用をしてきているが、変わらないものとして、組織にモーメンタム(勢い)をつくることに寄与していると考える。
その他、会社の文化づくり、ミッション・ビジョン・バリューの浸透、社内コミュニケーションの促進などやり方次第でいろんな効用はある。

スタートアップにおけるモーメンタムの重要性は下記あたりの記事を読んでみるといいかも

彼いわく、モメンタムから生まれる社内の活力は「きっと次のチャレンジでも勝てる」という思いを生み、更なる大きな挑戦と成長を促してくれます。逆に、モメンタムを失ったら負のスパイラルに落ちていき、スタートアップは死んでしまいます。
結果的に彼がこれを言い出してから毎月無茶だと思っていた目標がみんなの踏ん張りで達成されていった。それが続き、今ではみんなの達成に向かう覇気を感じる常勝チームになった。チームの雰囲気を持ち上げることで成果を出していくのを見て、これも一つのリーダーシップだなと思ったし、私自身、彼と働いていてとても楽しい。
モメンタムはとても大事で絶対に殺してはいけない弊社の価値観だと考えを改めることとなる出来事だった。

↑YOUTRUST佐藤さんの話、いい話。モーメンタムをモメンタムと書いてるのも字面が良くていい。(と思ったけどググったらモメンタムの方が主勢力ぽかった、マジ?)ちなみにOGPもiwayanリスペクトでいらすとや+カラー+タイトル的なOGPをつくる運用にしてみた。

モーメンタム自体は「進捗」(開発リリースや売り上げ向上)が源泉となる。進捗がないままみんなで集まってもモーメンタムは生まれない。進捗があることを共有し、進捗の重要性を伝えるために全社員が集まることが必要と考える。
全員がいる場で時間をとって面と向かって共有すること自体がその情報は重要であるというメッセージにつながる。かつ大事なことを伝えるためには言語だけではなく非言語コミュニケーション(表情・トーン・身振り手振り)を積極的に活用するに越したことはない。非言語情報を活用することで、情報に対して会社としての感情(嬉しい話なのか悔しい話かなど)を伝えやすくなる。

士気をあげる的なやつでいくと、キングダムの政の蕞での演説を思いだす。何回読んでも胸にグッとくるものがある。

HERP社の全社ミーティング運営の変遷

ではここからはHERP社の全社ミーティングについて整理する。

振り返ってみると地味に変遷があるので、歴史を書いていく。細かく書いていくときりがないのであっさり目に振り返る。というか正直記憶があまりないから呼び起こすのに時間がかかりすぎる。HERPに興味がある人は読んで欲しいし、興味ない人は読み飛ばして欲しい。

サマると、以下のように変遷してる、行ったり来たりしている。
1.月次全体会議のみ【2017/4-2017/8】 @オフライン
2.週次全体会議のみ【2017/9-2018/2】@オフライン
3.月次全体会議のみ【2018/3-2019/5】@オフライン
4.週次全体会議のみ【2019/6-2020/8】@オフライン→オンライン
5.週次全体会議+Q振り返り・キックオフ【2020/9-現在】@オンライン

1. 創業から最初の半年間 月次全体会議のみ 【2017/4-2017/8】

HERPは2017年3月24日に創業した。
初回の全社ミーティングは4月23日に実施していた。多分参加者は いちろう(@fabichirox) と私と創業メンバーのエンジニア(@ryota-ka , @hiroqn)や@c4 と業務委託のメンバーなどがいたはず。

アジェンダは下記。庄田の感じる切迫感というアジェンダ、エモさを感じる。

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半年くらいはこんな感じで、思いを共有する・未来を語る場としての意味合いが強かった。この時は人数も数人で何をやっているかはまとめずとも一定理解できた、かつ開発初期段階で目に見える進捗もなかなかなかったから未来を語る機能がメインだったのだろう。

2.創業半年後から1年 週次全体会議のみ【2017/9-2018/2】
9月から運営頻度が週次になった。
アジェンダはこんな感じ。

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さっきと比べて急に進捗を共有する場になった感がある。
活動が複数動き始めてその進捗を共有して運営していきたいモチベが上がったからこういうアジェンダになり、かつ頻度が週次になったのだろう。
進捗共有で個々人というものがあるが、この時は開発についてもビジネスサイドについても、1週間単位で何をやってるかなど含めてかなり細かい進捗を共有していた。インターンや副業メンバーが一定数いたためそのメンバーのタスク管理的な意味合いも含めていた。

3.月次全体会議のみ【2018/3-2019/5】

週次でやっているにあたり、まとまった話ができない感覚が一定強まり、ここから月次に頻度が戻り、方針の共有などがメインになった。

ただこの時は月次のペースで方針など結構がっつりまとめてアウトプットするということができず、月次といいながら平均1.5ヶ月に1回くらいの頻度での運営だったはず。頻度のぶれがあったり、実際の事業進捗に比べて情報共有のためにコストをかけすぎている感覚があったり、といまいちうまくやれていなかった感覚がある。

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4.週次全体会議のみ【2019/6-2020/8】

そしてまた週次に頻度を戻す。
変更した際のSlack投稿はこんな感じ。

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2019年8月にシリーズAの調達を実施したが、この頃から開発とレベニューでそれぞれ活動を分けて動かし始めた感が強く、会社全体として1つの目標を追っていく感覚が薄れたと感じたことが戻したきっかけだった。

アジェンダも相互コミュニケーションのためのアジェンダが追加されている、これは今までと結構異なる。チェックイン・チェックアウトでは4-5人グループに分かれてもらい、近況や気づきのシェアを行うようにしていた。

月次全体の準備負担もあったので、短い時間で最低限の準備でできるような会に構成しなおした。
運営コスト、情報共有、コミュニケーション活性化、など各観点で機能した感覚があり、徐々に改変はされているがこのスタイルが今も踏襲されている。
活動状況のシェアは初期から週次でやっているがかなりペース感としては良い、特に経営的な立ち位置から全体感を把握しやすいし、かつそれに対してどう感じているかをフィードバックもできて現場と経営の対話にもつながりやすそう

良い雰囲気をつくりたいという動機をやりたいことにも追加しておりそのための工夫もいくつかしていた。チェックイン・アウトの際のルール設定(必ず拍手する、人の発言を受け入れるなど)、オフラインでスタンディングでやる、金曜夕方から実施してアルコール・ソフトドリンク自由に飲んでもらうなど。

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5.週次全体会議+Q振り返り・キックオフ【2020/9-現在】

そして現在。
現在は週次全体会議は運営をしながら、クォーターで組織の目標を設計し活動するようになった。
結構今はリズムがちょうどいいと感じている。まとまった話をする頻度は3ヶ月に1回、会社の進捗(営業成績、機能リリース、Topics)は週に1回情報共有される。このリズムがちょうどいい。

島田紳介が漫才はテンポが大事(歩きながら漫才を練習する的な話)という話を聞いてから、何事もリズムは大事だなぁと感じているが、ちなみに経営でもリズムは大事だと感じる。このリズムは事業フェーズや組織規模によって変わってくると思う、リズムがしっくりこないなとなると頻度やコンテンツを見直す必要がある。
下記はリズムに関連しそうな記事。(ググったけど経営でリズムが大事って言ってる文献はほぼ出てこなかった、リズムが大事説今後より提唱していきたい)

ケイデンスは、SaaSスタートアップの主要な職務を同期し、チームが足並みを揃えて連携するように設計されている。ケイデンスはカオスに秩序をもたらし、混乱した状況を軍隊に変える。断絶された領域をまとめて、何が起きているのか、何に取り組むべきなのかを全員が理解できるようにする。不規則な発売日や販売目標を、出荷や販売の具体的なマイルストーンに置き換える。これらのマイルストーンを四半期ごとに達成することで、会社の成績とその文化に大きな複合効果をもたらす。
では、ケイデンスとは何か? これは、いくつかのシンプルな洞察に基づいている。
まず、SaaSスタートアップの主要機能であるセールス、ファイナンス、プロダクト、マーケティングは、すべて四半期ごとのサイクルで運営されるのがベストである。
しかし、4つの機能のサイクルは異なる。セールスとファイナンス、プロダクトとマーケティングは別のカレンダーで進行する。私はこれらをセールス・ファイナンスシステム、プロダクト・マーケティングシステムと呼ぶ。
これらの2つのカレンダーを1つにまとめれば、会社を集約的に運営するケイデンスができあがる。
これらのシステムにおける重要なマイルストーンやイベントは、組織の上位構造のようなものである全社的コミュニケーションやコラボレーションの機会を生み出す。
ケイデンスは、すべてのスタートアップ企業が利用できるシンプルなアプローチだが、実際に利用している企業はほとんど存在しない。

と思ったら、馬田さんの資料でかなりちょうど良い資料が見つかった。ぜひ読んで欲しい

ということで、より詳しく今のHERPの全社ミーティングを紹介する。

現在の全社ミーティング : 週次全体会議

現在の週次全体会議は毎週金曜日12:15-13:30で実施している。
ちなみに2週前まではしばらくの間金曜日16:30-17:15で実施していたが、開発のスプリントレビューを週次全体会議にマージするにあたって、時間を昼にし開催時間を30分伸ばした。

アジェンダはこんな感じ。

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最初のオープニングでは新しいメンバーの紹介などを行う。
2番目のfabtalkは代表(@fabichirox)が好きに喋るコーナー、最近感じたことから会社としての大きめの動向について(調達など)共有する。

一部は数値状況のシェアや告知系のコンテンツ。
別途毎週ドキュメントでチーム別の活動をシェアしており、それは読んだ前提でミーティングでの情報共有は少なくて済むようにしている。情報共有の仕組みとセットで考える必要がある。

二部はカルチャー醸成のためのコンテンツ、上記の他己紹介やってみようというコンテンツは先週から始まったものでメンバーの良いところをバリューに沿って紹介するという内容。暖かくて良い。
これまでもバリューや行動指針につなげるためのコンテンツをボトムアップで色々やっており、開発チームの珍プレー好プレー、いちろうか私がこれまでの経験に基づくバリューについてのエピソードを語るなどいろんなコンテンツをやってきている。

三部はスプリントレビュー。上にも書いたが、プロダクトの成長こそが最も会社にとって重要と位置づけ、2週間前からマージした。

ちなみにHERPは候補者の方に基本的には体験入社(定例ミーティングへの同席、Slackへのジョインなど)をしてもらい、その際週次定例にも参加をしてもらう。実際に参加してもらった方から良い反応(会社の雰囲気が伝わる、オープンな全社会で驚いたなど)をいただくことが非常に多く、これは個人的にも嬉しい

現在の全社ミーティング(Q振り返り・キックオフ)

3ヶ月に1回のQの振り返り・キックオフは以下のような目的・アジェンダでやっている。
Q振り返り会はQ末の金曜日夕方から開始し、2-3時間程度かけている。

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内容はかなり盛り盛りで、情報量が非常に多い会。ミッションの共有から始まり、チーム別にQごとの活動結果を振り返り、次のQの方針を示す。

最後はHERP AWARDという表彰を行って締め。

上記のリズムの話でもあったが、Q単位での方針の見直しが今は適切な頻度という感覚がある。今のHERPでは月次では目線が短くなりすぎてしまう、半年や1年では長すぎて変化に追いつけない

現状のGood(全社ミーティングの運営で大事にしていること・Tips含めて)

こう振り返るとずっと司会やってる気がするのでかれこれ4年以上司会をやっている。長い。
最後にそんな中で大事にしていること・今の会で良いところと課題感をつらつらとまとめて締めとしたい。

間違っていてもいいので、経営陣が今考えていることや気持ちをストレートに共有する

昔の会から、いちろう(@fabichirox)が話す時間を結構とっているし、自分自身も赤裸々にエピソードを共有したり、方針を話す時間をとっている。

経営陣が何を考えているかわからない、規模が大きくなるとすぐに出てくるフレーズだと思っている。できるだけその状態を避けられるように、特にどのような思いや意図があるのかを共有していきたい。今も共有し切れていないなと思う。

間違っててもいいので、というのはかなり大事。誰がどう受け取るかを考えすぎると何も言えなくなってしまう、間違っていてもいいのでその時考えていることをストレートに伝える。なのである意味、練りに練ったメッセージを伝えることより、できてないならできてないことも含めてそのまま共有するということを大事にしている

定期的に実行できるように時間を可能な限り短くする

長い時間集中するのは難しいので基本的にミーティングは短いに越したことはない。網羅的な情報を伝えるためには文書の方が効率が良いので、基本的なビジネス状況などはドキュメントで共有した上で大事な情報を共有するようにするなどの工夫をしてきている。

ただどうしても活動量が増えると全て話していると時間はその分伸びるのでより簡潔にしていく意識が今後は必要。実際直近コンテンツ増やしたので長い。max45分くらいにしたい。

ユーモアのある楽しい会にする

毎回定期であるミーティングがつまらないとしんどい。
出るのが楽しみになるような和気藹々とした場にしたいし、全社ミーティングの雰囲気は会社の文化に結構つながると感じる。
オフラインと比べてオンラインでこの空気感をつくるのは結構難しいけど、最近はかなり慣れてきた。
HERPの場合だといちろうと私がかなりくだけたコミュニケーションをとっている。このやりとりがふざけてるのか真面目なのかがわからんというフィードバックを入社したメンバーからもらいがち。
あとはコメントスクリーン(直近はmeetのコメントに移行した)も結構活用している。その場でフィードバックくるので楽しい。

現状のmore(考えたい論点、これからやりたいこと含めて)

オンラインかオフラインか問題

今のHERPは現状オンラインで実施しているが、オフラインも積極的に活用していきたい。

クラスターCFO岩崎さんの記事からの引用

ある種の宗教的な熱を帯びる組織を創り出すには、組織のトップがメンバー全員の目を見て、身振り手振りで熱く語ることが欠かせません。
リアルな場での集まってる感や一体感はなかなか言語化しづらいものではありますが、代表が自分の方を見て自分に向けて発される言葉の力は、テキストやオンライン会議ツールと比べて圧倒的に強いという感触を持っています。(ちょうど弊社のエンジニアもその重要性をブログで語ってくれていました)

弊社でも週1の週次全体会議のうち月1回はオフライン実施をするなど小さく試していきたい。

組織としての機能に落とすための改善サイクルの構築

別途ブログに書きたいが役割を決めて定期的に振り返って改善していく仕組みをつくれるかどうかが組織の機能に落とし込めたかどうかの肝だと思っている。

まだできていないので、3ヶ月に1回程度のペース感で改善がまわるようにしていきたい。

雰囲気づくりに投資していないか、真に良いカルチャーをつくれているか?

結構雰囲気が大事的な話を全般にしているが、個人的にはみんマの浜野さんのこのツイートが頭の片隅から離れない。
これを見てまだ自分としてそもそもカルチャーと雰囲気の違いを理解できてないなと思いつつ、上の文章を書いていても改めてうちの会社はまだカルチャーを築くことに投資はしきれておらず、良い雰囲気をつくっていることに投資していそうだと感じる


まとめ

つらつらと書いたら意外とボリューミーになってしまった。
まとめると以下。
・HERPでは全社ミーティングを組織にモーメンタムをつくるために運営をしてきた
・面と向かって会話をすることで情報の重みや感情を表現しやすくなる
・全社ミーティングの適切なリズムは事業フェーズや組織規模に応じて変わる。HERPは現状Qに1回の振り返り・キックオフ+金曜の週次全体ミーティング+週次での事業状況ドキュメントという運用
・経営陣の思いをストレートに表現する、和気藹々とした雰囲気をつくるなどはできている一方で、改善サイクルの構築や良いカルチャーをつくるということを真にできているかは今後も実践あるのみ

以上今後はハードルを下げてどんどん書いていきたい。

おまけ

HERPに少しでも興味を持った方がいれば、ぜひ一度お話しさせてください。(全社ミーティングについてのディスカッションなどであればTwitter DM(@uxkong)、会社にちょっとでも興味持ってもらった方は下記のフォームより登録いただけると嬉しいです!)


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